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日本カメラ博物館 特別展

― 戦後の日本製カメラ発展の立役者 ―

「ニコン」展


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ニコンI とD2H


 日本カメラ博物館(館長:森山 眞弓 (財団法人日本カメラ財団理事長))では、来る平成15(2003)年10月28日(火)から平成16(2004)年3月21日(日)までの期間、

特別展「―戦後の日本製カメラ発展の立役者―『ニコン』展

を開催いたします。

 1950(昭和25)年12月10日、アメリカのニューヨークタイムス紙に日本製カメラとレンズの優秀性を高く評価する記事が掲載されました。そこに記されたカメラの名は「NIKON CAMERA」、レンズは「NIKKOR LENS」。それらを製造した会社は日本光学工業株式会社、現在の株式会社ニコンでした。
 その当時、ロバート・キャパ、ハンク・ウォーカー、カール・マイダンス、デビット・ダグラス・ダンカンなど多くの報道写真家達が日本を経由して朝鮮戦争の取材活動に出かける時に「ニコン」を手にしており、彼らの「ニコン」に対する評価が広く伝えられていました。
 その後、「ニコン」は世界中のプロカメラマンや写真家に広く使用され、幅広い層のユーザーに支持されてきました。今回の展示は、そうした皆様の声をもとに開催するものです。


● 展示予定機種(その一部をご紹介)

    ■距離計連動式カメラ・透視ファインダーカメラ

  • ニコン(I) 1948(昭和23)年
     日本光学工業が最初に製造した35ミリカメラ。最高速度1/500秒のシャッターを備える。画面サイズは24×36ミリよりも小さい24×32ミリ。

  • ニコンM 1950(昭和25)年
     「ニコンI」を改良して画面サイズを24×34ミリに拡大した。朝鮮戦争取材のために日本を訪れた「ライフ」のカメラマンの多くが最初に手にしたカメラはこのタイプと言われる。

  • ニコンS 1951(昭和26)年
     「ニコンM」にFとSのシンクロ接点が設けられた。著名な報道写真家ロバート・キャパが最後に手にしていたカメラはこのタイプ。

  • ニコンS2 1954(昭和29)年
     日本光学工業の距離計連動式カメラの第二世代。フィルム巻上にレバーを採用した。当時の35ミリ距離計連動式カメラの最高峰とされた「ライカM3」に先駆けてクランク巻戻しを採用した。

  • ニコンSP 1957(昭和32)年
    日本光学工業の距離計連動式カメラの最終型。自動復元式のフィルムカウンターや28ミリ(広角)から135ミリ(望遠)に対応するファインダーを装備する。

  • 名取洋之助使用のニコンSP 1957(昭和32)年頃
     日本のグラフジャーナリズムに大きな影響を与えた名取洋之助が実際に使用したカメラ。交換レンズと共に残されている。適度に擦れたブラックボディーは名取洋之助が頻繁に使用していたことを感じさせる。

  • ニコンS3M 1960(昭和35)年
     日本光学工業のカメラを通じて唯一製造されたハーフサイズ(18×24ミリ)の画面を撮影するカメラ。モータードライブを装着すると最高で秒間6コマの撮影が可能。

  • ニコノス 1963(昭和38)年
     フランスのスピロテクニク社が開発した「カリプソ」を技術提携で日本光学工業が製造を引き継いだ水中撮影用カメラ。長年にわたり世界中のダイバーに愛用され、自動露光機能を追加するなど発展を続け、1992(平成4)年には一眼レフタイプの「ニコノスRS」が登場した。


    ■透視ファインダーカメラ・デジタルコンパクトカメラ
     
  • ニコンL35AF(ピカイチ) 1983(昭和58)年
     日本光学工業最初のオートフォーカスコンパクトカメラ。フィルター装着可能な4群5枚のレンズ構成や露出補正機構の装備など、一眼レフカメラのサブカメラとしての要素を持たせた。

  • ニコンL35AWAF(ピカイチカリブ) 1983(昭和58)年
     水深3メートルまでの防水機能を持つコンパクトカメラ。オートフォーカス撮影は陸上でのみ作動し、水中ではマニュアルフォーカスで撮影する。

