特別ミニ展示:~篤姫の時代~湿板カメラと幕末・明治の写真
湿板カメラと幕末・明治の写真
年末年始休館:2008年12月27日(土)~2009年1月5日(月)
日本カメラ博物館では、来る2008年11月26日(水)より、特別ミニ展示「~篤姫の時代~湿板カメラと幕末・明治の写真」を行います。
カメラが日本に渡来したのは、フランスで世界初の市販カメラ「ジルー・ダゲレオタイプカメラ」(1839年)が発売されてから10年後の、1848(嘉永元)年のことです。長崎の上野俊之丞に引き取られた後に薩摩藩で研究が進められ、1857(天保14)年には篤姫の養父であった薩摩藩主・島津斉彬の肖像を銀板写真に写し撮ることに成功します。その後、何人かの日本人が在留外国人などから写真術を習得し、写真は徐々に広まっていきます。
幕末から明治期にかけては、主に”湿板写真”という写真術が用いられていました。湿板写真とはその名のとおり、ネガとなるガラス板に感光性のある薬品を撮影直前に塗布し、それが湿っているうちに撮影を行う技法のことです。感度が低いため晴天下でも数秒から数十秒間の露光時間が必要で、撮影後はすぐに現像しなくてはなりません。さらにカメラのほかにも三脚や薬品、暗室など多くの器材が撮影現場に必要であったため、大変な手間と費用がかかりました。当時の写真撮影は現在よりもずっと特別な行為であったのです。ときに、戦に赴く藩士が家族への形見として写真を遺すという事もあったようです。
NHK大河ドラマ「篤姫」では、当館所蔵の湿板カメラを使用し、第十四代将軍・徳川家茂と正室の和宮、天璋院・篤姫の三人で写真を写すというシーンが放映されました。(10月5日放送・第40回「息子の出陣」ラストシーン。その後の回で家茂は、この写真を携えて長州征伐へと向かい、その途上で息を引き取りました)
今回の展示では、このとき「篤姫」の収録で実際に使用された1865(慶応元)年製の湿板カメラのほか、最終回に登場する予定のカメラや幕末・明治期に作られた国内外の湿板カメラ、当時の三脚、携帯暗室、薬品などの撮影器材、幕末・明治期の写真、勝海舟ほか幕末名士の肖像写真(複写)など、”篤姫の時代”を写したカメラや、その当時の風景・風俗・人物が写された古写真などを紹介いたします。
タイトル
日本カメラ博物館特別ミニ展示
「~篤姫の時代~ 湿板カメラと幕末・明治の写真」
開催期間
2008年11月26日(水)~2009年1月18日(日)
出品点数
幕末から明治初期の湿板・乾板カメラ、携帯型暗室や三脚などの撮影器材、幕末・明治の古写真(複写含む)、その他資料等、約20点
常設展等
常設展として「日本の歴史的カメラ」約300点も展示
開館時間
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日の火曜日)
年末年始休館:2008年12月27日(土)~2009年1月5日(月)
入館料
一般 300 円、中学生以下 無料
団体割引(10名以上)一般 200 円
所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
交通機関
- 東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
- 東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
- 都営バス「都03 (四谷駅 - 半蔵門 - 日比谷 - 銀座四 - 晴海埠頭)」
- 都営バス「宿75 (新宿駅西口 - 東京女子医大前 - 四谷駅前 - 半蔵門 - 三宅坂)」
半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
- 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
- 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
- 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
- JR東京駅からは、東京メトロ◎丸の内線東京駅→大手町駅にて◎半蔵門線に乗り換えると便利です。