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掛川 源一郎   作 品 展

「 北海道 −genのまなざしー 」




阿寒・1969
協力/北海道立文学館・掛川源一郎写真委員会



 JCIIフォトサロンでは、来る2005年5月31日(火)から6月26日(日)まで、掛川源一郎作品展「北海道−genのまなざし−」を開催いたします。  ―「gen」とは、「genealogy(系譜)」であり「generation(生成・世代)」であり、何より「掛川・源一郎」その人である。―(『gen 掛川源一郎が見た戦後北海道』より/2004年 北海道新聞社刊)。

 1913(大正2)年、北海道室蘭に生まれ、伊達に暮らし、いま札幌に住まう掛川源一郎氏は、北海道の地で70年以上に及ぶ活動を続けてきた写真家です。

 北海道は、明治以降、さまざまな眼差しによって見出されてきました。北海道を形づくってきたのは、つねに外部から来る視線や欲望であったといえるかもしれません。その中で掛川氏は、時代の潮流や先人たちの影響をそしゃくしながら、あくまで「自前の眼差し」を鍛えることで、北海道を内側からしっかりと見すえてきました。

 今回の作品展では、敗戦直後の貧しい漁村の暮らし、戦後の開拓民として入植してきた沖縄出身の家族、石炭拾いや流木拾いの男女、幼い兄弟を背負う子どもたち、アイヌ民族のキリスト教伝道師・バチラー八重子、白老コタンの聖医・高橋房次、さらに伊達火力発電所の反対闘争や1977年の噴火後の有珠山など、70余年にわたる営みのうち、現存する戦後の作品を中心に約80点(全作品モノクロ)を、北海道立文学館および掛川源一郎写真委員会の協力のもと展示します。

 氏の写真には、今日幅広く流通しているイメージの中の北海道−息をのむ雄大な自然や、エキゾチックな街並み、あるいはロマンチックな風景−は、ほとんど登場しません。しかし、いまその写真は、北海道に深く根差しながら、今日の北海道を内側から外部へと開いていく強さやしなやかさとして、私たちの前にイキイキと存在しているのです。


●掛川 源一郎 (かけがわ げんいちろう)

 1913(大正2)年、北海道室蘭町(現・室蘭市)に生まれる。

  室蘭中学校、千葉高等園芸学校をへて、誠文堂新光社『実際園芸』編集所に勤務。編集記者兼カメラマンとして活躍。

  戦後は伊達高校に教員として勤務するかたわら、北海道における社会派カメラマンの草分けとして、貧しい漁村や開拓農家の暮らし、アイヌ民族、伊達火力発電所建設反対運動、ポリオ(小児マヒ)の子どもたち、有珠山噴火などを長期にわたって取材。1961年には雑誌「世界」の口絵で第2回講談社写真賞を受賞した。

  主な著書に『アイヌの神話』『アイヌの四季』(更科源蔵との共著)『若きウタリに』『大地に生きる』『バチラー八重子の生涯』など。1991年、第7回東川賞特別賞受賞。2000年から札幌市在住。2004年4月、北海道立文学館で写真展「写真家 掛川源一郎の20世紀」開催。



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