写真展

南良和作品展「秩父三十年―1957~1991―」

開催期間:2013年4月9日(火)2013年5月6日(月)
若者の多くは町へ働きに 週5日制の工場も 1969年4月
(c)南 良和

 JCIIフォトサロンでは、来る2013年4月9日(火)から5月6日(月・祝)まで、南良和作品展「秩父三十年 ―1957~1991―」を開催いたします。

 南氏は、1935年に埼玉県秩父に生まれます。幼い頃から喘息で部屋に閉じ籠りがちだった南氏は、父親から渡されたカメラで写真を撮り始めました。その後、1958年頃からふるさとの山村をくまなく歩き様々な諸問題に目を向け、ジャーナリストとして道を進むようになりました。そして、地方に残る独特の習わしや祭り、自然や信仰の拠り所など、変化していく民俗風習を丹念に追い続け、数多くの賞を受賞しています。

 今回の作品展は、「秩父三十年 ―1957~1991―」と題して、1957年から91年まで秩父と向かい合い、そこに住む人や生活を追い続けてきた作品をご覧いただきます。

 南氏が秩父を撮り始めたころ、村の青年団の活動が活発で、村芝居が行われ、映画・演劇の会が絶えず開かれていました。これは当時の日本ではどこででも見られた光景でした。
そして、氏が撮り続けている間の1970年代前後には、時代の激しい波が押し寄せ、農村の「生活改善運動」という名の下、人々の生活は瞬く間に変わっていきました。車、テレビ、レコ-ドなど物質面では急に変貌し始めましたが、人々の生活様式や暮らしぶりはさして変化はなかったようです。

 労働が過重なこと、封建的であること、嫁姑問題、お金が自由にならないことなど、多くの問題を抱えながら農民たちは秩父で生活していました。氏がテーマとして選んだのは「嫁不足」の問題で、農民の実情をカメラで捉え、多くの人に訴えることが私のテーマであると、時には共に畑仕事をして閉鎖的な人々との交流を持ってきました。

 結婚式の様子や伝統的なお祭り、田んぼの水をめぐっての争い、畑作業の様子、そして車で仕事に行き来する若者など、次第に生活が変わりゆく様子、やがては、この生活の変化により人々の人間関係も変わっていく様子がみてとれます。変わりゆく時代を共に過ごしたことで、農家の光と影に焦点をあて、弱者への優しく見守る眼差しを感じることができる作品群です。


南 良和 (みなみ よしかず)

1935年、埼玉県秩父に生まれる。東京綜合写真専門学校を卒業。秩父に拠点を置き、その地域に残る独特の風習や祭り、長年撮り続ける中で変化していく風俗などを丹念に追い続ける。

秩父で南写真館を経営する傍ら、写真を発表し続け、1967年第4回太陽賞、翌年、埼玉県文化奨励賞、78年第28回日本写真協会年度賞、94年第13回土門拳賞、92年第7回農業ジャーナリスト賞、96年第21回伊奈信男賞など、受賞歴多数。日本写真家協会会員。

主な著書に、1972年『ある山村・農民』(新泉社)、78年『秩父』(家の光協会)、79年『日本・農民』(日本経済評論社)、 84年『秩父―峠・村・家』(日本経済評論社)、92年『農を歩く』(文=石川猶興 全国農業新聞)、2013年『寳登山神社―長瀞』(さきたま出版会)、他多数。

 
タイトル

南良和作品展「秩父三十年 ―1957~1991―」

開催期間

2013年4月9日(火)~5月6日(月・祝)

展示内容

今回の作品展は、「秩父三十年―1957~1991―」と題して、1957年から91年まで秩父と向かい合い、そこに住む人や生活を追い続けてきた作品をご覧いただく。
労働が過重なこと、封建的であること、嫁姑問題、お金が自由にならないことなど、多くの問題を抱えながら、農民たちは秩父で生活していた。氏がテーマとして選んだのは「嫁不足」の問題で、農民の実情をカメラで捉え、多くの人に訴えることが私のテーマであると、時には共に畑仕事をして閉鎖的な人々との交流を持ってきた。
結婚式の様子や伝統的なお祭り、田んぼの水をめぐっての争い、畑作業の様子、そして車で仕事に行き来する若者など、次第に生活が変わりゆく様子、やがては、この生活の変化により人々の人間関係も変わっていく様子がみてとれる。
変わりゆく時代を共に過ごしたことで、農家の光と影に焦点をあて、弱者への優しく見守る眼差しを感じることができる作品約80点(全作品モノクロ)を展示する。

展示点数

約80点

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

図録はこちら

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)

入館料

無料

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。