栗原達男 写真展 「1931年・太平洋を越えた翼」
JCIIフォトサロンでは、来る2003年4月29日(火)から6月1日(日)まで、栗原達男写真展「1931年・太平洋を越えた翼」を開催します。今回の展示では、栗原氏が入念な取材で辿った、太平洋初飛行横断のドキュメンタリーをご紹介します。
ライト兄弟の飛行機発明の24年後、1927年5月、リンドバーグによるニューヨークからパリの大西洋横断は、映画『翼よあれがパリの灯だ』で広く知られていますが、大西洋より広い太平洋を初めて越えたのは意外に知られていません。
1931年10月、アメリカ人パイロット、パングボーンとハーンドンの2人が操縦する“ミス・ヴィードル”が、青森県淋代海岸からワシントン州ウェナッチー市まで7,982kmを41時間13分かけて飛んだのが太平洋横断の最初です。リンドバーグよりも2,000km、約8時間も長い世界記録でした。それが余り知られていないのは、当時昭和6年というと日米関係が悪化し始めたことや、日本の田舎町の海岸からアメリカの田舎町の丘までという、まさにローカルからローカルへの飛行ということなどが原因でした。
青森県三沢村は村人総出で松板を敷き始動滑走路を造り、少女たちは青森県特産のリンゴや浜ゆりをおみやげに渡しました。そして紅の翼はヨロヨロと飛び立ち、ウェナッチー市に決死の胴体着陸を果したのです。後日、ウェナッチーから淋代にワシントン州特産リンゴの苗木が送られ、現在も青森県に根付いて人々に昔日の偉業を伝えています。
栗原氏は、昨年“ミス・ヴィードル”が地元民の熱意で復元中であることを知り、この埋もれてきたチャレンジ・ストーリーを取材撮影することにしました。今回の写真展では、氏が淋代海岸やウェナッチーを訪れて撮影した“ミス・ヴィードル”にまつわる場所や、当時出発を見送った人々、復元機を製作するボランティアスタッフなど約90点(全モノクロ)を展示します。
※作品展に合わせて、会期中の5月17日(土)に、栗原達男 トークの会「「日米のチャレンジャー」―イチローと松浦栄とアメリカ人パイロットと―」を開催いたします。
栗原 達男 (くりはら たつお)
1937年東京・向島生まれ。1961年早稲田大学政経学部卒業、朝日新聞出版写真部勤務。1962年「土俵をおりた松登」「下町に生きる人々」などの取材に対し日本写真協会新人賞受賞。1967年フリーとなりヨーロッパ3万キロドライブ、沖縄取材、世界・日本の炭鉱取材、アメリカ縦横断、全東欧など、テーマを深く掘り下げ激動する世界を捉えるドキュメンタリー写真家として活躍。テレビのニュース・ドキュメンタリー番組のリポートも行う。日本写真家協会会員。著書に「オキナワ 1961~1970」「名作ひとり旅」「合衆国USA/縦横16000キロ」「フランクと呼ばれた男/西部の写真家 松浦栄の軌跡」など多数。
タイトル
栗原達男写真展「1931年・太平洋を越えた翼」
開催期間
2003年4月29日(火)~6月1日(日)
展示内容
栗原氏が入念な取材で辿った、太平洋初飛行横断のドキュメンタリー写真淋代海岸やウェナッチーの“ミス・ヴィードル”にまつわる場所や、当時出発を見送った人々、復元機を製作するボランティアスタッフなどの写真約90点(全作品モノクロ)を展示。
展示点数
約90点(全作品モノクロ)
図録販売
今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。
図録はこちら
開館時間
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)
入館料
無料
所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
交通機関
- 東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
- 東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
- 都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
- 都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
- 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
- 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
- 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
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