桜井栄一作品展「旅愁」
JCIIフォトサロンでは、来る2000年11月28日(火)から12月24日(日)まで、桜井栄一作品展「旅愁」を開催します。
桜井氏は、東京帝国大学工学部卒業後、高千穂製作所(現・オリンパス光学工業)に入社し、技術者、経営者の道を歩みながら、同時に写真家として写真史に残る名作を数多く残されてきました。「自然に親しみ、自然と人間の生活とのふれあいの中に詩情を求め、これをモノクロームの銀印画の持つ美しいトーンに乗せて表現する」という光大社主・中嶋謙吉氏の写真論に感銘を受けた桜井氏は、その自然観に基づき思い出の風景を写し撮っていったのです。
桜井氏が愛用していたカメラ「ベストポケット・コダック」(通称「ベス単」)のレンズはフードを外すと独特なやわらかい描写が得られます。この特性を生かし、空や木、街や人を淡い光と美しいグラデーションで表現したプリントには、自然と人間、時間と空間が調和した理想的世界が実現されているのです。被写体に対する深い愛情と、写真的視覚世界を追求することによって確立された日本独自のピクトリアリズム写真の魅力を、ご覧になっていただきたいと思います。
今回の作品展では、麦を踏む農夫のいる風景、雨ににじむ月ヶ瀬、夕刻の草津の街湯、アンデルセンの家と町並み、雨上がりに輝くパリの並木道、名月が浮かぶライン河など、桜井氏が国内外で捉えた旅愁あるれる情景を作品約120点(全作品モノクロ)を展示します。
桜井 栄一(さくらい えいいち)
1909年群馬県高崎市生まれ。小学校の頃から写真を手がけ、1929年光大派・中嶋謙吉氏に師事。1935年東京帝国大学工学部機械工学科卒業、同年高千穂製作所(現・オリンパス光学工業)入社。同社取締役、相談役、オリンパス精機株式会社取締役社長などを歴任。80年代にはシカゴ美術館、ニューヨーク・ウィットキンギャラリーなどで個展を開催し、写真家として世界的な評価を受ける。1965年日本写真協会功労賞受賞、1976年黄綬褒章受章、1982年勲四等瑞宝章受章。1998年12月逝去、享年89歳。写真集に「郷愁」「旅愁」「翠愁」、著作に「フィルム面の諸問題」「ズイコー夜話」など。
タイトル
桜井栄一作品展「旅愁」
開催期間
2000年11月28日(火)~12月24日(日)
展示内容
麦を踏む農夫のいる風景、雨ににじむ月ヶ瀬、夕刻の草津の街湯、アンデルセンの家と町並み、雨上がりに輝くパリの並木道、名月が浮かぶライン河など、国内外の旅愁あるれる情景を捉えた作品約120点(全作品モノクロ)を展示。
展示点数
約120点(全作品モノクロ)
図録販売
今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。
開館時間
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)
入館料
無料
所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
交通機関
- 東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
- 東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
- 都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
- 都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
- 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
- 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
- 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
- JR東京駅からは、東京メトロ◎丸の内線東京駅→大手町駅にて◎半蔵門線に乗り換えると便利です。