写真展

　JCIIフォトサロンでは、来る2000年10月31日（火）から11月26日（日）まで、水谷章人作品展「SKI SCENE スキー写真軌跡 １９６７-２０００」を開催します。

　水谷氏は日本のスポーツ写真、とりわけスキー写真の第一人者として活躍されている写真家です。1965（昭和40）年に東京綜合写真専門学校を卒業し、フリー写真家を目指して新聞社の写真部などでアルバイトをしていた水谷氏でしたが、アルペン競技の元オリンピック代表選手であった杉山進氏（現・日本職業スキー教師協会会長）との出会いによって写真家としての方向性が決定づけられました。競技スキーとしてだけでなく、スキー本来の魅力を広く分かち合うという杉山氏の思想を写真で表現することは、水谷氏にもまた、スキー写真の無限の可能性を切り開くきっかけとなったのです。

　スキーヤーと対峙し、相互の理解のもとに撮影された作品には、激しく雪と格闘しながら疾走する人間の勇姿が映像化されています。それは、目的に向かって挑戦するスキーヤーの魂の瞬間であり、スキー写真というジャンルをも超え、苦悩や栄光、自然との調和といった、人間の感情や生命力が映し出されているのです。

　今回の作品展では、大自然を舞台に華麗に激しくシュプールを描くスキーヤーや、アルペンスキー・ワールドカップの激闘や孤独な勇姿など、杉山進、藤本進、三浦雄一郎、海和俊宏、I.ステンマルクらの著名なスキーヤー達が白銀の世界で繰り広げる極限の一瞬を捉えた作品約100点（全作品モノクロ）を展示します。

水谷　章人（みずたに　あきと）
1940年長野県生まれ。1965年東京綜合写真専門学校卒業。以後、国内屈指のスキー、スポーツ専門のフリーランスカメラマンとして現在に至る。1979年㈲スポーツアイ主宰、1988年㈱マイスポーツ出版代表。主な写真集に「極限の形象」「白銀の閃光」「THE SKI 」「THE GOAL」など多数。1981年第12回講談社出版文化賞受賞。現在、日本スポーツプレス協会会長、日本写真家協会会員、日本写真協会会員、国際スポーツプレス協会会員、国際スキージャーナリスト協会会員。