  • ニコンTW2D(ピカイチテレエクセルクォーツデート) 1987(昭和62)年
     切り替え式の2焦点レンズを内蔵しつつ小型化を進めた。ポートレート撮影に適した、レンズ系の中間にソフトフィルターが出入りする「ソフトフォーカス機能」が組み込まれている。

  • ニコン35Ti QD 1993(平成5)年
     チタン外装のボディーに4群6枚構成のレンズを装着した。撮影コマ数や絞り値、撮影距離、露出補正量がカメラ上部の4本の指針で表示されるのが特徴。

  • ニコンズーム700VRQD 1994(平成6)年
     コンパクトカメラの内部に手ぶれ補正機構を内蔵した最初のカメラ。そのほか、撮影したものの大きさが概略で記録できるメジャリング機構を内蔵する。

  • ニコンニュービス ミニ i 1997(平成9)年
     ニコンで最初に発売されたIX240(APS)フィルムを使用するコンパクトカメラ。25ミリレンズを装着しており、発売当時は「超小型・超軽量コンパクト」として売り出された。

  • ニコンクールピクス100 1997(平成9)年
     ニコンの初期のデジタルコンパクトカメラ。33万画素の内蔵メモリーで撮影し、ボディーを直接パソコンのPCスロットルに挿入して画像を転送する。

  • ニコンクールピクス900 1998(平成10)年
     ニコンのデジタルコンパクトカメラの一潮流となったレンズ部を回転させて撮影する方式を採用した。光学系を重視した設計で、市場で人気を博した。

  • ニコンクールピクス5000 2001(平成13)年
     ニコンのデジタルカメラの中でも銀塩コンパクトカメラに似た形状を持つシリーズ。さまざまなアングルでの撮影が可能なフリーアングル設計の液晶モニター等を装備している。


    ■一眼レフカメラ

  • ニコンF 1959(昭和34)年
     日本光学工業が最初に製造した35ミリ一眼レフカメラ。幾多の改良を加えながら15年間製造が継続された。その後の「ニコンF2」から「ニコンF5」へと発展するニコンの最高級シリーズの最初。

  • ニコレックスズーム35 1963(昭和38)年
     普及モデルとして登場したレンズシャッター式一眼レフカメラ。このカメラに装着されたレンズを基に日本光学工業製最初の交換用ズームレンズが登場した。

  • ニコンオート35 1964(昭和39)年
     「ニコレックス」の系統に属するレンズシャッター式一眼レフカメラ。シャッター速度優先の自動露光機構を内蔵する。

  • ニコマートFT 1965(昭和40)年
     「ニコンF」の普及型として登場。TTL露出計を内蔵するなど「ニコマート」のシリーズは高級モデルに先行して新しい機構を採用した。そこから得られた結果が高級モデルに反映されていった。

  • ニコマートEL 1972(昭和47)年
     機会制御が主流であったカメラに電子制御シャッターを導入した。日本光学製一眼レフカメラで最初に半導体を採用している。

  • ニコンEM 1980(昭和55)年
     当時の最高機種「ニコンF3」と同様、イタリアのデザイナー、ジウジアーロのデザインによる小型軽量の普及型一眼レフカメラ。

  • ニコンFM2 1982(昭和57)年
     シャッター羽根にハニカム状のエッチングを施して軽量化し、最高速度1/4000秒、スピードライト(ストロボ)のシンクロ同調速度を1/200秒まで高速化した。

  • ニコンFE2 1983(昭和58)年
     「ニコンFM2」の姉妹機で自動露光が可能。「ニコンFM2」で開発されたシャッターを電子制御化し、シンクロ同調速度を1/250秒まで向上させた。

  • ニコンFA 1983(昭和58)年
     シャッター速度優先、絞り優先、プログラムAEを組み込んだマルチモードAEと、画面を5分割測光するマルチパターン測光機能を装備した。

  • ニコンF−501AF 1986(昭和61)年
     日本光学製一眼レフカメラで最初にモータードライブとオートフォーカス機構を内蔵。その後の一眼レフカメラの方向性の基礎となった。

