須田一政作品展「風姿花伝」
JCIIフォトサロンでは、来る2005年3月29日(火)から4月24日(日)まで、須田一政作品展「風姿花伝」を開催いたします。
須田一政氏は1963年度の『日本カメラ』月例欄で年度賞を得るなど、アマチュア時代からすでにその才能の片鱗を見せていました。70年代に入ると、6×6判のカメラを手に日本各地を旅して周り、対象を真正面から大胆に切り取った独特の作風を確立して行きます。
日常と非日常の間を自由に行き来する妖しの魅力にあふれた「風姿花伝」のシリーズは、1957~77年に『カメラ毎日』に掲載され、日本写真協会新人賞を受賞するなど、旅の写真家としての彼の存在を強く印象付けた作品です。タイトルは世阿弥が父観阿弥より口授された芸の真の花について編録した能楽論書「風姿花伝」からそのまま引用されています。氏は「世阿弥の本には写真を撮る心構えから撮り方まですべて書いてある」といい、「被写体はあくまで借りもので、自分の写真に写っているものは、いつも自分自身だと思っている」という作品一つ一つは、氏が演出した舞台の主人公であり、時には思い描いた夢そのものであり、時には氏の心情そのものを映し出す鏡にもなります。
今回の作品展では、1978年に出版された写真集「風姿花伝」から、強い日差しの中で路地に佇む老人、池を悠々と泳ぐ鯉の美しく輝く姿態、祭りの宵の口で楽器を弾き鳴らしながら踊る男、一心不乱に踊る女、草むらで犬を抱きながら笑う女性、木蔭ではにかむ女の子など、誰もが見落とす、あるいは見落としたいと思う瞬間を、独特の視線で凝視し、市井の庶民や日常の光景を不思議な気分を漂わせる映像へと変容させた作品、約80点(全作品モノクロ)を展示します。日常のフッと息を抜いた一瞬に浮かび上がる幽玄の世界を、どうぞお楽しみください。
須田 一政 (すだ いっせい)
1940年東京生まれ。1962年東京綜合写真専門学校卒業。1967年から1970年まで演劇実験室 天井桟敷(寺山修司主宰)の専属カメラマンを務める。1971年フリーランスとなる。「風姿花伝」により日本写真協会新人賞(1976年)、写真展「物草拾遺」等により日本写真協会年度賞(1983年)、写真展「日常の断片」等により第1回東川賞国内作家賞(1985年)、写真集「人間の記憶」により第16回土門拳賞(1997年)をそれぞれ受賞。写真集に「風姿花伝」(1978年、朝日ソノラマ)、「わが東京100」(1979年、ニッコールクラブ)、「犬の鼻」(1991年、IPC)、「TRANCE TRUNK」フロッピーディスク(1994年、祥林舎)、「人間の記憶」(1996年、クレオ)、「赤い花」(2000年、ワイズ出版)、他。写真展は国内外で100回以上開催し、オリジナルプリントは多数の美術館に収蔵されている。現在、大阪芸術大学写真学科教授、千葉市在住。
タイトル
須田一政作品展「風姿花伝」
開催期間
2005年3月29日(火)~4月24日(日)
展示内容
日本を代表する写真家、須田一政の初期の代表作「風姿花伝」の中から、強い日差しの中で路地に佇む老人、池を悠々と泳ぐ鯉の美しく輝く姿態、祭りの宵の口で楽器を弾き鳴らしながら踊る男、一心不乱に踊る女、草むらで犬を抱きながら笑う女性、木蔭ではにかむ女の子など、独特の視線で市井の庶民や日常の光景を切り取った作品、約80点(全作品モノクロ)を展示します。
展示点数
約80点(全作品モノクロ)
図録販売
今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。
図録はこちら
開館時間
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)
入館料
無料
所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
交通機関
- 東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
- 東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
- 都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
- 都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
- 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
- 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
- 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
- JR東京駅からは、東京メトロ◎丸の内線東京駅→大手町駅にて◎半蔵門線に乗り換えると便利です。