佐々木崑作品展「木村伊兵衛と歩いた東京」
JCIIフォトサロンでは、来る2002年7月2日(火)から28日(日)まで、佐々木崑作品展「木村伊兵衛と歩いた東京」を開催します。
佐々木氏は、昆虫や草花などを超接写という技法でとらえる生物写真家として知られています。それは、新種・珍種などの類ではなく、我々が日常よく見かける小さな命やその誕生に氏のまなざしが注がれています。
氏は27歳で敗戦を迎え、戦後の暗い貧困の中で必死に生きる道を模索しました。そんな中、1951年に友人の紹介で木村伊兵衛氏と出会います。以前から雑誌などで作品を目にして衝撃を受けていた佐々木氏にとって、木村氏の存在は大きく、その人柄に感動しました。その頃大阪に商業写真スタジオを開設するかたわら、『アサヒグラフ』などの雑誌にドキュメンタリー写真を発表しています。そして36歳で両親の死を体験、生きること、死ぬこととは何か、悩み苦しんだことが後の仕事に強くひかれる動機になりました。そして1960年、木村氏の勧めで上京、科学映画で有名な「東京シネマ」に入社し、そこで当時撮影していた微生物の記録映画でスチル写真を担当したことがきっかけで、小さな生物の世界にのめり込んでいきます。
木村伊兵衛氏が生涯、身近な下町の人情味溢れる生活を愛し、それをストレートに記録したように、佐々木氏も身近な生物の生態や誕生の瞬間を見つめ続け、記録しています。被写体こそ違いますが、ひとつの主題を黙々と追いかける師の精神はしっかりと受け継がれているのです。
今回の作品展では、上京して間もない頃、師である木村伊兵衛氏に誘われて歩いた1960年代の東京・下町の情景をご覧頂きます。木場の職人たちが水面に浮かんだ丸太の上で働く姿、路地裏でたわむれる子供たち、佃島住吉神社の夏祭りで神輿をかつぐ男たち、浅草の仲見世通りを歩く人々、まだ高層ビルが建ち並んでいない東京の町並みや首都高速道路の建設風景など、約90点(全作品モノクロ)を展示します。
佐々木 崑(ささき こん)
1918年中国・青島生まれ。1958年商業写真スタジオを大阪に開設、グラフ誌、週刊誌等に作品を発表。1960年に上京、フリーカメラマンとなる。1966年から1979年まで『アサヒカメラ』で「小さい生命」、1983年から1991年まで同誌で「新・小さい生命」を連載。現在、日本自然科学写真協会会長、日本写真家協会会員、日本写真協会会員。1972年日本写真協会年度賞、1992年勳四等瑞宝章、2001年日本写真協会功労賞など多数受賞。主な写真集は、『小さい生命』、『生命の誕生』、『モルフェー』、『新・小さい生命』、『人は何故麻薬に溺れるのか』など多数。
タイトル
佐々木崑作品展「木村伊兵衛と歩いた東京」
開催期間
2002年7月2日(火)~7月28日(日)
展示内容
佐々木氏が上京して間もない頃、師である木村伊兵衛氏に誘われて歩いた1960年代の東京・下町の情景。木場の職人たちが水面に浮かんだ丸太の上で働く姿、路地裏で戯れる子供たち、佃島住吉神社の夏祭りで神輿を担ぐ男たち、浅草の仲見世通りを歩く人々、まだ高層ビルが建ち並んでいない都会の雑踏や首都高速道路の建設風景など、約90点(全作品モノクロ)を展示。
展示点数
約90点(全作品モノクロ)
図録販売
今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。
開館時間
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)
入館料
無料
所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
交通機関
- 東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
- 東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
- 都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
- 都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
- 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
- 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
- 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
- JR東京駅からは、東京メトロ◎丸の内線東京駅→大手町駅にて◎半蔵門線に乗り換えると便利です。