日本カメラ創製展
日本カメラ博物館(館長:森山 眞弓 (財団法人日本カメラ財団理事長))では、来る2003(平成15)年4月15日(火)から6月22日(日)までの期間、特別展「日本カメラ創製展」を開催いたします。
2002(平成14)年、大阪府在住の東野進(ひがしの すすむ)氏が一台のカメラを入手しました。そのカメラは幕末期に製造された「堆錦(ついきん)カメラ」(通称「堆朱(ついしゅ)カメラ」)と同様、木製の箱に漆を塗って仕上げた美麗なカメラでした。
このカメラと同型のカメラは現在まで3台が確認されていましたが、うち1台は戦災で焼失したため、現存するのは石黒敬章氏(いしぐろ けいしょう:石黒コレクション保存会)と福井市立郷土歴史博物館(福井県福井市)所蔵の2台といわれていました。
東野氏のカメラは4台目の発見、3台目の現存機となります。
当館は日本の写真産業の発展を「日本の歴史的カメラ」として常設展示・紹介しており、これらのわが国写真術黎明期のカメラに興味を持ち、東野氏所蔵のカメラと石黒敬章氏所蔵のカメラ、福井市立郷土歴史博物館各館所蔵のカメラを一堂に集めて展示紹介する特別展示を企画しました。
そのほか、横山松三郎(よこやま まつさぶろう)、島霞谷(しま かこく)、小川一真(おがわ かずまさ)、中島待乳(なかじま まっち)といった、日本の写真発展に偉大な足跡を残した人物が使用したカメラと作品、そのほか写真関連資料を合わせて展示・紹介することで、日本の写真文化黎明期を見渡してみたいと考えています。
● 展示予定資料より
- 堆錦カメラ(東野進氏、石黒敬章氏、福井市立郷土歴史博物館所蔵)
- アメリカンタイプ・ダゲレオタイプカメラ(日本カメラ博物館所蔵)
「堆錦(ついきん)カメラ」はこれまで「堆朱(ついしゅ)カメラ」の名称で知られていた国産初期の美麗なカメラ。最近の研究結果から、このカメラの製造に用いられた技法は漆を塗り重ねて彫刻をほどこした「堆朱」ではなく、漆を含む素材に型押しをした「堆錦」であることが確認された。
現在まで3台が確認されていたが、そのうち1台は戦災で焼失した。2002(平成14)年に4台目が発見される。現存する3台が同時に一般公開されるのは初めてのこと。このカメラの原型と言われるアメリカンタイプ・ダゲレオタイプカメラと共に展示。 - 写真鏡(ナカガワフォトギャラリー所蔵)
江戸時代後期に製作されたとされる、国産の反射鏡を内蔵するタイプのカメラオブスキュラ。杉材でつくられた表面には一閑張りで雲龍模様が描かれている。 - 島 霞谷(しま かこく)・隆(りゅう)夫妻使用の木製写真機(島栄一氏所蔵・松戸市戸定歴史館)
油絵や印刷の研究にも名を残す島霞谷、日本人初の女性写真家とされる島隆夫妻が使用した木製写真機。撮影された作品や薬品瓶などの資料も合わせて展示。 - 小川一真(おがわ かずまさ)使用の木製写真機(金井よし子氏所蔵・行田市郷土博物館)
国産初の乾板製造やコロタイプ印刷の研究で名を残す小川一真が使用した木製写真機。撮影された作品などの資料も合わせて展示。 - 中島待乳(なかじま まっち)使用の木製写真機(石黒敬章氏所蔵)
横山松三郎に写真術を学び、後に写真館経営、スライド制作等を手がけた中島待乳が使用した手製のステレオカメラ、半切サイズの大型組立暗箱など特殊なカメラを展示。 - 各種写真作品・資料
写真伝来期の重要書籍「舎蜜局必携(せいみきょくひっけい)」、「遠西機器述(えんせいききじゅつ)」、「写真鏡図説(しゃしんきょうずせつ)」。
横山松三郎によって撮影された江戸城など幕末期の古写真。
写真師が描かれた錦絵。
「ペリー提督一行、下田へ上陸の図」。
※ここに記載した資料名は展示予定資料の一部です。
※展示期間中に展示品の入れ替えを行う場合があります。
● 特別展関連イベント
特別展開催期間中に、展示テーマにあわせた関連イベントを開催いたします。
- 講演会とフロアレクチャー
開催日時:4月20日(日)
講演会「幕末期・写した人と写された人」(14時から15時予定)
幕末期に写真を撮影した人物、そこに写された人物について。
講師:井上光郎氏(日本カメラ博物館)
フロアレクチャー(15時から16時予定)
展示会場で実際に展示を見ながらの説明(フロアレクチャー)を開催。 - 「湿板写真技法再現」
6月1日(日)の「写真の日」にあわせ、古典技法のひとつ「湿板写真」を再現。
開催日時:6月1日(日)14時から16時予定
※4月14日(月)のプレスプレビューの時にも開催予定
撮影:東野進氏
現像:後藤敬典氏、内田哲男氏、(名古屋工業大学教授) - 講演会「日本の初期の写真表現 人々・風景・出来事」
日本の初期の写真に見られる表現について。
開催予定日時:6月7日(土)14時から16時
講師:木下直之氏(東京大学助教授)
タイトル
日本カメラ博物館特別展
「日本カメラ創製展」
開催期間
2003(平成15)年4月15日(火)~6月22日(日)
展示協力
石黒敬章氏、江戸東京博物館、金井よし子氏、行田市郷土博物館、島栄一氏、ナカガワフォトギャラリー、東野進氏、福井市立郷土歴史博物館、松戸市戸定歴史館、ミュゼふくおかカメラ館、その他
出品点数
カメラ:約30点
その他、用品、資料パネル等
常設展等
常設展として「日本の歴史的カメラ」約300点も展示
博物館展示スペースの一角を日本の各メーカーに提供する「日本カメラ新製品コーナー」も開催
図録販売
今回展示される資料を収めた図録を制作し、日本カメラ博物館受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。
図録はこちら
開館時間
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日の火曜日)
入館料
一般 300 円、中学生以下 無料
団体割引(10名以上)一般 200 円
*文中の会社名、製品名は、各社の商標、登録商標です。
*文中の製品名は、各社の正式な社名、商号と必ずしも一致いたしません。