写真展

小泉定弘作品展「浦安 1965-1972」

開催期間:2003年6月3日(火)2003年6月29日(日)
境川 1968

 JCIIフォトサロンでは、来る2003年6月3日(火)から29日(日)まで、小泉定弘作品展「浦安 1965-1972」を開催します。

 1965(昭和40)年の浦安は、今の浦安からは想像できないような風景が残っていました。生乾きのへどろの上に埋立てのための鉄パイプを敷設した荒涼たる風景と躍動感あふれる漁師町――まだ20代の学生だった小泉氏はそのコントラストに深い感銘を覚え、大きく変貌しようとする浦安を記録しました。

 江戸川河口から東京湾に突き出た広大な三角州は昔から絶好の漁場でしたが、高度経済成長期にはいると海水汚染が進んで漁獲量が大幅に減少しました。そのため1962(昭和37)年に漁業権を一部放棄、9年後には全面放棄、その間に漁師町浦安は消滅の一途をたどりました。そして陸の孤島といわれた浦安に1969(昭和44)年営団地下鉄東西線、その後JR京葉線が開通、東京へ至近距離の一大ベットタウンが誕生しました。1965(昭和40)年に人口1万8千人だった浦安町は現在14万人を擁する海浜都市となったのです。

 今回の作品展では、浦安町漁業協同組合の乾海苔入札風景、山本周五郎著『青べか物語』のこましゃくれた少年のモデルとなった船宿吉野屋主人のポートレート、漁から戻る舟で埋めつくされた境川、まだビルが建つ前の草むらに囲まれた浦安駅前、路地裏で紙芝居をみる子供たちなど、30年前の漁師町浦安の貴重な記録をとらえたモノクロ写真作品、約100点を展示します。

 

小泉 定弘 (こいずみ さだひろ)
1941年東京都荒川区生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。現在は日本大学芸術学部写真学科教授で写真史の教鞭をとるかたわら、東京都内および同近郊の風土や身辺の風景などを撮り続けている。主な写真展に、1975年「現代のダゲレオタイプ」(新宿・銀座ニコンサロン)、1978年「ライデン」(ツアイト・フォト・サロン)、1983年「身辺風景」(オリンパスギャラリー)、1993年「荒川」(ペンタックスフォーラム)、1996年「また身辺記」(オリンパスギャラリー)、2003年「30年前の漁師町浦安」(浦安市郷土博物館)など多数。主な写真集に、1982年「ライデン逍遥」(日蘭協会)、1985年「東尾久8-14-3」vol.Ⅰ(著者刊)、1991年「上野恩賜公園」(上野観光連盟)、2001年「工事中」(リトル・ギャラリー)など多数。

タイトル

小泉定弘作品展「浦安 1965-1972」

開催期間

2003年6月3日(月)~6月29日(日)

展示内容

浦安町漁業協同組合の乾海苔入札風景、山本周五郎著『青べか物語』のこましゃくれた少年のモデルとなった船宿吉野屋主人のポートレート、漁から戻る舟で埋めつくされた境川、まだビルが建つ前の草むらに囲まれた浦安駅前、路地裏で紙芝居をみる子供たちなど、30年前の漁師町浦安の貴重な記録をとらえたモノクロ写真。

展示点数

約100点(全作品モノクロ)

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

図録はこちら

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)

入館料

無料

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。