「デジタルカメラヒストリー」
講演会「デジタルとデジタルカメラの歩み」 講師:大川元一氏
2007年12月9日 13:00~ 開催
■注目機種はこちら!■
2007.10.31 11月22日発売 「リコー GR DIGITAL Ⅱ」に触れられる体験コーナー設置!
日本カメラ博物館(館長 森山眞弓)では、来る2007年10月23日(火)から2008年2月17日(日)まで特別展「デジタルカメラヒストリー」を開催します。
今日カメラ市場の主役を占めている「デジタルカメラ」。そのルーツは、1981(昭和56)年8月にソニーが発表した、光を電気信号に変換して磁気ディスクに記録する電子スチルビデオカメラ「マビカ」でした。
それまでのフィルムを使用した「銀塩写真システム」とは全く異なる「マビカ・システム」は、「マビカ・ショック」といわれるほど大きな話題となり、カメラ・フィルム・電機メーカー各社とも電子スチルビデオカメラの研究・開発を本格的に開始して製品展開が行われましたが、広く普及するには至りませんでした。
「電子スチルビデオカメラ」は1988(昭和63)年に富士写真フイルム(現・富士フイルム)が発表した 試作機「フジックス デジタルスチルビデオカメラ DS-1P」によって記録方式をアナログからデジタルに変更した現在のような「デジタルカメラ」が実用化されたことで大きな変化を迎えます。やがて1990年代 前半に「デジタルカメラ」の市販製品が誕生しましたが、重要なパーツである半導体メモリが大変高価であったため、業務用途向け製品を中心に開発が進められていました。
1995(平成7)年ごろから高性能なパーソナルコンピュータの普及などデジタルカメラが活躍する周辺環境が整ってきたことに加え、同年にカシオ計算機から大型のファインダー兼用液晶モニタを備えた「カシオ QV-10」が65,000円という普及価格で発売されたことをきっかけに、デジタルカメラの一般化が急速に進みました。
2002年には生産数、出荷数で銀塩カメラを抜き※、1000万画素以上へと画素数の飛躍的な増加、屈曲光学系やレンズ群を光軸から移動させて収納させる方式などによるボディの小型軽量化、手ぶれ補正機構などの技術開発の進展やさまざまな用途や好みに対応できる機種の誕生など驚くべき発展と普及、そして低価格化を遂げました。
また現在では、携帯電話にデジタルカメラ機能が標準仕様となるなど、「デジタルカメラ」は「カメラ」の枠を飛び越えて広がりを見せています。
今回の特別展ではメーカー各社および関連団体のご協力を得て、デジタルカメラを発展に導いたエポックメイキングな機種を年代順に展示し、「マビカ」からはじまった電子スチルビデオやデジタルカメラの普及と進歩の軌跡を紹介いたします。
● 展示予定機種(その一部をご紹介)
ソニー マビカ(試作機) 1981(昭和56)年 ソニー (写真)
世界最初の電子スチルビデオカメラ。CCD(電荷結合素子)やフロッピーディスクを使用した磁気記録方式などビデオムービーの技術を応用している。レンズ交換が可能な一眼レフ方式となっていた。
キヤノン スチルビデオカメラ RC-701 1986(昭和61)年 キヤノン
世界最初の市販製品となる電子スチルビデオカメラ。プリンター、レンズ交換可能な一眼レフ方式で、電送装置など報道、業務用途向けに特化したシステム展開が行われた。記録画素数は38万画素。
カシオ QV-10 1995(平成7)年 カシオ計算機 (写真)
ファインダー兼用の液晶モニタを備えた機種。レンズ部が回転することで自由なアングルで撮影が 可能。パソコンへ接続する手軽な「画像入力機器」として、また65,000円という当時としては画期的な低価格で発売されたこともあり、大きな人気を集めデジタルカメラの普及に貢献した。
東芝 アレグレットPDR-2 1997(平成9)年 東芝
撮像素子に同社が開発した「CMOS」を採用したモデル。記録媒体はスマートメディアを採用しているが、カメラ自体をパソコンのPCカードスロットに挿入してデータ転送することも可能であった。
コダック DC240i ZOOM 1999(平成11年) イーストマン・コダック (写真)
アップルコンピュータ社製のパソコン「iMac」に合わせてボディの一部を半透明とした限定モデル。 カラーバリエーションはライム、タンジェリン、ストロベリーなど全5色。
ニコン D1 1999(平成11)年 ニコン
レンズ交換式のデジタル一眼レフカメラ。業務用途にも対応できる性能でありながら65万円という 一般ユーザーも視野に入れた価格設定がなされ、デジタル一眼レフカメラ普及のきっかけとなった。「APS」の「Cサイズ」に相当する15.8×23.7ミリの撮像素子を採用している。
シャープ J-SH04 2000(平成12)年 シャープ (写真)
Jフォン(現・ソフトバンクモバイル)用の携帯電話機。デジタルカメラ機能を付加した「カメラつきケータイ」最初の機種。「写メール」と呼ばれる撮影画像を添付可能な電子メール機能が好評を博し、今日では携帯電話にデジタルカメラ機能は標準的な仕様となった。
フジフイルム ファインピックス40i 2000(平成12)年 富士写真フイルム(現・富士フイルム)(写真)
静止画撮影に加えて音声付動画記録やMP3方式によるミュージックプレーヤーとしても使用可能な機種。有効画素数は220万画素だが「スーパーCCDハニカム」の採用により432万画素相当の出力が可能。
ペンタックス デジビノDB100 2002(平成14)年 旭光学工業(現・ペンタックス) (写真)
7倍双眼鏡と有効画素数80万画素のデジタルカメラを複合した機種。35ミリ判換算で280ミリ相当のレンズを備え、双眼鏡の焦点調節に連動して撮影することが可能。撮影結果を確認する液晶モニタも備えている。
オリンパス E-1 2003(平成15)年 オリンパス
世界で最初にデジタルカメラ向けオープン規格の「フォーサーズシステム」を採用したレンズ交換式デジタル一眼レフカメラ。また撮像素子面を清掃する「スーパーソニックウエーブフィルター」を内蔵している。
コニカミノルタ α-7デジタル 2004(平成16)年 コニカミノルタ
