「明治150年 カメラの夜明け」
開催期間:2018年2月27日(火)~6月24日(日)
日本カメラ博物館(館長 森山眞弓)では、2018年2月27日(火)から6月24日(日)まで、特別展 「明治150年 カメラの夜明け」を開催します。本展示は、内閣官房「明治150年」関連施策として開催するものです。
1839(天保10)年、フランスで写真が発表され、約10年のうちに日本へと伝来しました。時は幕末で、鎖国状態にありながらも写真は最新技術の一環として各藩で研究されていました。当初は手探りに等しい状態でしたが、その後開国すると同時にさらに多くの西洋の技術や文化が流入しました。初期写真の最先端であるフランスやイギリス、若い国家であったアメリカでも、写真は新たな産業として成長を迎えようとする段階で、カメラや感光材料は大きな発展をとげ、多様な製品が登場しました。そして、職業写真師など一部の者だけが手にすることができた撮影機器は、アマチュアへと普及しようとしていました。
日本でも、輸入一辺倒であった写真用品を国産化しようという試みが進められ、海外留学や、海外から来た技術者から学び、苦労や努力を重ねながら、写真産業の基礎が構築されていきました。
今回の特別展では、技術史から見ても写真とカメラの夜明けだった明治時代に、日本と世界でどのようなカメラが発展してきたのか、また、どのように普及するようになったのかを展示紹介いたします。
展示予定より
■堆錦カメラ (幕末期)
幕末期の日本製湿板カメラ。
漆と顔料を練り合わせて型押しをする「堆錦」と呼ばれる工芸手法で外装を仕上げている。
3台現存が確認されており、うち2台が日本カメラ博物館に収蔵されている。
■中型湿板カメラ(明治中期頃)
折り畳み式の湿板カメラ。
機械的なシャッターは備えられておらず、レンズキャップの開閉により露光を行った。
■携帯用 湿板暗室
湿板写真を現像するための携帯用暗室。携帯時は背負子で運搬。
湿板写真は撮影直前に感光材料を作成して撮影、現像まで行わなければならないため、カメラとともにこのような簡易型暗室も必要であった。
■軽便写真機 1900(明治33)年頃
蛇腹の付いた後部枠を、クランクを廻して引き出すテールボード型のカメラ。
感光材料は乾板を使用。
■チェリー手提暗箱 1903(明治36)年
国産最初のアマチュア用量産カメラ。
名刺サイズのガラス乾板6枚を中に入れて順次撮影できるマガジンタイプのボックスカメラ。
■錦絵『開花人情鏡 写真』 明治中期 豊原国周筆。
明治期に活躍した女性写真師・塙 芳野(はなわ よしの)を描いた錦絵。
新富町の劇場、新富座近くで主に役者や舞台写真を撮って繁盛していたといわれる。
■『写真新報』 1882(明治15)年創刊 、 『写真月報』 1894(明治27)年創刊
アマチュア層への写真の普及、啓蒙を目的とした写真誌。
『写真新報』は浅沼商会、『写真月報』は小西本店(後のコニカ、現コニカミノルタ)の 機関誌で、それぞれ1940(昭和15)年まで発行された。
■アメリカンタイプ ダゲレオタイプカメラ 1848(嘉永元)年 アメリカ
「堆錦カメラ」の原型となったダゲレオタイプ(銀板)カメラ。
■オットウィル湿板カメラ 1853(嘉永6)年 イギリス
折り畳み式の湿板カメラ。 前上げと左右にアオリが可能。
■ランカスター インターナショナル パテント 1890(明治23)年 イギリス
感光材料は乾板を使用。感度向上により瞬時の露光が可能となり、レンズ前面に機械式のシャッターが備えられている。
■ザ・コダック 1888(明治21)年 アメリカ
最初のロールフィルム専用カメラ。
100枚撮影可能な紙ベースのフィルムを装填して販売。撮影後はカメラごと現像に出し、現像終了後にプリントと新たにフィルムを装填したカメラが戻ってくる。
■ベック フレナ 1894(明治27)年 イギリス
「チェリー手提暗函」と同様のマガジンカメラだが感光材料はシートフィルムを使用。
専用カットフィルムを入れるマガジン40枚を内蔵し、側面のレバーを回転させるとマガジンが回転、新たなフィルムが撮影位置にセットされる。
■ステレオシグリスト 1898(明治31)年 フランス
ギイド・シグリスト(フランス)が考案。
「シグリスト」は独特なフォーカルプレン・シャッターを備えており、1/60~1/2000秒の高速シャッターが可能。カメラ後部のチェンジング・バックに乾板12枚を収納する。
(展示予定機種は変更される場合があります)
※ここに記載したカメラ名は展示予定機種の一部です。
- タイトル
- 日本カメラ博物館 特別展
「 明治150年 カメラの夜明け」 - 開催期間
- 2018年2月27日(火)~6月24日(日)
- 展示品
- 展示品 明治期(1868-1911)前後に登場した外国製および日本製のカメラ、写真用品、その他資料。(展示点数約200点を予定)
● 本展示は、内閣官房「明治150年」関連施策として開催するものです - 関連イベント
- 日本カメラ博物館講演会
「古写真の魅力と学術写真の探究 島津斉彬はどのように写されたのか」
講師:安藤 義路(農学博士、元農林水産省家畜衛生試験場写真室)
2018年4月21日(土) 午後1時~3時 参加費:300円(博物館入館料込) - 常設展等
- 常設展として世界最初の市販カメラ「ジルー・ダゲレオタイプカメラ」、「日本の歴史的カメラ」約300点、「ライカコーナー」、「カメラのおもちゃコーナー」、「カメラ体験コーナー」、「分解パネルコーナー」などを展示
-
図録販売
今回展示される資料を収めた図録を制作し、日本カメラ博物館受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。
図録はこちら - 開館時間
- 10:00~17:00
- 休館日
- 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日の火曜日)
※ゴールデンウイーク期間中(4/28~5/6)は休まず開館 - 入館料
- 一般 300 円、中学生以下 無料
団体割引(10名以上)一般 200 円
所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
交通機関
- 東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
- 東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
- 都営バス「都03 (四谷駅 - 半蔵門 - 日比谷 - 銀座四 - 晴海埠頭)」
- 都営バス「宿75 (新宿駅西口 - 東京女子医大前 - 四谷駅前 - 半蔵門 - 三宅坂)」
半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
- 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
- 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
- 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
- JR東京駅からは、東京メトロ◎丸の内線東京駅→大手町駅にて◎半蔵門線に乗り換えると便利です。