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「写真◎柳沢 信」 作品展

柳沢 信


 JCIIフォトサロンでは、来る2009年6月2日(火)から6月28日(日)まで、柳沢信作品展「写真◎柳沢信」を開催いたします。

 柳沢信氏は東京写真短期大学卒業後、1958年ミノルタのPR誌「ロッコール」に掲載された『題名のない青春』でデビューし、注目を浴びました。しかし1961年、結核と診断され2年間の療養生活を送ることになります。この間写真から離れたことで、柳沢氏の興味は作り上げられたファッションの世界から、あるがままを記録することに移っていきました。そして、その後柳沢氏は「旅」を通して日本中の町をフィルムに収めていきました。

  柳沢氏の「旅」の写真には独特の世界観が確立されています。「観光地はお芝居であり年輪がないので関心が湧かない」という通り、先入観や使命感などに捉われることなく感性の赴くままに撮影を行う柳沢氏の作品は、その土地や町に興味を持ちながらも決してセンチメンタルに流されることのない観察的な写真に仕上がっています。また、柳沢氏の撮る風景は、考えられた完璧な構図で心地よい距離感を保っており、こちらから見ているだけでなく向こうの風景からも見返されているような対等の構造が成り立っています。
「知識など言葉で説明できるものは視覚の世界とは別の事柄だから無視しておけばいい、カメラマンの思想や個性などというどこにあるのかよくわからないものは放っておけばいい」という柳沢氏の作品は淡々と、しかし力強く迫ってきます。報道写真や広告写真などという枠組みを超えた視点で「写真は写真である」ということを表している作品群です。

 本展示では、時代の流行に左右されることなく旅の中で出会った風景を、あるがままに切り取った作品、約70点(すべてモノクロ)をご覧いただきます。



柳沢 信(やなぎさわ しん)

1936年、東京都墨田区向島生まれ。東京写真短期大学技術科卒業。桑沢デザイン研究所に入学するが中退。以後フリーとなる。1958年にミノルタのPR紙「ロッコール」に発表した「題名のない青春」で注目を集める。1959年「ADLIB3」3人展(立木義浩・笠貫節と共催、富士フォトサロン)などで活躍するが、1961年結核と診断され、二年間の療養を余儀なくされる。1967年、「二つの町の対話」「竜飛」により日本写真批評家協会新人賞を受賞。翌年、ニコンサロン(東京)で受賞記念展。写真誌を中心に精力的に作品を発表する。1993年イタリア撮影旅行。帰国後、喉頭癌、食道癌が見つかり手術。声を失うとともに、息を止めることができなくなり、シャッターを切れなくなる。2008年6月2日死去。享年71歳。
<個展>
1979年、「都市の軌跡1965〜70」オリンパス・ギャラリー
1980年、「北陸紀行」ミノルタフォトスペース、「柳沢信写真展」CAMERA WORKS EXHIBITION Section・東京
1994年、「写真・イタリア・柳沢信」コニカプラザ
2001年、「写真に帰る」クリエーションギャラリーG8、ガーディアンガーデン
2008年、「柳沢信写真展」ときの忘れもの
<写真集>
1979年、「都市の軌跡」朝日ソノラマ
1981年、「北陸紀行」集英社
1990年、「写真・柳沢信」書肆山田



 
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