CCDシフト方式の手ぶれ補正機構により、従来のミノルタαシリーズ用交換レンズを使用しながら 手ぶれ補正を可能としたデジタル一眼レフカメラ。有効画素数は610万画素。
パナソニック ルミックス DMC-LC1 2004(平成16)年 松下電器産業
シャッター速度ダイアルと絞りリングを備え、マニュアルカメラ感覚で操作が可能な機種。35ミリ判換算で28~90ミリのズームレンズを備える。有効画素数は500万画素。
エプソン レンジファインダーデジタルカメラ R-D1 2004(平成16)年 セイコーエプソン
世界初の距離計連動レンズ交換式デジタルカメラ。レンズマウントはライカMマウントに準拠した「EMマウント」を採用しているので非常に多くの交換レンズを活用することができる。
マミヤZD 2005(平成17)年 マミヤ・オーピー(現・マミヤ・デジタル・イメージング)
36×48ミリの大型CCDを採用したデジタル一眼レフカメラ。レンズは同社の45×60ミリ判一眼レフカメラである「マミヤ645AF」用を使用している。
リコー キャプリオ GX100 2007(平成19)年 リコー
着脱可能な可動式電子ビューファインダーを装備。35ミリ判換算24~72ミリ相当のズームレンズを 持ち、ワイドコンバージョンレンズ使用により19ミリ相当の撮影が可能。
そのほか注目機種を展示中!!
■これから発売!今秋発売の新機種!
※機種によっては入れ替えをする場合もございますので、事前に博物館までお問合せください。
ニコン D3 2007(平成19)年 ニコン
35ミリ判フルサイズとほぼ同じ23.9×36.0ミリの大型CMOSセンサーを装備したデジタル一眼レフカメラ。
ニコン D300 2007(平成19)年 ニコン
15.8×23.6ミリのCMOSセンサーを持ち、最高毎秒8コマで100枚までの連続撮影が可能な機種。
キヤノン EOS-1Ds MarkⅢ 2007(平成19)年 キヤノン
「EOS-1DマークⅢ」を基本に35ミリ判フルサイズの撮像素子を備えたデジタル一眼レフカメラ。
リコー GR DIGITAL Ⅱ 2007(平成19)年 リコー ★実機に触れる体験コーナー設置!★
2005年発売の「GR DIGITAL」をベースに、記録画素数の増加や電子水準器の内蔵、
アスペクト比1:1の画像サイズ対応など機能向上を図った。
ソニー α700 2007(平成19)年 ソニー
撮像素子シフト方式の手ぶれ補正採用。
HDMI端子を備え、ハイビジョンテレビと接続して高画質再生が可能なデジタル一眼レフカメラ。
オリンパス E-3 2007(平成19)年 オリンパス
耐環境性能を高めたEシリーズの最上位機種。
撮像素子シフト方式の手ぶれ補正を採用し、液晶モニターは2軸可動式でライブビューが可能。
他…
■幻の名機・試作品!!
デジタルカメラ試作機 カシオDC-90 「熱子」 1991(平成3)年 カシオ
デジタルカメラ(のちの「QV-10」)の基礎になった試作機。2台製作され、発熱量の多さと重さから「熱子」「重子」の愛称がつけられた。本特別展にはそのうちの一台「熱子」が展示される。
カメラ付液晶テレビ モック 1992(平成4)年 カシオ
デジタルカメラ(のちの「QV-10」)の製品開発が承認された商品審議会で提示されたモックアップ。
フジックス デジタルスチルビデオカメラ DS-1P 1988(昭和63)年 富士写真フイルム(現・富士フイルム)
世界初のメディアカードによるデジタル記録方式を実用化した「デジタルカメラ」の試作機。
フジックス メモリーカードカメラ DS-X 1989(平成元)年 富士写真フイルム(現・富士フイルム)
量産製品化された初のデジタルカメラ。試験販売品の形態を取ってシステム単位で供給。
※ここに記載したカメラ名は展示予定機種の一部です。
タイトル
日本カメラ博物館特別展「デジタルカメラ ヒストリー」
開催期間
2007年10月23日(火)~2008年2月17日(日)
出品点数
カメラ:約250点
その他 アクセサリー、用品、資料等
常設展等
常設展として「日本の歴史的カメラ」約300点も展示
※博物館展示スペースの一角を日本の各メーカーに提供する「メーカーコーナー」の展示も開催
図録販売
今回展示される資料を収めた図録を制作し、日本カメラ博物館受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。
図録はこちら
開館時間
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日の火曜日)
年末年始 2007年12月28日(金)~2008年1月6日(日)
※2008年1月7日(月)は開館
入館料
一般 300 円、中学生以下 無料
団体割引(10名以上)一般 200 円
所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
交通機関
- 東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
- 東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
- 都営バス「都03 (四谷駅 - 半蔵門 - 日比谷 - 銀座四 - 晴海埠頭)」
- 都営バス「宿75 (新宿駅西口 - 東京女子医大前 - 四谷駅前 - 半蔵門 - 三宅坂)」
半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
- 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
- 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
- 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
- JR東京駅からは、東京メトロ◎丸の内線東京駅→大手町駅にて◎半蔵門線に乗り換えると便利です。