中谷吉隆作品展「トカラ列島 1961」
JCIIフォトサロンでは、来る2004年6月29日(火)から7月25日(日)まで、中谷吉隆作品展「トカラ列島 1961」を開催いたします。
トカラ列島とは、鹿児島の南端から台湾にかけて点在する南西諸島の一部で、屋久島と奄美大島の間に連なる口之島、中之島、臥蛇島、平島、諏訪之瀬島、悪石島、小宝島、宝島の有人8島(現在は臥蛇島を除く7島)と、いくつかの無人島からなります。戦後は1946(昭和21)年から1952(昭和27)年までアメリカ軍政下に置かれていました。沖縄よりもはやく本土復帰を果たした後は、後進性を有する離島に対し国が総合的な補助を行なう「離島振興法」の適用を受けます。それらの島々を中谷氏が訪れたのは、離島振興法の適用期限である10年を迎えようとしていた1961(昭和36)年のことでした。中谷氏は社会・風俗・生活など、多面的な視点からさらりとその時代の風を写し撮るドキュメンタリー写真家として有名ですが、この取材がフリーランスとなって初めての仕事となります。
今回の作品展では、島々の貴重な現金収入となる農作業や漁業の様子、ほとんどが自給自足の人々の生活、巡回医療診断の医師におびえながら診察を受ける子どもたち、水汲みや家事などで立派な働き手となる小学生、大和・琉球の両文化から影響を受けた祭りの様子や風俗など、作品約90点(全作品モノクロ)を展示します。
離島振興法の適用を受けながらもさまざまな問題を抱え生活する島民。しかし、変化に富んだ無垢な自然と多くの魚たちが集う美しい海に囲まれた島で、人々は貧しくともたくましく暮らしていました。ここには素直で穏やかな笑顔が溢れ、おおらかな島時間につつまれた人情豊かな人の輪が息づいています。
※この作品展に合わせて、7月10日(土)に、中谷吉隆講演会 「記憶に残る記録としての写真」を開催いたします。
中谷 吉隆 (なかたに よしたか)
1937年広島市生まれ。東京写真短期大学(現 東京工芸大学)写真技術科卒業後、東京新聞社出版写真部を経て、1960年フリーランスとなり現在に至る。ルポルタージュ、人物、風景、スポーツ、歴史写真など幅広い分野で各種雑誌、カメラ誌、図書出版物、印刷物等に数多く発表。著書に「ある日幸せに」「道東―オホーツクと原野と湖と」「スポーツ人間像」「ノーサイドの笛が鳴る」など多数。1964年度カメラ芸術新人賞受賞。現在、日本写真家協会会員、日本スポーツプレス協会名誉会員、日本写真協会会員、日本写真芸術学会会員、全日本写真連盟関東本部委員。JCIIフォトクリニック・NHK文化センター写真講座・メトロシニア写真教室講師。中谷会・MSPC主宰。一滴会同人。
タイトル
中谷吉隆作品展「トカラ列島 1961」
開催期間
2004年6月29日(火)~7月25日(日)
展示内容
離島振興法の適用を受けながらもさまざまな問題を抱え生活するトカラ列島(鹿児島県鹿児島郡十島村)。貴重な現金収入となる農作業や漁業の様子、ほとんどが自給自足の人々の生活、巡回医療診断の医師におびえながら診察を受ける子どもたち、水汲みや家事などで立派な働き手となる小学生、大和・琉球の両文化から影響を受けた祭りの様子や風俗などを、フォトジャーナリストの視点から写し撮った作品約90点(全作品モノクロ)を展示します。
展示点数
約90点(全作品モノクロ)
図録販売
今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。
図録はこちら
開館時間
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)
入館料
無料
所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
交通機関
- 東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
- 東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
- 都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
- 都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
- 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
- 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
- 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
- JR東京駅からは、東京メトロ◎丸の内線東京駅→大手町駅にて◎半蔵門線に乗り換えると便利です。