特別展

「甦る ペンタックスカメラ博物館展」

開催期間:2011年11月1日(火)2012年2月26日(日)

年末年始休館 2011年12月28日(水)~2012年1月4日

(左)「ダゲレオタイプカメラ」 1840(天保11)年頃 シャルル・シュバリエ(フランス)
(中)「オプチマ2層式幻灯機」 1887(明治20)年頃 パーケン・サン&レイメント(イギリス)
(右)「ソホ レフレックス トロピカル」 1909(明治42)年頃 マリオン(イギリス)

日本カメラ博物館(館長 森山眞弓)では、2011年11月1日(火)から2012年2月26日(日)まで、特別展「甦るペンタックスカメラ博物館展」を開催します。2009年に惜しまれつつ閉館した「ペンタックスカメラ博物館」ですが、その収蔵資料のほとんどが当館へと移譲され、このたび特別展として公開することが決定しました。

「ペンタックスカメラ博物館」は、旭光学工業の初代社長松本三郎氏が「明治百年記念事業」のひとつとして「内外カメラの蒐集と保存・展示」を目的に、1967(昭和42)年12月、東京・西麻布に設立した「ペンタックス・ギャラリー」が前身となっています。同館は日本初の大規模なカメラ博物館であると同時に、「常設写真展覧会場」を併設した総合的な写真関連施設であったことが特徴です。初代館長にはカメラ研究家の北野邦雄氏が就任されました。
翌年には鈴木八郎氏が館長に就任し、「一眼レフの歴史展」や「コダック・カメラの歴史展」などの特別展示を開催したほか、海外の写真関連施設との交流などによる収蔵カメラの充実などに尽力されました。1975(昭和50)年からはギャラリーの一角に関係資料や写真、カメラを特別展示して具体的な解説を試みる取り組みがなされます。特に同年10月に開催されたライカ研究の第一人者である中川一夫氏の「戦前までのライカ発達史」は、大きな反響を得て翌月にも再度開催されたほか、『ペンタックス・ギャラリー・ニュース (ミラー・イメージ)』の特集記事として2号にわたり反映されました。

1981(昭和56)年10月には東京・新宿西口に「ペンタックス・フォーラム」が開設され、翌年末に写真展運営が同所に一本化されます。これによりペンタックス・ギャラリーは「カメラ博物館」として運営を続けることとなります。
1993(平成5)年7月には栃木県益子町の旭光学工業益子事業所内に移転し、「ペンタックスカメラ博物館」として再開館しましたが、2009(平成21)年7月31日をもって、多くのカメラファンに惜しまれながら閉館しました。

貴重なコレクションの離散も懸念されましたが、2010(平成22)年、同館所蔵の貴重な資料の多くが日本カメラ 博物館に移譲され、このたび特別展として公開することとなりました。

今回の展示では、「ペンタックスカメラ博物館」旧蔵品から、国内外の名機や珍品、ペンタックスの歴代主要機種、写真関連資料など、選りすぐりのカメラ・コレクションを展示いたします。また、同館が発行していた『ペンタックス・ギャラリー・ニュース(ミラー・イメージ)』の特集記事に沿ったテーマの展示も行い、同館が取り組んできた実績や成果を、実機と併せて紹介いたします。


展示予定機種より

●『ペンタックス・ギャラリー・ニュース』と『ミラー・イメージ』
「ペンタックス・ギャラリー」の機関誌として1968(昭和43)年2月に「ペンタックス・ギャラリー・ニュース」が創刊された。当初は4ページ組のリーフレット形式で、展示案内やトピックスが主な内容であったが、1972(昭和47)年8月発行の 19号より「ミラー・イメージ」の副題が付くとともに、総ページ40頁(うちカラー4頁)の雑誌形体の冊子へと大幅なスタイル変更を行った。また内容も「上野彦馬の西南戦役従軍写真(21号)」、「漫画に描かれた写真(23号)」、「ベス単の研究(27号)」、「ライカ研究(33・35号)」、「ミノックスのすべて(34号)」、「動く絵の玩具からシネマまで(37・38号)」、「パーレットのすべて(39号)」など、単なる展示施設の会報にとどまらない専門的な内容を特集した。
1978(昭和53)年10月発行の40号からは再びリーフレット形式へとスタイルを変更して発行を継続するが、1993(平成5)年7月発行の93号をもって廃刊となった。
今回の展示では、『ペンタックス・ギャラリー・ニュース』の特集記事に沿ったテーマでも展示を行い、ペンタックスカメラ博物館が取り組んできたカメラ研究の実績や成果などを実機と併せて展示。

