富士フイルム展 ~映像と写真文化の創造~
休館日
展示替えによる休館 2006年11月13日~11月20日
日本カメラ博物館(館長 森山眞弓)では、来る2006年6月27日(火)から11月12日(日)まで特別展「富士フイルム展」~映像と写真文化の創造~を開催します。
1919(大正8)年に創業した「大日本セルロイド株式会社(現・ダイセル化学工業株式会社)」は、 素材のセルロイドを外国製品に依存していた写真・映画用フィルムの潜在需要に注目し、感光材料 事業への参入を計画しました。10年以上に渡る研究開発によって感光材料製造の技術を確立し、 1933(昭和8)年には神奈川県の足柄に大規模な感光材料工場を建設しました。同時に感光材料 部門を新会社として独立させることを決定し、翌1934(昭和9)年に「富士写真フイルム株式会社」が 誕生しました。当初は乾板および映画用フィルムを製造していましたが、1936(昭和11)年に写真用ロールフィルム「富士クローム」「富士ネオクローム」を発売しました。以降も現在に至るまで「ネオパン」、「フジカラー」、「フジクローム」、「フジブロ」、インスタント写真システム「フォトラマ」などの各種感光材料を発売してきました。
写真感光材料を製造する一方で、同社はスチルカメラ製造にも進出し、1948(昭和23)年に最初のスチルカメラ「フジカシックスⅠA」、「フジカシックスⅠB」を送り出します。以降も二眼レフカメラ 「フジカフレックスオートマット」や「芽生えカメラ」として多くの児童に親しまれた「フジペット」シリーズ、主に営業写真館を主眼とした中判カメラ「Gシリーズ」や、オートフォーカス(自動焦点)コンパクトカメラの「カルディア」シリーズ、「レンズ付フィルム」という新しい形態で発売され、その後の写真市場に 大きな影響を与えた「写ルンです」シリーズなどプロカメラマンからファミリーフォトまで幅広い使用者に向けた機種を多数送り出しました。
1965(昭和40)年には、それまでの8ミリムービーフィルムの規格を変更して画面サイズを拡大し、同時にマガジン方式を採用してフィルム装填を容易にした8ミリムービーシステム「シングル8」を提唱しました。また1988(昭和63)年には、デジタル方式で画像記録を行なう電子カメラ「デジタルカメラ」の実用化にいち早く成功し、翌年には世界で初めて「デジタルカメラ」の市販を行なうなど、今日の デジタルカメラ隆盛の先鞭を付け、幅広い分野を通して常に新しい写真と映像の楽しみ方を追及し 続けてきました。
今回の特別展では、富士写真フイルム株式会社およびグループ各社の協力を得まして、カメラの 歴代主要製品を展示するほか、試作品、モックアップなど貴重な資料を展示・紹介いたします。
● 展示予定機種(その一部をご紹介)
フジカシックスⅠA 1948(昭和23)年
120フィルム使用のスプリングカメラ。画面サイズは60×60ミリ。レンズはフジ75ミリF4.5を装着。レンズをF3.5付とした「フジカシックスⅠB」も発売されたほか、フラッシュシンクロ端子を付加した モデルなどが追加発売された。
フジカフレックスオートマット 1954(昭和29)年
120フィルム使用の二眼レフカメラ。最短70センチまでの接写が可能なほか、焦点調節とフィルム 巻き上げを同軸に配置するなど多機能を有し、二眼レフカメラの高級機種として話題を呼んだ。
フジペット 1957(昭和32)年
絞りを絵表示としたほか、シャッターチャージとレリーズの順番を数字で表示するなど扱いやすさに 徹し、児童向けの「芽生えカメラ」として好評を博した120フィルム使用のボックスカメラ。
フジカ G690 1968(昭和43)年
主に営業写真家からの要望を受け開発された連動距離計内蔵透視ファインダーカメラ。35ミリ透視ファインダーカメラをそのまま大きくしたような機動性の高いスタイルを持つ。画面サイズは60×90ミリ。
フジカ ST701 1970(昭和45)年
TTL式内蔵露出計の受光素子にSPD(シリコンフォトダイオード)を使用した35ミリフォーカルプレンシャッター一眼レフカメラ。レンズマウントはM42スクリューマウント(プラクチカマウント)を採用。
HD-1フジカ 1979(昭和54)年
生活防水機構を持つ35ミリ透視ファインダーカメラ。専用エレクトロニックフラッシュ(ストロボ)のトリガー回路は電気方式ではなく赤外線LEDを使用した光学リレー方式を採用している。
フジ インスタントカメラ F-50S(フォトラマ50S) 1981(昭和56)年