  • ニコンF−801 1988(昭和63)年
     オートフォーカスを内蔵する一眼レフカメラの上級モデルを目指した。最高速度1/8000秒の高速シャッターを採用した最初のカメラ。

  • ニコンF4 1988(昭和63)年
     最高級一眼レフシリーズで縦走りのフォーカルプレンシャッター、オートフォーカスの本格採用、内蔵モータードライブ、カメラ姿勢判別式多分割測光方式など新機構を多く取り入れた。

  • ニコノスRS 1992(平成4)年
     従来透視ファインダーで発展してきた「ニコノス」の発展型。世界唯一の水中撮影専用一眼レフカメラ。水中用の魚眼、マクロ、ズームなどのレンズシステムも話題となった。

  • ニコンプロネア 600i 1996(平成8)年
     ニコンで最初に発売されたIX240(APS)フィルムを使用する一眼レフカメラ。交換レンズは従来のニコンFマウントを採用して互換性を持たせている。

  • ニコンE3 1998(平成10)年
     ニコン製市販向けデジタル一眼レフカメラの第1世代「Eシリーズ」の最終モデル「ニコンE3s」の基本形。画素数は140万で画素記録媒体はPCカード。

  • ニコンD1 1999(平成11)年
     ニコン製デジタル一眼レフカメラの第2世代「Dシリーズ」の最初。銀塩一眼レフカメラに近似した形状となり、画素数は274万に向上した。

  • ニコンF80S 2000(平成12)年
     ファインダー上に液晶による格子線や、被写体の輝度に応じてフォーカスエリアが赤/黒に切り替わる。フィルムのコマ間に撮影データを記録できる機能がある。

  • ニコンFM3A 2001(平成13)年
     「ニコンNew−FM2」と「ニコンFE2」の後継モデルにあたるマニュアルフォーカスカメラ。全速度領域での機械と電子制御が可能なシャッターを装備している。


    ■その他のカメラとレンズ

  • ハンザキヤノン 1935(昭和10)年
     キヤノンの前身、精機光学研究所が製造した距離計連動式35ミリカメラ。このカメラの距離計とレンズは日本光学工業が製造した。50ミリと35ミリレンズがある。

  • アイレスフレックスZ 1952(昭和27)年
     アイレス写真機製作所が製造した6×6センチ判二眼レフカメラに日本光学工業が供給したもの。日本光学工業では二眼レフカメラの企画は出たが製造はされなかった。

  • ゼンザブロニカD 1959(昭和34)年
     ブロニカカメラ(現・タムロン)が製造した6×6センチ判一眼レフカメラ。標準レンズと交換レンズが日本光学工業から供給された。

  • プラウベルマキナ 67 1978(昭和53)年
     ドイで製造された6×7センチ判の蛇腹式中判クラップ型カメラ。姉妹機に広角レンズを装着した「プラウベルマキナ67W」がある。

  • ライカスクリューマウント交換レンズ
     スクリューマウントのライカに装着できる交換レンズ。「ライフ」のカメラマン、デビッド・ダグラス・ダンカンを驚かせたのは「ライカ」に装着した「ニッコール85ミリF2」であったという。

  • 各種試作モデル・設計図など
     普段は見ることが出来ない試作モデル、実際の製造現場で使用されていた設計図など貴重な資料を展示・紹介する予定にしております。

    ※ここに記載したカメラ名は展示予定機種の一部です。
    ※日本光学工業株式会社は1988(昭和63)年に株式会社ニコンに社名変更しています。

タイトル 日本カメラ博物館特別展
−戦後の日本製カメラ発展の立役者− 「ニコン」展
開催期間 平成15(2003)年10月28日(火)〜平成16(2004)年3月21日(日)
出品点数 カメラ・レンズ等:約180点
その他アクセサリー、用品、資料等
常設展等 常設展として「日本の歴史的カメラ」約300点も展示
博物館展示スペースの一角を日本の各メーカーに提供する「日本カメラ新製品コーナー」も開催

*文中の会社名、製品名は、各社の商標、登録商標です。
*文中の製品名は、各社の正式な社名、商号と必ずしも一致いたしません。

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