中村正也作品展「『野分け』と正也の世界」
JCIIフォトサロンでは、来る2002年5月28日(火)から6月30日(日)まで、中村正也作品展「『野分け』と正也の世界」を開催します。
中村氏は、写真独自のエロチシズムを追及した律動的な女体の写真を発表し、「グラマーフォトのマサヤ」と呼ばれてジャーナリズムの注目を集めた写真家です。グラマー”glamour”という言葉は本来、魔術・魔力という意味の名詞ですが、それが転じて「魅力的」と訳されました。一貫して女性をテーマにしていますが、単に官能美や表面的な美しさを追求するのではなく、初期の「東京通信」や「ヒロシマ」などの報道写真からもうかがえるように、モデルの内面から滲み出る人間的なイメージを巧みにとらえています。いわば肉体を性的なものへの偏見から解き放ち、生の賛歌として表象することに成功した戦後最初の写真家で、それは新しいエロスの発見だとも言われました。生前彼は、ヌードを撮り始めたきっかけが女性を美しく撮るためのデッサンであったと述べていますが、そんな彼の真摯な姿勢が作品のひとつひとつにあらわれています。
今回の作品展では、秋の草叢の中にヌードを置き、日本文学的・叙情的な雰囲気が漂う「野分け」(1969年)、1ヵ月のハードロケで、原始的なアフリカの大自然の中に現代の女性ヌードを解き放した「エマ ヌード イン アフリカ」(1971年)、ギリシャ・ミコノス島を舞台に、女の生命力や微妙な感情の揺らめきをとらえた「パンドラの笛」(1973年)、手や足など身体の一部を切りとり、それらがいきいきと語り始めるのを見つめた「mimic(ミミック)」(1988年)の4シリーズの中から80点(全作品モノクロ)を展示します。
中村 正也(なかむら まさや)
1926年横浜生まれ。1948年東京高等工芸写真科(現・千葉大学工学部)卒業。読売新聞、映画世界写真部を経て早田雄二スタジオ勤務。1951年フリーランスになる。1966年「ライフ30周年記念号」に委嘱されたヌード作品が日本で最も新しい広告写真と賞賛され、ニューヨーク・アートディレクターズ・クラブ写真賞受賞。また、日本航空のポスターやカレンダーでは長年世界の女性を撮り続け、現在の日航調と呼ばれるようなスタイルを確立した。第1回日本写真批評家協会新人賞、日本光学賞、日本写真協会功労賞など多数受賞。主な写真集は、「NUES JAPONAISES」、「YOUNG NUDE」、「NUDE西と東」、「エマヌードインアフリカ」、「僕の仕事」「写された女」「「梅枝改め時蔵」「電信お玉」など多数。2001年6月6日、逝去。享年75歳。
タイトル
中村正也作品展「『野分け』と正也の世界」
開催期間
2002年5月28日(火)~6月30日(日)
展示内容
秋の草叢の中にヌードを置き、日本文学的・叙情的な雰囲気が漂う「野分け」(1969年)、1ヶ月のハードロケで、原始的なアフリカの大自然の中に現代の女性ヌードを解き放した「エマ ヌード イン アフリカ」(1971年)、ギリシャ・ミコノス島を舞台に、女の生命力や微妙な感情の揺らめきをとらえた「パンドラの笛」(1973年)、手や足など身体の一部を切りとり、それらがいきいきと語り始めるのを見つめた「mimic(ミミック)」(1988年)の4シリーズの中から80点(全作品モノクロ)を展示。
展示点数
80点(全作品モノクロ)
図録販売
今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。
開館時間
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)
入館料
無料
所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
交通機関
- 東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
- 東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
- 都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
- 都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
- 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
- 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
- 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
- JR東京駅からは、東京メトロ◎丸の内線東京駅→大手町駅にて◎半蔵門線に乗り換えると便利です。