名取洋之助と日本工房作品展―報道写真の夢―
JCIIフォトサロンでは、12月2日(火)から12月25日(木)まで、「名取洋之助と日本工房作品展─報道写真の夢(作品編)」を開催いたします。
本年は、1933年に名取洋之助が「日本工房」を構えて70年という節目の年にあたります。JCIIでは、日本工房の仕事として名取洋之助、土門拳、藤本四八らが撮影した写真(於:JCIIフォトサロン)と、日本工房の写真配信によって誌面を作った海外のグラフ雑誌や制作した対外宣伝誌など(於:JCIIクラブ25)を解説・展示する「名取洋之助と日本工房作品展」を開催いたします。
なお、この度の展示は、全てJCII所蔵資料で構成いたします。写真、海外雑誌記事などには、今まで未発表、未確認だったものが多数含まれます。
名取洋之助が日本工房を創設した70年前は、一般にビジュアル情報があふれている訳ではなく、ようやく総合雑誌の中にグラフページが設けられるようになった頃でした。絵画をお手本とする芸術写真が主流のなか、日本工房は、ものごとを語り伝えるコミュニケーション手段として写真を撮影し、洗練されたデザインで世界に日本を伝えるグラフ雑誌を制作する、特異な存在でした。
創始者である名取は、木村伊兵衛、土門拳、藤本四八、小柳次一、牧田仁らの写真家諸氏、原弘、河野鷹思、山名文夫、亀倉雄策らのデザイナー諸氏を日本工房に誘いました。才能を見出され、発揮する場を与えられた若き彼らが情熱を注いだ写真や刊行物は、時代の精神を体現する明朗な迫力で、今も私たちを魅了します。
日本工房が発展をとげた時期は、写真の社会的役割が模索された時でもありました。戦争期と重なるなかで、印刷されて多くの人と繋がる「報道写真」に邁進した若き先駆者たちは何を実現しようとしたのでしょうか。日本工房の仕事として撮影された写真、日本工房が海外に配信した写真で構成された雑誌記事(一部はカラー複写で拡大展示)、日本工房制作図書・雑誌資料などを展示し、終戦までの名取と日本工房の仕事を通じて、若き報道写真の夢と現実を追います。
※展示に合わせて、12月14日(日)に名取洋之助と日本工房について、名取研究會シンポジウムを開催いたします。
タイトル
名取洋之助と日本工房作品展─報道写真の夢─
開催期間
JCIIフォトサロン:作品編 2003年12月2日(火)~12月25日(木)
JCIIクラブ25:資料編 2003年12月10日(水)~12月25日(木)
展示内容
・作品編 全71点(撮影は1936~1939年・全作品モノクロ・全て初公開)
名取洋之助<朝鮮>(1936年)12点
土門拳<防共富士登山隊>(1938年)12点
藤本四八<上高地>(1938年)11点・<刀鍛冶>(1938年)5点ほか
内外雑誌掲載誌解説付き
・資料編 約80点
雑誌:『NIPPON』(1934年創刊)、『COMMERCE JAPAN』(1938年創刊)、『SHAINGHAI』
(1938年創刊)、『CANTON』(1939年創刊)、『華南画報』(1939年創刊)、
『MANCHOUKUO』(1940年創刊)、『カウパープ・タワン・オーク(東亜画報)』(1941年創
刊)など
図書:『GROSESS JAPAN 大日本』(1937)、折り本写真帖『日本』(1938)、
『MANCHOUKUO ILLUSTRATED』(1941)、名取書店出版物など
内外への写真配信で制作された雑誌記事(海外記事はキャプション翻訳を添付):木村伊兵衛
<大島>、土門拳<赤十字看護婦>など
図録販売
今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。
図録はこちら
開館時間
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)
入館料
無料
所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
交通機関
- 東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
- 東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
- 都営バス「都03 (四谷駅 - 半蔵門 - 日比谷 - 銀座四 - 晴海埠頭)」
- 都営バス「宿75 (新宿駅西口 - 東京女子医大前 - 四谷駅前 - 半蔵門 - 三宅坂)」
半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
- 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
- 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
- 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
- JR東京駅からは、東京メトロ◎丸の内線東京駅→大手町駅にて◎半蔵門線に乗り換えると便利です。