穂苅三寿雄作品展「北アルプス黎明」
JCIIフォトサロンでは、来る2003年4月1日(火)から27日(日)まで、穂苅三寿雄作品展「北アルプス黎明」を開催します。
穂苅氏がはじめて槍ヶ岳に登ったのは1914(大正3)年のことでした。その頃はまだ登山道や山小屋などもなく、普通の人が山に入るには費用、時間、人手などがかかる大変な作業でしたが、山に魅せられた氏は労苦を重ねて山小屋を建て、経営するようになります。そしてそのかたわら、山の美しい景色を記録しておきたいとの思いから、組立暗函をつかってガラス乾板の撮影をはじめました。
今回の作品展では、黒い岩肌と白い残雪のパターンが鮮やかな春の前穂北尾根、赤外線乾板で撮影した新緑が輝く初夏の梓川、雲が晴れて形をあらわしたすがすがしい夏の槍ヶ岳山頂、1925(大正14)年10月の焼岳大爆発で空一面に噴き上がる黒煙、広大な雪原や山頂の雲海など大自然の中に小さな点を刻む人間の影など、大正から昭和期の北アルプスの素朴な力強さをとらえたモノクロ写真作品、約70点を展示します。
氏は「カメラを持って山へ入る幸福さは何物にも比べることは出来ない…(略)…山は登れば登る度に私達を抱擁してくれる…」(『北アルプス黎明』信濃毎日新聞社・2002年から)との言葉を遺していますが、まさに生涯を山に捧げた氏の大自然への敬意、愛情、そして歓喜が感じられる作品の数々です。
穂苅 三寿雄 (ほかり みすお)
1891(明治24)年長野県松本町(現・松本市)生まれ。1905(明治38)年松本尋常高等小学校(現・開智小学校)高等科卒業。1911(明治44)年信濃山岳研究会設立。1914(大正3)年初めての槍ヶ岳登山、この頃から小型カメラで写真撮影を始め、以後、新聞紙上などに作品を発表。1917(大正6)年北アルプスで二番目の山小屋になる、槍沢小屋を建設。1926(大正15)年槍ヶ岳肩に小屋を建設。1931(昭和6)年ホカリ写真館を開業、松本市鐘心堂にて写真展。1939(昭和14)年東京山岳写真会(現・日本山岳写真協会)発会、創立会員として参加。1966(昭和41)年永眠、享年75歳。
タイトル
穂苅三寿雄作品展「北アルプス黎明」
開催期間
2003年4月1日(火)~4月27日(日)
展示内容
黒い岩肌と白い残雪のパターンが鮮やかな春の前穂北尾根、赤外線乾板で撮影した新緑が輝く初夏の梓川、雲が晴れて形をあらわしたすがすがしい夏の槍ヶ岳山頂、1925(大正14)年10月の焼岳大爆発で空一面に噴き上がる黒煙、広大な雪原や山頂の雲海など大自然の中に小さな点を刻む人間の影など、大正から昭和期の北アルプスの素朴な力強さをとらえたモノクロ写真作品、約70点。
展示点数
約70点(全作品モノクロ)
図録販売
今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。
図録はこちら
開館時間
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)
入館料
無料
所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
交通機関
- 東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
- 東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
- 都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
- 都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
- 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
- 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
- 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
- JR東京駅からは、東京メトロ◎丸の内線東京駅→大手町駅にて◎半蔵門線に乗り換えると便利です。