特別展

– カメラのメカニズム そのⅡ – 「カメラの眼」展

開催期間:2003年7月1日(火)2003年10月19日(日)
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カメラの眼「レンズ」

 日本カメラ博物館(館長:森山 眞弓 (財団法人日本カメラ財団理事長))では、来る平成15(2003)年7月1日(火)から10月19日(日)までの期間、特別展「- カメラのメカニズム そのⅡ – 『カメラの眼』展」を開催いたします。

 本特別展は、昨年開催した「ハイ!チーズ」瞬間をとらえ続けるシャッター展に続き、カメラのメカニズムに注目した展示で、今回は「レンズ」をテーマにとりあげています。
 カメラのレンズは、さまざまな視覚的情報を記録するカメラの光の入口であり、人間にとっての「眼」のように、光をとらえるための器官としての働きをもっています。
 カメラ用レンズはカメラの歴史とともにいろいろな種類のレンズが設計され、写したいものや場所の状況や撮影意図に応じてそれらを使い分けることができます。
 今回の展示では、そうした多様なレンズの歴史や特徴、構造などを紹介します。また、撮影した写真の展示をはじめ、パネルや模型などを使ってレンズで得られる効果をわかりやすく解説し、光や画像を取り入れるカメラの眼「レンズ」について、「知る・選ぶ・使う」ことができるよう、お子様にも楽しく理解できる展示を予定しております。


● 展示予定機種(その一部をご紹介)

標準レンズ
 習慣的には人間の目で見た画角(約50度)を持つレンズを指すが、画面の対角線の長さに近い焦点距離のレンズを指す。
 24×36ミリの画面を持つカメラでは、対角線長の40~45ミリ前後が標準レンズとなるが、50ミリを採用しているものが多い。

魚眼レンズ
 フィッシュアイレンズ、全天レンズとも呼ばれる。魚眼の名前のとおり、魚の眼と同様に180度、またはそれ以上の画角(写る範囲)を持つレンズ。

広角レンズ
 標準レンズより焦点距離が短く、必要な画面に結像できる画角が広い。
 標準レンズより広い範囲が写り、対象は小さく写る。標準レンズと対象を同じ大きさにすると、背景が小さく写るので遠近感が誇張される。

望遠レンズ
 標準レンズより焦点距離が長く、画角が狭いレンズを一般的に望遠レンズという。
 構造により、「長焦点レンズ」、「テレフォトタイプ望遠レンズ」、「反射望遠レンズ」などの種類がある。

ズームレンズ
 一本のレンズで連続して焦点距離を変化させることができる。現在もっともポピュラーなレンズ。
 似た物にバリフォーカルレンズがあるが、こちらはレンズの画角を変えることは可能だが、画角設定後にピントを合わせなくてはならない。

シングルメカニズムレンズ
 本来は1枚のメニスカス(三日月型)レンズを指すが、慣例的に1群2枚(2枚1組)のレンズを指すことが多い。カメラの前身「カメラオブスキュラ」から使用されてきたもので、世界最初のカメラ「ジルー・ダゲレオタイプ・カメラ」に装着されているものもこのタイプ。

フォクトレンダー・ダゲレオタイプカメラ 1840(天保11)年/フォクトレンダー/オーストリア
 カメラの前身、カメラオブスキュラからの流用ではなく、初めて写真用に設計されたレンズを装着したカメラ。
 このレンズ設計にあたってフォクトレンダーから依頼を受けたペッツバールは当時オーストリア陸軍砲兵隊総司令官であったルードヴィヒ大公に援助を依頼した。
 伍長2名と計算に熟達した砲手8名がペッツバールの指揮下となり、わずか6ヶ月で完成した。
 このレンズは当時としては飛びぬけた明るさであった。

テッサー 1902(明治35)年/カール・ツァイス/ドイツ
 ツァイスの設計者パウル・ルドルフが設計したレンズ。発売当初からその鮮鋭さは話題となった。
 幾度かの改良を加えつつ1930年代に入るとドイツ製カメラの多くに装着されるようになる。

ズーマー 1958(昭和33)年/ズーマーコーポレーション/アメリカ
 現在主流になっているズームレンズの最初。ムービー用が先行していたが、スチルカメラではフォクトレンダー社製「ベッサマチック」の交換レンズ用に発売されたのが最初。

プラスチックレンズ 1960年代/コダック/アメリカ
 1950年代から撮影用レンズとして使われはじめ、1963(昭和38)年発売の「コダック・インスタマチックカメラ」で大々的に実用化された。
 安価であることもさることながら、何よりもガラスとは大きく異なる加工の容易さが特徴。
 1980年代に入ると、樹脂製レンズの実用化が始まり、中でも従来は大変高価で特殊とされた非球面レンズは樹脂製レンズの得意分野となる。
 レンズ付フィルムやカメラ付携帯電話用のレンズ、カメラ以外ではCDプレーヤーのピックアップレンズなど広い分野で活躍している。

 

※ここに記載したカメラ名は展示予定機種の一部です。このほか、近接撮影に適した「マクロレンズ」やレンズの焦点距離を換える「コンバーター」などがあります。また、レンズを2つに切断して内部の構造を見ることができる、カットモデルも展示しています。


タイトル

日本カメラ博物館特別展
カメラのメカニズム そのⅡ 「カメラの眼」

開催期間

平成15(2003)年7月1日(火)~10月19日(日)

出品点数

カメラ・レンズ等:約150点
その他アクセサリー、用品、資料等

常設展等

常設展として「日本の歴史的カメラ」約300点も展示
博物館展示スペースの一角を日本の各メーカーに提供する「日本カメラ新製品コーナー」も開催

図録販売

今回展示される資料を収めた図録を制作し、日本カメラ博物館受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

  図録はこちら

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日の火曜日)

入館料

一般 300 円、中学生以下 無料
団体割引(10名以上)一般 200 円

 

*文中の会社名、製品名は、各社の商標、登録商標です。
*文中の製品名は、各社の正式な社名、商号と必ずしも一致いたしません。