中西浩作品展「武蔵野」
JCIIフォトサロンでは、来る2002年10月1日(火)から27日(日)まで、中西浩作品展「武蔵野」を開催します。
報道写真界の第一線で長年活躍し、激動の時代を写し撮ってきた中西氏は、東京オリンピック前年の1963年、都心の文京区から郊外の東京都北多摩郡保谷町(現在の西東京市)に転居します。そして不規則な新聞社勤務のかたわら、ライフワークとして“武蔵野”の撮影を始めます。
「林と野とがかくもよく入り乱れて、生活と自然とがこのように密接しているところがどこにあるか。」(国木田独歩『武蔵野』から)とあるように、武蔵野は人間と自然とが共に生きる場所として親しまれてきました。その武蔵野も戦後、高度成長という名のもとに開発が進み、人々の生活も変化せざるを得ませんでした。
氏がこの撮影を始めた動機は、たまたま引っ越した所が武蔵野で、その身近な街の風景を撮っておこうという些細なものでしたが、その作品からは写真の記録性を改めて貴重なものとして感じられると同時に、現代に生きる我々が抱える様々な問題を、身近な風景を通して目の前に提示されたようでもあります。
今回の作品展では、30年前と現在を比較しながら、武蔵野の変貌する姿をとらえた作品約120点(全作品モノクロ)を展示します。武蔵野の典型的な風景である雑木林、その手前に建ち並ぶ家屋と、背後にそびえる富士山。国木田独歩も唖然とするであろう雑木林ならぬゴミ林、そして30年後、そのゴミが積み重なってできたと思われる山。藁葺農家の崩れていく様や、区画整理されて集合住宅と並んで建つ茅葺農家。1973年の異常渇水で湧水がほとんど涸れてしまい、完全に干上がってしまった石神井池。高度成長、日本列島改造という名のもとに、容赦なく潰され、汚されてゆく自然と、そこに生きる人々の姿が、報道写真家独自の、客観的視点で写し出されています。
中西 浩(なかにし ひろし)
1930年静岡県御殿場市生まれ。毎日新聞東京本社写真部長、特別嘱託を経て1986年フリー。1982年アムステルダム(オランダ)で行なわれた第25回世界報道写真コンテストの国際審査員を務める。現在、日本写真協会会員。1976年“毛沢東・百万人の葬列”で世界報道写真コンテストニュースフィーチャー1位、1986年毎日新聞に6回連載された公共福祉広告“思いやり”で第25回消費者のためになった広告コンクール優秀賞など多数受賞。 主な写真集は、「報道写真半世紀」など。
タイトル
中西浩作品展「武蔵野」
開催期間
2002年10月1日(火)~10月27日(日)
展示内容
30年前と現在を比較しながら、武蔵野の変貌する姿をとらえた作品約120点(全作品モノクロ)を展示。
武蔵野の典型的な風景である雑木林、その手前に建ち並ぶ家屋と、背後にそびえる富士山。国木田独歩も唖然とするであろう雑木林ならぬゴミ林、そして30年後、そのゴミが積み重なってできたと思われる山。藁葺農家の崩れていく様や、区画整理されて集合住宅と並んで建つ茅葺農家。1973年の異常渇水で湧水がほとんど涸れてしまい、完全に干上がってしまった石神井池。高度成長、日本列島改造という名のもとに、容赦なく潰され、汚されてゆく自然と、そこに生きる人々の姿が、報道写真家独自の、客観的視点で写し出されている。
展示点数
約120点(全作品モノクロ)
図録販売
今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。
開館時間
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)
入館料
無料
所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
交通機関
- 東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
- 東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
- 都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
- 都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
- 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
- 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
- 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
- JR東京駅からは、東京メトロ◎丸の内線東京駅→大手町駅にて◎半蔵門線に乗り換えると便利です。