川島浩作品展「未来誕生」
JCIIフォトサロンでは、2005年4月26日(火)から5月29日(日)まで、川島浩作品展「未来誕生」を開催いたします。
川島浩氏は、従来の価値観が大きく変ってゆく時代に起った血のメーデー事件や、新しい理念の下でおこなわれた教育実践の現場を追った作品で、事実の重みと写真の力、そして人間の美しさを伝え、写真が社会的影響力を持ち得ることを世に知らしめた写真家です。
『未来誕生』は、群馬県佐波郡にある島小学校に赴任された斎藤喜博校長のもとで行われた「特異な教育実践」の記録です。川島氏は仕事で訪れた島小学校の子供たちの生き生きとした表情と教育活動に惹かれ、ジャーナリストとしてこれを映像化して世に出そうと、その後も島小学校へ通い続けました。「そこで私が見たものは、・・・人間と人間が信じ合う美しい心の結びつきであった」と氏は回想しています。
今回の作品展では、1959年に写真批評家協会新人賞を受賞した『未来誕生』を中心に、与謝の海養護学校取材をまとめた写真集『ぼくらはみんな生きている』や氏の代表作ともいえる「血のメーデー事件」などのなかから選りすぐった作品、約60点(全作品モノクロ)を展示します。子どもたちが一心に教師を見つめる姿、学校行事で楽しみながらも真剣にお遊戯をする男の子、問題に取り組む女の子のクルクルと変化する表情、教材を読みこむ教師の姿、よりよい授業を目指して議論する教師や母親たちが写された作品からは、人間が抱える苦悩や心の葛藤、生きようとする意志の強さを感じることができます。
写真を単なる記録に終らせることなく人間性発展の力強い表現として認識し、いいかげんなものや納得できないものは撮らないという姿勢で「リアリズム」にこだわり続けた写真家・川島浩の世界をどうぞご覧ください。
川島 浩 (かわしま ひろし)
1925年、東京に生まれる。写真家・田村茂氏に師事。1952年、メーデー事件撮影。この写真によりのちにモスクワ・コムソモルスカヤプラウダ国際写真コンクール1位受賞。1959年、群馬県島小学校取材の写真による個展「未来誕生」にて、写真批評家協会新人賞を受賞。1962年、岩手県小繋の農民の入会権闘争を取材した個展「北方の農民」開催。1973年、ラオス解放区を取材した個展「洞窟を出た人びと」開催。1979年、京都府立与謝の海養護学校取材の写真集『ぼくらはみんな生きている』により、日本写真協会年度賞受賞。1984年、埼玉県さくら・さくらんぼ保育園を取材した個展「ヒトが人間になる」開催。1993年、個展「ふるさとの詩」ほか。2001年、日本リアリズム写真集団理事長に就任。2003年9月19日、永眠。
主な写真集に、「未来誕生」「いのち、この美しきもの」「あすを拓く子ら」「斎藤喜博の仕事」「ぼくらはみんな生きている」「ヒトが人間になる」「教育讃歌」「シャッターを切る心」ほか。
タイトル
川島浩作品展「未来誕生」
開催期間
2005年4月26日(火)~5月29日(日)
展示内容
1959年に写真批評家協会新人賞を受賞した『未来誕生』を中心に、与謝の海養護学校取材をまとめた写真集『ぼくらはみんな生きている』や氏の代表作ともいえる「血のメーデー事件」のなかから選りすぐった作品を展示。
一心に教師を見つめる子どもたち、学校行事で楽しみながらも真剣にお遊戯をする男の子、問題に取り組む女の子のクルクルと変化する表情、教材を読みこむ教師の姿、よりよい授業を目指して議論する教師や母親たちの姿など約60点(全作品モノクロ)。
展示点数
約60点(全作品モノクロ)
図録販売
今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。
図録はこちら
開館時間
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)
入館料
無料
所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
交通機関
- 東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
- 東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
- 都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
- 都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
- 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
- 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
- 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
- JR東京駅からは、東京メトロ◎丸の内線東京駅→大手町駅にて◎半蔵門線に乗り換えると便利です。