レンズは人間の目にあたる部分です。良いレンズを使用しなければ、しっかりと物を見ることができません。カメラに装着されているレンズは、大きく以下の2 種類に分けられます。
ズームレンズは、1 本のレンズで撮影する画面を広い範囲から望遠撮影などへと焦点距離を変えることができます。そのため、レンズ交換をしないコンパクトカメラの多くに装着されています。そしてはじめに触れたとおり、電気的に画像を拡大する方式に比べ、光学的に画像を拡大するほうが良質な画像を得るためには有利です。
また、すべてのカメラでいえることですが、焦点距離が短いほど幅広い範囲にピントが合いますが、小物を撮影するような場合に、広角側で近づいて撮影すると物の形がゆがんで不自然に撮れてしまいます。このようなときは望遠側にセットすれば、ゆがみなく自然な形で撮影できます。
なお、小物を撮影するときは、撮像素子の小さいコンパクトカメラを使うと全体にピントが合った写真を手軽に撮影できます。もちろん、撮像素子の大きなカメラでも可能ですが、奥行き全体にピント合わせるためにはかなりの絞り込みが必要となり、三脚や補助光による照明も必要となります。
単焦点距離のレンズは、180 度以上の範囲を撮影できる「魚眼レンズ」から、人間が目で見た印象に近い範囲を撮影できる「標準レンズ」、遠くのものを引き寄せたように撮影できる「望遠レンズ」まで、撮影目的に応じて多くのレンズが製造されています。
一般的にズームレンズより単焦点距離レンズの方が性能が良いといわれていますが、いまではズームレンズの性能も向上していますので、その差は以前よりは少なくなっています。 そのほかズームレンズと単焦点距離レンズで見られる違いに「レンズの明るさ」があります。これについてはこのあとの「絞り」や「シャッター」の項目でくわしく触れます。