マミヤカメラ展 ~発明と工夫のあゆみ~
日本カメラ博物館(館長 森山眞弓)では、来る2006年11月21日(火)から2007年3月4日(日) まで特別展「マミヤカメラ展」~発明と工夫のあゆみ~を開催します。
国産最初の「金銭登録機(レジスター)」製造を手がけた発明家の間宮精一氏は、長年の願望であった外国製品にひけを取らない高級国産カメラの製作を計画しました。間宮氏の計画に賛同した菅原恒二郎氏とともに1940(昭和15)年3月、東京・本郷に「マミヤ光機製作所」を設立し、フィルム面で焦点調節を行なうなど独創的な機構を持つスプリングカメラ「マミヤシックス(Ⅰ)」の生産を開始しました。
「マミヤシックス(Ⅰ)」は戦時下で一般向けカメラの生産がほとんど不可能な状況にもかかわらず、国産の優良製品として認められ戦争終結まで生産を継続することができました。また終戦後には評判を聞きつけた米軍中央購買局などから生産が追いつかないほどの注文を受けました。
1950(昭和25)年12月には「マミヤ光機株式会社」に改組し、以降もレンズ交換が可能な二眼レフカメラ「マミヤフレックスCプロフェッショナル」、フィルム室がマガジン形式で交換できる35ミリカメラ 「マミヤマガジン35」、様々な撮影用途に対応するプレスタイプのカメラ「マミヤプレス」、画面の縦横変換が容易にできる一眼レフカメラ「マミヤRB67プロフェッショナル」、国産最初の画面サイズ45×60ミリ判一眼レフカメラ「マミヤM645」など、他に例を見ない個性的かつ多様な使用目的に応える機種を次々と送り出し、プロカメラマンや写真作品を製作するハイアマチュアの絶大な支持を得ました。
1992(平成4)年10月には釣具事業を主体とした株式会社オリムピックと合併し、社名を「マミヤ・オーピー株式会社」に変更するとともに電子機器製品、スポーツ用品などへ事業分野を拡大しました。その後も業務用途向けカメラの急速なデジタル化移行に伴い、既存製品のデジタル対応化を進めるとともに、2005(平成17)年には大型の撮像素子を採用したデジタル一眼レフカメラ「マミヤZD」を発売しました。そして本年9月には「マミヤ・デジタル・イメージング株式会社」としてカメラ事業に特化し新たなスタートを切りました。
今回の特別展では、マミヤ・デジタル・イメージング株式会社の協力を得まして、カメラの歴代主要製品を展示するほか、試作品、モックアップなど貴重な資料を展示・紹介いたします。
● 展示予定機種(その一部をご紹介)
マミヤシックス(Ⅰ) 1940(昭和15)年
120フィルム使用の距離計連動スプリングカメラ。焦点調節をフィルム面で行なう「バックフォーカシング」機構を採用するなど独創的な機構を備え、基本設計は後のモデルまで継承された。
マミヤ16 1949(昭和24)年
16ミリフィルムを使用する極小型カメラ。使用可能シャッター速度の拡充や露出計の内蔵など随時改良が進められ、自動露出機構を備えた1962(昭和37)年の「マミヤ16EEデラックス」までシリーズ展開が行なわれた。
マミヤフレックスCプロフェッショナル 1957(昭和32)年
他に例を見ないレンズ交換が可能な二眼レフカメラ。焦点調節機構には蛇腹を使用しているので近接撮影が容易にできる。シリーズ最終モデルとなった「マミヤC330プロフェッショナルS」が1994(平成6)年に発売終了するまで国産二眼レフカメラの代表的な機種として人気を呼んだ。
マミヤマガジン35 1957(昭和32)年
フィルム室をマガジン方式としたことで複数種類のフィルムを交換して使用できる35ミリ透視ファインダーカメラ。レンズはセコール50ミリF2.8を装着。
マミヤスケッチ 1959(昭和34)年
24×24ミリの画面サイズを採用した35ミリ透視ファインダーカメラ。名称通り軽量・小型で手軽に撮影ができる機種として企画された。
マミヤプレス 1960(昭和35)年
連動距離計を内蔵し大型のハンドグリップを持つプレスタイプの機種。充実したアクセサリーや様々な感光材料使用に対応した汎用性の高さと堅牢性で報道機関だけではなく幅広く使用された。ボディ内部にアオリ機構を備えている。。
マミヤRB67プロフェッショナル 1970(昭和45)年
画面サイズ60×70ミリ判一眼レフカメラ。フィルムマガジンを回転(レボルビング)させることでカメラを移動させることなく容易に画面の縦横変換が可能となっている。1982(昭和57)年には本機をベースに各部の電子化を進めた「マミヤRZ67プロフェッショナル」が誕生している。
マミヤM645 1975(昭和50)年
国産初の画面サイズ45×60ミリ判一眼レフカメラ。フォーカルプレンシャッターを採用しシャッター速度は最速1/500秒。翌年にはシャッター速度を1/1000秒に向上した「マミヤM645 1000S」が発売された。
ニューマミヤ6 1989(平成元)年
画面サイズ60×60ミリの距離計連動透視ファインダーカメラ。レンズ基部が沈胴式となっているなど「マミヤシックス」の名称を継承するにふさわしい機構を備えている。1995(平成7)年には画面サイズを60×70ミリとした「マミヤ7」も発売された。
マミヤZD 2005(平成17)年
36×48ミリの大型CCDを採用したデジタル一眼レフカメラ。レンズは同社の45×60ミリ判一眼レフカメラである「マミヤ645AF」用を使用している。
※ここに記載したカメラ名は展示予定機種の一部です。
タイトル
日本カメラ博物館特別展
「マミヤカメラ展」~発明と工夫のあゆみ~
開催期間
2006年11月21日(火)~2007年3月4日(日)
出品点数
カメラ:約250点
その他 感光材料、アクセサリー、用品、資料等
常設展等
常設展として「日本の歴史的カメラ」約300点も展示
※博物館展示スペースの一角を日本の各メーカーに提供する「メーカーコーナー」の展示も開催
図録販売
今回展示される作品を収めた図録を制作し、博物館受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。
図録はこちら
展示協力
マミヤ・デジタル・イメージング株式会社
開館時間
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日の火曜日)
年末年始 2006年12月28日(木)~2007年1月4日(木)
当館が定める休館日
入館料
一般 300 円、中学生以下 無料
団体割引(10名以上)一般 200 円
所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
交通機関
- 東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
- 東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
- 都営バス「都03 (四谷駅 - 半蔵門 - 日比谷 - 銀座四 - 晴海埠頭)」
- 都営バス「宿75 (新宿駅西口 - 東京女子医大前 - 四谷駅前 - 半蔵門 - 三宅坂)」
半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
- 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
- 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
- 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
- JR東京駅からは、東京メトロ◎丸の内線東京駅→大手町駅にて◎半蔵門線に乗り換えると便利です。