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日本カメラ博物館特別展

カメラのメカニズム その I

「ハイ ! チーズ」瞬間をとらえ続けるシャッター展



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上段 左:ゴー・リターンシャッター
チャールズ・アーバン・トレーディング(英)
製造年不詳
右:ソルントンシャッター
ソルントン・ピッカード(英)
1892(明治25)年

中段 左:アイリス・ダイアフラムシャッター
ボシュ&ロム(米)1890(明治23)年
中:スカイシェードシャッター
ウォーレンサック(米)
1906(明治39)年頃
右:アスリートシャッター
プロシュ(米)製造年不詳

下段 左:ミノルタハイマチックAF用
シャッター(AFP892)
セイコー光機(現・セイコープレシジョン)(日本)
昭和54(1979)年
右:コイロスシャッター
ゴーティエ(独)1907(明治40)年

 日本カメラ博物館(館長:森山 眞弓 (財団法人日本カメラ財団理事長) )では、来る平成14(2002)年7月2日(火)から11月10日(日)までの期間、

特別展 カメラのメカニズム その I
「ハイ ! チーズ」瞬間をとらえ続けるシャッター展


を開催いたします。


 写真を撮影するうえで「シャッター」は不可欠です。また、「シャッターを切る」、「シャッターチャンス」といった言葉はよく知られていますが、その「シャッター」はカメラの奥まった部分やレンズ内部に組みこまれているため、なかなか身近に感じることはできません。

 今回の展示では、日本の二大シャッターメーカーである "セイコー"、"コパル" が製造した国産シャッターを中心として、カメラの発展に重要な役割を果たしてきた「シャッター」をカメラと共に展示します。

 また、見るだけでは判りにくいシャッターの仕組みと動きを、実際に手で動かし眼で確認できるような模型で(たとえば夏休みの自由研究のテーマを捜しておられるお子さまにも)楽しく体験・理解いただけるような展示を予定しております。

 さらに、今回の特別展開催にあわせ、7月14日(日)の14時から、講師に 中川 忠 氏をお迎えして、講演会
 「国産シャッターのあゆみ」(500 円 (日本カメラ博物館友の会会員は無料))
の開催を予定しております(定員は50名)。

- 講師紹介 -
中川 忠(なかがわ ただし)
 昭和15(1940)年 富山県生まれ。
 昭和38(1963)年 服部時計店精工舎入社後、セイコー光機、現・セイコープレシジョンでカメラ用シャッターの開発に従事。
 昭和51(1976)年から特許担当を併任。また、日本写真機工業会(JCIA:2002年6月30日解散→有限責任中間法人 カメラ映像機器工業会(CIPA:2002年7月1日設立))において、シャッターに関する JIS 規格、ISO(国際標準化機構)規格の制定にあたり、原案作成分科会長、制定委員を歴任。
 現在は、五葉工房を設立し、カメラ用シャッター研究を手掛ける。
 著作に「精工舎シャッター物語」がある。

● 展示予定機種より一部をご紹介

  • 精工舎、セイコー光機、現・セイコープレシジョン株式会社
     服部時計店(明治14(1881)年に 服部 金太郎 が設立。現・セイコー株式会社)の製造部門として、明治25(1892)年に設立。
     時計の製造を中心にしていたが、昭和5(1930)年からカメラ用シャッターを手がけ始め、昭和8(1933)年から量産。

    • 「マグナ」シャッタ 昭和5(1930)年

       ドイツ製の「バリオ(VARIO)」に似た構造の 2 枚羽根式シャッター。
       栗林写真機製作所(後のペトリカメラ)が製造し、皆川商会を通じて販売された「ファースト」シリーズに装着。
       針式のセルフタイマーを持つ。

    • 「セイコーシャ」シャッタ 昭和7(1932)年

       ドイツ製「コンパー(COMPUR)」シャッターを参考にして製造した精密シャッター。
       後の精工舎製シャッターの多くは、このコンパータイプシャッターの流れに属する。

