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岩田 幸助 作品展

「秋田 昭和三十年(一九五五)前後」



岩田幸助


 JCIIフォトサロンでは、来る3月4日(火)から3月30日(日)まで、岩田幸助作品展「秋田 昭和三十年(一九五五)前後」を開催いたします。

 岩田さんは、秋田を代表するアマチュア写真家で、17歳の頃から兄の写真館を手伝う傍らこつこつと写真を撮り、96歳になるまで秋田市内で精力的に活動を続けてきました。日本近代写真の父・木村伊兵衛と出会ったのは1952年のこと。木村がその代表作『秋田』の撮影のために初めて秋田を訪れ、以来20年間、岩田さんは「秋田」の撮影の多くに同行し、木村と同じ被写体や情景も数多く撮影して歩きました。私淑した師匠への遠慮から、これまで一連の作品の公表を控えてきましたが、96歳の誕生日を迎えた昨年、周囲の後押しを受けて初の写真集を発表しました。本展ではその写真集『秋田 昭和三十年(一九五五)前後』(英伸三編/無明舎出版)の中から、約80点(総てモノクロ)の作品を紹介します。
「木村さんとの出会いで、岩田さんは身近な農村が写真になることを再発見した。厳しい風土での生活や行事が、地元の人間でなくてはとらえられない力感で記録されている。」と英伸三氏が評する氏の作品は、木村の代表作のもうひとつの側面、秋田に住む木村の弟子の作品、としての面白味だけでなく、"秋田人"岩田幸助の独自の郷土ルポルタージュ、生活に密着した雪国の貴重な記録としても、見るものを飽きさせない魅力に富んでいます。

 初めての個展開催を心待ちにしていらした岩田さんでしたが、残念ながら去る2007年12月、秋田の地でご逝去されました。JCIIフォトサロン一同、心より岩田さんのご冥福をお祈りし、当展覧会をもって追悼の意を表したいと思います。



●岩田 幸助 (いわた こうすけ)


1911年山形県生まれ。山形市内の小沢写真館に5年間勤務の後、兄の営む岩田写真館(秋田県)を手伝う。満州事変勃発に伴い、1932年に陸軍第17師団の写真班員として従軍。1952年、木村伊兵衛が来秋。以来、木村に私淑し、氏の「秋田」取材に協力する。1953年、『写真サロン』月例写真コンテストで全国年間1位、『カメラ』月例写真コンテストで同3位に、1954年、『アサヒカメラ』月例写真コンテスト優秀作家賞受賞、『フォトアート』月例写真コンテストで全国年間1位になる。1955年、「山の分教場」が第22回日本写真美術展で文部大臣賞を受賞、岩波写真文庫『男鹿半島』の撮影に参加。1958年、岩波写真文庫『秋田県―新風土記―』の撮影に参加。1960年、写真機材販売と現像所のミドリ光学を設立。1994年、秋田市立千秋美術館の『木村伊兵衛と秋田』展に出品。2005年、朝日新聞に「あのとき「岩田幸助の写真から」」を連載。2006年、『昭和の農村社会』(平凡社)に作品掲載。2007年12月逝去、享年96歳。


 
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