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水越 武作品展 「真昼の星への旅」

水越 武



 JCIIフォトサロンでは、来る2010年11月2日(火)〜11月28日(日)まで、水越武作品展「真昼の星への旅」を開催いたします。

 水越氏は、幼い頃から山の自然に親しみ、20代の頃に写真家・田淵行男氏の写真集「高山蝶」に感銘を受け、師事し山岳写真を撮り始めます。日本で最も険しく、大きな山塊である穂高連峰一筋で10年間も登り続け、「愛しても愛しきれない、登っても登り切れない、写しても写しきれない穂高」と写真集『穂高』の後書きに記すほど、穂高への深い愛情を持ち、ひたむきな姿勢で対峙してきました。そして、その山への愛情は、世界の高峰の山々へ向いていきます。人々に踏み荒らされていない地域を好み、マッキンリー、ヒマラヤ、エベレストなど太古から息づいている豊かな自然と向き合ってきました。そして、山の厳しい自然の中で暮らす生き物や、日本の原生林、温暖化で後退している氷河など、地球を取り巻く生態系をテーマとして作品を発表し続けています。
今回は、水越氏が現在まで撮り続けてきた中から「山と自然」をテーマとし、厳選した作品群をご覧いただきます。

 氷河、積雪、断崖、険しく荒々しい山は、時に人間に対し牙を剥きます。季節により、気象により、時間により様々な顔を持つ世界の山々に向かうということは、精神も肉体も追い詰められ、感覚が研ぎ澄まされていくのでしょう。人間の煩悩や欲望が薄れていき心静まる、と同時に、想像する以上の桁はずれな重量感や凛々しさが、圧倒的な存在を持って押し寄せてきます。

 光は山の輪郭や雪の模様を浮き立たせ、流れるような模様を織り成す雪原、霧の中にそびえ立つ大木など、それぞれの山の際立った魅力が写し込まれ、生命力に溢れています。自分の足で地球を歩き、見て、写し出す圧倒的な美しさだけではなく、自然破壊への警告をも呈する作品だからこそ、水越氏の写真は世界中の人々の感情を揺さぶるのではないでしょうか。



水越 武 (Takeshi Mizukoshi)

1938年愛知県生まれ。1956年東京農業大学林学科に入学、のちに中退、1965年写真家田淵行男氏に師事。1991年『日本の原生林』で日本写真協会年度賞、1994年『HIMALAYA』及び『ボルネオ』で講談社出版文化賞、1999年『森林列島』で第18回土門拳賞、2009年『知床 残された原始』で芸術選奨文部科学大臣賞など多数受賞。

主な写真集は、『槍・穂高』『白馬岳』『山の輪舞』『穂高 光と風』『日本アルプスの花』『森林限界』『日本の原生林』『雷鳥』『ブナ VIRGIN FOREST』『HIMALAYA』『森林列島』『熱帯雨林』『知床 残された原始』『熱帯の氷河』など多数。


 

 

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