未来技術遺産登録記念「レンズ付フィルム展」
年末年始休館 2014年12月27日(土)~2015年1月5日(月)
★★本展示期間中、レンズ付フィルム持参の方は、一般200円でご入場いただけます★★
★本特別展は撮影可能です(特別展エリアに限ります)★
日本カメラ博物館(館長 森山眞弓)では、最初のレンズ付フィルム「写ルンです」が平成26年度の「未来技術遺産」に登録されたことを記念し、2014年10月28日(火)から2015年1月25日(日)まで、特別展「未来技術遺産登録記念 レンズ付フィルム展」を開催します。
1986(昭和61)年、富士写真フイルム(現:富士フイルム)から発売された「写ルンです」から、「レンズ付フィルム」と呼ばれる新しい分野が確立されました。
「レンズ付フィルム」は「カメラ」ではなく、あくまで「フィルム」として製品展開が行われ、街のカメラ店はもちろん、コンビニエンスストアや駅の売店、さらには観光地のお土産物屋や自動販売機でも販売されるなど、従来のカメラにはない経路で販売され、撮影後はフィルムを取り出すことなく、本体ごとカメラ店や現像所などに持ち込めばフィルムは現像、プリントされていました。
一時期は「使い捨てカメラ」「使い切りカメラ」などの表記もされていましたが、使用済みの本体は分解後にカメラメーカーによりリサイクルされるシステムができあがっていたため、「使い捨て」という言葉は早くに見直され、1991(平成3)年に「レンズ付フィルム」という言葉が業界での統一呼称となり、広く普及するようになりました。
また、「レンズ付フィルム」は“シャッターを押すだけ”の極めてシンプルな機構ながら、幅広い撮影条件で良好な結果を得るため各所に考え抜かれた専用設計が施されており、“究極のカメラ”としての一面も併せ持っています。
このように従来のカメラにはない特徴をもった「レンズ付フィルム」は、デジタルカメラの時代となった現在でも需要があり、電源の確保が困難な場所、高温多湿などデジタルカメラの使用に適さない環境下での撮影や、修学旅行などで学校から生徒に支給されるなど、手軽に撮影できる「レンズ付フィルム」ならではのメリットを活かして使用されています。
今回の展示では、富士フイルムをはじめ各メーカーから発売された歴代機種や、レンズ付フィルムの仕組みを紹介するほか、企業や団体とコラボレーションしたさまざまなパッケージの製品などを展示いたします。
【未来技術遺産】
国立科学博物館が選定・登録する『重要科学技術史資料』。「科学技術の発達上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つもの」や「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えたもの」に該当する資料を選定し、『重要科学技術史資料登録台帳』に登録するもの。
展示予定機種より
●「フジカラー スーパーHR100 写ルンです」 1986(昭和61)年 富士写真フイルム
本年、国立科学博物館が選定する「未来技術遺産」に登録された最初のレンズ付フィルム。
110フィルムを使用し、カメラ前面にフィルム巻き上げを装備している。最初の製品は3種類のパッケージが用意されていた 。
●「フジカラー 写ルンです Hi」 1987(昭和62)年 富士写真フイルム
撮影画面サイズ11×17ミリの110フィルムから24×36ミリの135フィルムを内蔵することで、画質の向上が図られた。
●「フジカラー 写ルンです スーパーEYE 800」
2000(平成12)年 富士写真フイルム
1996年よりIX240(APS)フィルムを使用したモデルを発売し、本体の小型化と軽量化を達成することで携行性を高めた。
●「コニカ よく撮れぞうくん」 1987(昭和62)年 コニカ
コニカは「使い切りカメラ」として位置づけて発売を開始したこともあり、よりカメラに近い樹脂製の外装をもったものを多く製造した。
●「撮ってもEG」 製造年不詳 ペンタックス
デジタルカメラでもレンズ付きフィルムのような使用方法が模索されたが、技術的な問題よりも急速なデジタルカメラの普及と価格の低廉化により、試作と少数の実験販売だけとなった。
その他、水中や望遠、連写、立体写真などを楽しめる製品、広告等を入れた企業のノベルティグッズ、結婚式場や観光地でのご当地パッケージなどを展示します。
●「ザ・コダック」 1888(明治21)年 イーストマン・コダック(アメリカ)
本体にあらかじめフィルムが装填された状態で販売され、購入者は撮影をして写真店に持ち込み、写真店が現像とプリントをおこない、メーカーは本体を回収してフィルムを再装填する。「あなたはボタンを押すだけです。あとは私たちが引き受けます」(You press the button, We do the rest)のシステムは、世界最初のロールフィルムカメラ「ザ・コダック」に原点がある。
●「チャンピオン」 1910(明治43)年 製造会社不詳
簡易型カメラは各国で試みられ、「チャンピオン」は、厚紙でできた折り畳み可能な簡易型カメラで、カメラの周囲は広告などに使用された。この、外装周囲を広告等に使用することは、後のレンズ付フィルムで企業のノベルティグッズとして使用された用法にも似ていて興味深い。
※ここに記載したカメラ名は展示予定機種の一部です。
タイトル
日本カメラ博物館 特別展
「未来技術遺産登録記念 レンズ付フィルム展」
開催期間
2014年10月28日(火)~2015年1月25日(日)
展示品
レンズ付フィルム「写ルンです」が平成26年度の「未来技術遺産」に登録されたことを記念し、写真とカメラの新たなシステムを構築した「レンズ付フィルム」の仕組みや歴史を紹介。最初のレンズ付フィルム「写ルンです」「PICCO」「FOTOJACK」の3台をはじめとした歴代モデルや、仕組みがわかる分解モデル、望遠、パノラマ、防水、立体、連写などさまざまな機能に特化したモデル、キャラクターや企業、地域とコラボレーションしたユニークな外装のモデルなどを展示。
関連イベント
2014年12月13日(土)13:00~15:30
日本カメラ博物館講演会
「レンズ付フィルムがもたらしたもの」※要予約
講師: 深野 彰 (ふかの あきら)
元富士写真フイルム株式会社 LF事業部担当部長
常設展等
常設展として世界最初の市販カメラ「ジルー・ダゲレオタイプカメラ」、「日本の歴史的カメラ」約300点、「ライカコーナー」、「カメラのおもちゃコーナー」、「カメラ体験コーナー」、「分解パネルコーナー」などを展示
図録販売
今回展示される資料を収めた図録を制作し、日本カメラ博物館受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。
図録はこちら
開館時間
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日の火曜日)
年末年始休館:2014年12月27日(土)~2015年1月5日(月)
入館料
一般 300 円、中学生以下 無料
団体割引(10名以上)一般 200 円
★本展示期間中、レンズ付フィルム持参の方は、一般200円でご入場いただけます
所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
交通機関
- 東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
- 東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
- 都営バス「都03 (四谷駅 - 半蔵門 - 日比谷 - 銀座四 - 晴海埠頭)」
- 都営バス「宿75 (新宿駅西口 - 東京女子医大前 - 四谷駅前 - 半蔵門 - 三宅坂)」
半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
- 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
- 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
- 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
- JR東京駅からは、東京メトロ◎丸の内線東京駅→大手町駅にて◎半蔵門線に乗り換えると便利です。