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森澤 勇 作品展

「軽井沢時代 1947-1960」


Isamu Morisawa

 JCIIフォトサロンでは、来る6月3日(火)から6月29日(日)まで、森澤勇作品展「軽井沢時代 1947-1960」を開催いたします。

 昭和22年から35年にかけて移り住んだ長野県軽井沢町で、写真館「モリサワ・フォトショップ」を開業していた森澤勇氏はフォトショップの経営をしながら、アメリカ軍に接収された万平ホテル内の進駐軍用売店で、当時としてはまだめずらしいD.P.E (※1)の受付業務や、パーティーのキャンデットフォト(※2)の撮影・販売もしていました。一方で、軽井沢の魅力に強く惹かれ、そこで暮らす人々の様子を連なる山々を背景に、心の赴くまま記録し写真に収めています。別荘地であった軽井沢は、戦中・戦後間もない、厳しい時代の中で独自の風俗を展開していた地域といえます。これらの貴重な記録は生々しい記録写真というよりは、むしろ森澤氏の優しく、親しみに満ちた視線で切り取られており、物語のような柔らかな色合いをあわせ持っています。屋外のリンクでスケートを楽しむ親子、商店街を走り抜ける外国車、乗馬を楽しむ女性たち・・・見る者はいつのまにか往年の軽井沢へといざなわれています。

 森澤氏は写真を通じて軽井沢という土地に愛着を示し、深く関わり続けた人物であったといえるでしょう。横浜で生まれながら、あたかも故郷に対するような眼差しと愛情を注いだ森澤氏による軽井沢の風景を、どうぞご覧下さい。

※1.撮影したフィルムの現像、焼付け、引き伸ばしを行なう
※2.相手や周囲に気づかれずに、自然の表情、動作を撮ること



●森澤 勇 (もりさわ いさむ)


1913年横浜生まれ。電気商に奉公に出る。横浜シネマ現像所で営業マンを経て、豊田自動織機自動車部に就職。1941年頃日本映画社に入社。国策映画のカメラマンとして活躍。1947年、終戦と同時に軽井沢へ。旧軽井沢にモリサワフォトショップを開業。アメリカ軍に接収された万平ホテルの売店でD.P.Eの受付を引き受け、パーティーなどのキャンデットフォトの撮影・販売も行う。1951年、写真印画紙によるしおりを観光みやげ用に開発。また、映画プリントの知識を駆使して独自にモノクロスライドプリンターを開発。学校教材用のモノクロスライド制作を手がける。1955年には軽井沢町議会議員に立候補、当選。自身の取材経験をもとに国際親善文化観光都市宣言をする。1960年、軽井沢を離れることを決意し、静岡県金谷町に移住。1964年、東京の写真総合商社と提携、8ミリの既成フィルムタイトルの製作に着手。1971年には大阪万博の8ミリトーキー映画を3部作として完成。1973年、逝去。2007年にart & river bank にて森澤ケン氏が手がけたプリントによる写真展「MORISAWA PHOTO SHOP isamu morisawa + ken morisawa」開催。


 
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