    • 「リヒト」シャッタ 昭和10(1935)年

       「マグナ」シャッタと並び、精工舎の初期の製品として有名。後期の製品では機械式セルフタイマーを内蔵。
       東京光学(現・株式会社トプコン)製「ミニヨン」などに装着。

  • コパル光機、コパル、現・日本電産コパル株式会社
     昭和21(1946)年5月、個人経営にてシャッターの製造を開始。
     昭和24(1949)年から株式組織に。
     プロンタータイプのレンズシャッターを得意としていたが、昭和35(1960)年に金属羽根単体フォーカルプレーンシャッター「コパルスケヤ」を発表し、フォーカルプレーンシャッターの分野にも進出。

    • 「コパル 0 番」シャッタ 昭和21(1946)年

       コパル最初の製品。「オリンパス シックス」などに装着。

    • 「コパルスケヤ」シャッタ 昭和35(1960)年

       それまでカメラと一体であったフォーカルプレーンシャッターの機構部をユニット化。
       小西六(現・コニカ)製「コニカ F」などに装着。

    • 「コパルエレク」シャッタ 昭和41(1966)年

       それまでは機械式の時間制御機構を、磁石を利用した電気機構に変更。
       ヤシカ(現・京セラ)製「ヤシカ エレクトロ35」などに装着。

  • ウィリアム・フジムラ」コレクションより
     ウィリアム・フジムラ 氏が個人で収集した世界各国のシャッター100有余点の中から、ごく初期の機械式シャッターをはじめとする、カメラの発展に重要な役割を果たしてきたシャッターの数々を展示。

    • アイリス・ダイアフラム」シャッター
      ボシュ&ロム(アメリカ)1890(明治23)年

       金ニス仕上げ、シャッターダイアルとシャッターレバーの曲線、速度調節のためのポンプなど、初期のシャッターの特長を備える。

    • ソルントン」シャッター
      ソルントン・ピッカード(イギリス)1892(明治25)年

       スプリングローラーに布幕を巻き取る構造で、ローラーブラインドシャッターの流れを汲む。
       その後の布幕フォーカルプレーンシャッターの基本ともなる。

    • ボリュート」シャッター
      ボシュ&ロム(アメリカ)1902(明治35)年

       絞りとシャッター羽根を兼用している空気式のシャッター。
       シャッタースピードを、3 秒から1/50秒までの幅広い速度帯で設定できる。

    • コンパウンド」シャッター
      F. デッケル(ドイツ)1903(明治36)年

       基本動力にゼンマイ、速度調節に空気ポンプを使用。
       後の機械式の「コンパー」シャッターの基本となった。

    • コンパー」シャッター
      F. デッケル(ドイツ)1912(大正元)年

       第二次世界大戦の戦前から戦後にかけての精密機械式レンズシャッターの代名詞。
       初期の製品は、シャッター上部のダイヤルで速度を選択することから「ダイヤルセットコンパー」と呼ばれる。

    • プロンター」シャッター
      ゴーティエ(ドイツ)昭和14(1939)年

       「コンパー」と並び、ドイツ製カメラに多く装着され人気があったシャッター。
       コンパーと異なる駆動方式を採用。

タイトル 日本カメラ博物館特別展 カメラのメカニズム その 1
「ハイ ! チーズ」瞬間をとらえ続けるシャッター展(展示資料:約 150 点)
開催期間 平成14(2002)年7月2日(火)〜 11月10日(日)
常設展等 常設展として「日本の歴史的カメラ」約300点も展示
博物館展示スペースの一角を日本の各メーカーに提供する「メーカー展示コーナー」も開催
開館時間 10:00〜17:00
休館日 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日の火曜日)および年末年始など当館が定める休館日
入館料 一般 300 円、小・中学生 無料
団体割引(10名以上)一般 200 円
所在地 102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCII 一番町ビル(地下1階)


*文中の会社名、製品名は、各社の商標、登録商標です。
*文中の製品名は、各社の正式な社名、商号と必ずしも一致いたしません。


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