「フォトラマ」の名称で発売されたインスタント写真システムに対応した機種。ゴム製の蛇腹を使用し携帯時にはレンズ部を収納することができる。
フジカ パノラマG617 プロフェッショナル 1983(昭和58)年
60×170ミリのパノラマ写真が撮影可能なカメラ。焦点調節は目測式。1993(平成5)年にはレンズとファインダーが交換式となった改良型の「フジパノラマGX617プロフェッショナル」が発売された。
フジカラー スーパーHR100 (写ルンです) 1986(昭和61)年
紙製パッケージ付で、撮影終了後はそのまま現像へ出す「レンズ付フィルム」最初の機種。従来のカメラ以上に手軽な存在としたことで新しい撮影スタイルを誕生させ、その後の写真市場に大きな影響を与えた。
フジフイルム TX-1 1998(平成10)年
135フィルムを使用し、24×36ミリのほかに24×65ミリの画面サイズでも撮影可能な距離計連動透視ファインダーカメラ。レンズ交換も可能であった。ボディ外装にはチタン材を採用。
フジ ファインピックスS1プロ 2000(平成12)年
「スーパーCCDハニカム」の採用により613万画素相当の画像出力を達成しながら当時としては普及価格で発売されたレンズ交換式デジタル一眼レフカメラ。記録媒体にはスマートメディアを採用。
フジフイルム ナチュラS 2004(平成16)年
24ミリF1.9の明るい広角レンズを備えた35ミリコンパクトカメラ。ISO1600以上の高感度フィルムを使用すると自動的にフラッシュ(ストロボ)を使用しないモードに設定される機能を持つ。
フジカ シングル8 P1 1965(昭和40)年
新規格のフィルムとフィルム装填を容易にするマガジンを採用した8ミリムービー「シングル8」の誕生とともに発売された機種。固定焦点式で露出制御は自動、撮影コマ速度は固定とシンプルな機能に徹した。
フジックス デジタルスチルビデオカメラ DS-1P(試作機) 1988(昭和63)年
世界初のデジタル記録方式を採用した電子スチルカメラ(デジタルカメラ)の試作機。記録媒体には半導体メモリーカードを採用していた。画素数は40万画素。
※ここに記載したカメラ名は展示予定機種の一部です。
タイトル
日本カメラ博物館特別展
「富士フイルム展」~映像と写真文化の創造~
開催期間
2006年6月27日(火)~11月12日(日)
出品点数
カメラ:約250点
その他 感光材料、アクセサリー、用品、資料等
常設展等
常設展として「日本の歴史的カメラ」約300点も展示
※博物館展示スペースの一角を日本の各メーカーに提供する「メーカーコーナー」の展示も開催
図録販売
今回展示される作品を収めた図録を制作し、博物館受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。
図録はこちら
展示協力
富士写真フイルム株式会社
開館時間
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日の火曜日)
および年末年始など当館が定める休館日
入館料
一般 300 円、中学生以下 無料
団体割引(10名以上)一般 200 円
所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
交通機関
- 東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
- 東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
- 都営バス「都03 (四谷駅 - 半蔵門 - 日比谷 - 銀座四 - 晴海埠頭)」
- 都営バス「宿75 (新宿駅西口 - 東京女子医大前 - 四谷駅前 - 半蔵門 - 三宅坂)」
半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
- 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
- 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
- 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
- JR東京駅からは、東京メトロ◎丸の内線東京駅→大手町駅にて◎半蔵門線に乗り換えると便利です。