●19世紀~20世紀初頭の大型スタジオカメラ各種
NHK大河ドラマ「龍馬伝」ほか多くの幕末ドラマに実機として登場した「八切判湿板カメラ」(1865年頃・イギリス製)や、全紙判(約44×55センチ)まで撮影可能な「大型写場用カメラ」(1915年頃・ドイツ製)、大正期の希少な国産スタジオカメラ「室内用暗函」(1921年頃・小西六(現:コニカミノルタ)製)などのほか、ガラススライドを映写して鑑賞する「オプチマ2層式幻灯機」(1887年・イギリス製)や「横型引伸機」(1905年頃・ドイツ製)など、ペンタックスカメラ博物館に常設展示されていた貴重な大型の資料各種をフロアに一堂展示。

●19世紀~20世紀初頭の乾板カメラ各種
蛇腹を使用したハンドカメラやプレスカメラなどのほか、ボックスカメラやマガジンカメラ、初期の木製大型一眼レフ カメラなど、国内外のクラシックカメラの数々を展示。

●20世紀の名機・珍品
「ライカ」や「コンタックス」、「フォクトレンダー」、「コダック」といった世界各国の名機と呼ばれるカメラや歴史的な国産カメラのほか、超小型の豆カメラや3D写真を撮影するステレオカメラ、ペン、ピストル、マッチ箱などさまざまな製品の形を模した偽装カメラ、空から地上を撮影する大型の航空カメラなど、世界の珍品カメラを展示。

●ペンタックス歴代主要機種、特殊撮影用カメラ
「アサヒフレックスⅠ」(1952年)にはじまるペンタックスの歴代主要機種や交換レンズのほか、赤外線投光機を備えた特殊撮影用カメラ「アサヒペンタックス ノクタ」(1966年)などの希少な機種も展示。


▲▽▲ミニ展示コーナー「ペンタックスとリコー」▲▽▲
2011年7月1日、株式会社リコーがHOYA株式会社PENTAXイメージング・システム事業部を買収することが発表されました。HOYAはカメラ事業を子会社に分割、リコーがその子会社を買収し同社のカメラ事業と統合して、「ペンタックスリコーイメージング株式会社」が設立されることとなりました。今回は特別展企画とも連動し、常設展の一部を使用して、両者の 歴史と代表的なカメラを紹介いたします。

▲▽▲関連展示▲▽▲
「中山岩太 安井仲治 福原信三 福原路草 ―ペンタックス・ギャラリー旧蔵展―」
JCIIフォトサロン、JCIIクラブ25 11月29日(火)~12月25日(日)(予定)
日本の写真史にその名を残した芸術写真家4名の作品展。1920年代から1940年代に撮影されたオリジナル  プリントや、作者没後のエステートプリントなど約50点を展示。
★12月3日(土)14時~16時 本展示に関するトークショーを予定

 

※ここに記載したカメラ名は展示予定機種の一部です。


タイトル

日本カメラ博物館 特別展「甦る ペンタックスカメラ博物館展」

開催期間

2011年11月1日(火)~2012年2月26日(日)

展示品

ペンタックスカメラ博物館旧蔵品から、19世紀の貴重な大型スタジオカメラの数々や、国内外の名機や珍品、ペンタックスの歴代主要機種、ほか貴重な写真関連資料など、選りすぐりのカメラ・コレクションを展示。

常設展等

常設展として世界最初の市販カメラ「ジルー・ダゲレオタイプカメラ」、「日本の歴史的カメラ」約300点、「ライカコーナー」、「カメラのおもちゃコーナー」、「カメラ体験コーナー」、「分解パネルコーナー」などを展示

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日の火曜日)
展示替え期間 2011年10月24日(月)~10月31日(月)
年末年始休館 2011年12月28日(水)~2012年1月4日(水)

入館料

一般 300 円、中学生以下 無料
団体割引(10名以上)一般 200 円

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 - 半蔵門 - 日比谷 - 銀座四 - 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 - 東京女子医大前 - 四谷駅前 - 半蔵門 - 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。