「カメラ偉人伝」
写真・カメラ技術に貢献した人々
日本カメラ博物館(館長 森山眞弓)では、2016年7月12日(火)から特別展「カメラ偉人伝 写真・カメラ技術に貢献した人々」を開催しております。
2016年10月16日(日)までの開催予定でしたが、ご好評を得ておりますため、開催期間を11月13日(日)まで延長いたします。
写真が実用化されたのは1839(天保10)年とされていますが、そのはじまりとなる原理は紀元前から知られていたともいわれ、長い時を経て、現在のように誰でも写真が撮影できるまでになりました。
それは、光が画像になることの発見、画像を記録する方式、より鮮明な画像を得るためのレンズ開発、使いやすいカメラの開発など、多岐にわたる技術発展の賜物であり、その背景には、写真やカメラ技術の発展に貢献した人物の姿があるのです。
今回の特別展では、そのような人々にスポットをあて、いつ、だれが、どのような発見・発明をして、写真とカメラ技術が発展していったのか、また、海外で発明された写真がどのようにして日本に伝わり、広まったのかを解説いたします。
夏休みの時期に合わせて、あらためて写真やカメラの歴史を学ぶことができる展示となっております。
展示予定より
ヨハン・ハインリッヒ・シュルツェ (Johann Heinrich Schulze)
■塩化銀の感光性を発見 (ドイツ・1667-1744)
アウグスト・ヘルマン・フランケが開設した孤児院の無償学校で教育を受けたのちにハレ大学で医学、化学、哲学、神学を学ぶ。
窓辺に置いた銀が溶解した硝酸の変色の原因が光であることから、硝酸銀が感光性をもつことを1719(享保4)年に論文で発表。この発見は、のちの感光材料の基礎となる。
ジョセフ・ニセフォール・ニエプス (Joseph Nicephore Niepce)
■写真発明者のひとりー世界最古の写真を撮影 (フランス・1765-1833)
新しいメディアとして普及した石版印刷の研究のかたわら、1793(寛政5)年からビチューメン(アスファルトの一種)が光で硬化する性質を利用して画像を得る「ヘリオグラフィ」を完成。これが光を用いた画像の固定方式の最初とされる。当初は紙をのせて原板を作成したが、1824(文政7)年頃からカメラ・オブスクラでヘリオグラフィを作成。その後、銀化合物を使用する方式を研究するが1833(天保4)年に急逝。
ルイ・ジャック・マンデ・ダゲール (Louis Jacques Mande Daguerre)
■写真発明家のひとり-銀板写真の完成 (フランス・1787-1851)
舞台背景作成や1820年代に流行したパノラマ・ジオラマの画家であり興行師。
1827(文政10)年頃に画像撮影に成功したニエプスと1829(文政12)年に接触し、ニエプスの没後に銀板写真を完成して1839(天保10)年に自らの名前を冠した「ダゲレオタイプ」として発表。この技法は一般の人々でも撮影から現像までを可能にした技術であり、このことから一般的な写真技法の発明者のひとりとされる。
ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット (William Henry Fox Talbot)
■写真発明家のひとり-ネガ・ポジ法の完成 (イギリス・1800-1877)
1833(天保4)年、新婚旅行の際に、風景をカメラ・オブスクラやカメラ・ルシダを使用してもうまく描き残すことができなかったことをきっかけに、カメラ・オブスクラの中に感光紙を入れて撮影する写真研究に着手。1835(天保6)年に完成。明部と暗部が反転した原板(ネガ)から明部と暗部が整った画像(ポジ画像)を得る、のちの銀塩写真の基礎技法を確立。このことから実質的な写真技法の発明者のひとりとされる。
オスカー・バルナック (Oscar Barnack)
■小型精密カメラの製造 (ドイツ・1879-1936)
映画用の35ミリフィルムを使用して24×36ミリの画面サイズを撮影する小型精密カメラ「ライカ」を製造。この画面サイズは現在のデジタルカメラでも「フルサイズ」とよばれ、このサイズの撮像素子を装備することは上級モデルのひとつの目安となっている。
上野彦馬 (うえのひこま)
■日本最初の写真研究者のひとり、写真家 (日本・1838-1904)
蘭学者の息子として生まれ、医学伝習所で舎密学(化学)を学ぶ。その際に蘭書にある写真術に関心を持ち、堀江鍬次郎らと共に研究。堀江と江戸に出て知見を深め、1862(文久2)年に化学解説書「舎密局必携」(せいみきょくひっけい)を完成させる。その中で写真技術にもふれる。同年長崎に日本でも初期の写真館「上野撮影局」を開設。この写真館では坂本龍馬などの写真が撮影された。
(展示予定機種は変更される場合があります)
※ここに記載したカメラ名は展示予定機種の一部です。
タイトル
日本カメラ博物館 特別展
「カメラ偉人伝 写真・カメラ技術に貢献した人々」
開催期間
2016年7月12日(火)~11月13日(日)
展示品
人物紹介パネルとともに、考案したカメラや写真関連の資料、またその発明をきっかけに発展したカメラの数々を展示。
関連イベント
夏休み中に親子向けのワークショップを開催いたします。
日本カメラ博物館特別企画「湿板であなたのポートレイトを撮影しませんか!」
10/15(土)に開催します。
常設展等
常設展として世界最初の市販カメラ「ジルー・ダゲレオタイプカメラ」、「日本の歴史的カメラ」約300点、「ライカコーナー」、「カメラのおもちゃコーナー」、「カメラ体験コーナー」、「分解パネルコーナー」などを展示
図録販売
今回展示される資料を収めた図録を制作し、日本カメラ博物館受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。
図録はこちら
開館時間
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日の火曜日)
入館料
一般 300 円、中学生以下 無料
団体割引(10名以上)一般 200 円
所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
交通機関
- 東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
- 東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
- 都営バス「都03 (四谷駅 - 半蔵門 - 日比谷 - 銀座四 - 晴海埠頭)」
- 都営バス「宿75 (新宿駅西口 - 東京女子医大前 - 四谷駅前 - 半蔵門 - 三宅坂)」
半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
- 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
- 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
- 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
- JR東京駅からは、東京メトロ◎丸の内線東京駅→大手町駅にて◎半蔵門線に乗り換えると便利です。