写真展

飯島幸永作品展「消えた海 1973年~1976年」―千葉県内房海岸・京葉臨海コンビナート開発 その光と影―

開催期間:2025年3月4日(火)2025年3月30日(日)
1974年(昭和49) 市原市
1975年(昭和50) 袖ケ浦市

 JCIIフォトサロンでは、来る2025年3月4日(火)~3月30日(日)まで、飯島幸永作品展「消えた海 1973年~1976年 ―千葉県内房海岸・京葉臨海コンビナート開発 その光と影―」を開催します。

 本展では、飯島幸永氏が1973年から約3年をかけて撮影した千葉県内房地域のドキュメンタリー作品(65点、すべてモノクロ)を展示します。

 飯島氏は、1964年東京写真短期大学(現・東京工芸大学)を卒業後、写真家・杉山吉良に師事しました。7年後にフリーランスの写真家となり、ドキュメンタリーを中心に失われつつある風景や時代の変化、時代の顔といわれる著名人らに向き合い、社会的な視点を持って活動を続けてきました。

 かつて東京湾では、採貝漁業や海苔養殖が盛んに営まれ「江戸前」の水産物が水揚げされていました。しかし、昭和30年代以降の高度経済成長に伴い、大規模な埋め立てが進められ、農漁村の風景は重化学工業のコンビナートへと様変わりしていきます。その過程で、漁業権の放棄や漁村の変容、地域住民の生活や文化の激変がもたらされました。

 本展の作品は、木更津、君津、富津、姉崎、五井といった千葉県内房地域で撮影されました。埋立地造成のため設置された巨大な排水管、廃棄され山積みにされた漁船、労働者となりマイクロバスに大勢で乗り込む元漁師など、消えゆく内房の佇まい、新たな生活を余儀なくされた漁師やその家族の姿をとらえています。また、当時の潮干狩りの賑わいや、変わりゆく人々の営みを鮮明に記録し、内房の海が辿った光と影の物語を浮き彫りにしています。

 かつて豊かだった海が失われた歴史を振り返ることで、自然との共生や地域の未来について思いを巡らせ、私たちが今何を大切にし、次世代に何を残すべきかを考えるきっかけとなれば幸いです。


飯島幸永(いいじま こうえい)

1942(昭和17)年 東京生まれ。
1964(昭和39)年 東京写真短期大学(現・東京工芸大学)を卒業。写真家・杉山吉良に師事。
1966(昭和41)年 アサヒカメラ誌に聾児の世界「音を求める子ら」を発表。
1971(昭和46)年 フリーランスとなる。日本各地を旅し、風土と人間の撮影に取り組む。
2019(令和元)年 公益社団法人日本写真家協会理事(~2023年)、一般社団法人日本写真著作権協会理事(~2023年)。

【主な写真展】
1980(昭和55)年 「寒流―雪国の女」(銀座ニコンサロン)
1986(昭和61)年  片隅の風景カラー「サイレンス」(銀座ニコンサロン)
1992(平成04)年  写真と名画で語る「上村松篁・魂の賛歌」(大阪大丸梅田店ほか5会場)
2007(平成19)年 「寒流」(JCIIフォトサロン/東京)
2009(平成21)年 「高山辰雄画伯を撮る」(シンワアートミュージアム/東京)
2010(平成22)年  日本画家・堀文子 「美の旅人」(銀座アートグラフ)
2018(平成30)年 「その風土を生き抜く」(リコーイメージングスクエア銀座)

【主な写真集・他】
1991(平成03)年  上村松篁写真集『歩歩清風』(中央公論美術出版)
2002(平成14)年 『人間上村松篁』(小学館)
2007(平成19)年  細川護熙作品集『晴耕雨読』写真担当(新潮社)
2010(平成22)年  写真集・堀文子『美の旅人』(実業之日本社)
2012(平成24)年 『寒流 津軽のおんな/越後・雪下有情』(彩流社)
2017(平成29)年 『暖流 八重山諸島につなぐ命』(彩流社)


タイトル

飯島幸永作品展「消えた海 1973年~1976年  ―千葉県内房海岸・京葉臨海コンビナート開発 その光と影―

開催期間

2025年3月4日(火)~3月30日(日)

展示内容

昭和30年代以降の高度経済成長に伴い、東京湾では大規模な埋め立てが進められ、重化学工業のコンビナートへと様変わりし、その過程で、地域住民の生活や文化が激変していった。飯島氏は、埋立地造成のため設置された巨大な排水管、廃棄され山積みにされた漁船、労働者となりマイクロバスに大勢で乗り込む元漁師など、消えゆく千葉県内房の佇まい、新たな生活を余儀なくされた漁師やその家族の姿をとらえた。また、当時の潮干狩りの賑わいや、変わりゆく人々の営みを鮮明に記録し、内房の海が辿った光と影の物語を浮き彫りにしている。かつて豊かだった海が失われた歴史を振り返ることで、自然との共生や地域の未来について思いを巡らせ、次世代に何を残すべきかを考える機会となる。

展示点数

65点(全てモノクロ)

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(24日は開館)

入館料

無料

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 - 半蔵門 - 日比谷 - 銀座四 - 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 - 東京女子医大前 - 四谷駅前 - 半蔵門 - 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。