中谷吉隆 作品展「諸国人形芝居巡り」
JCIIフォトサロンでは、来る2007年7月3日(火)から7月29日(日)まで、中谷吉隆作品展「諸国人形芝居巡り」を開催いたします。
今から30年ほど前の1975年、中谷氏は当時既に存続と継承が危ぶまれていた国内各地方の人形芝居を訪ね歩き、これに文楽を加えて「諸国人形芝居巡り」をまとめました。地域ごとに異なる人形の造形、芝居の構造や、人形を守り芝居を支えてきた人々の表情などを、一定の距離感を保ちながら的確に捉えるという特徴を持つそれらの作品は、中谷氏の得意とするスポーツ写真やドキュメント写真にも共通する、対象への敬意や冷静な観察力によって支えられていると言えるでしょう。
展示作品は、兵庫・淡路の淡路人形や長野・下伊那の黒田人形、香川・直島の女文楽、宮崎・山之口の山之口麓文弥人形などの人形浄瑠璃から、東京・八王子の車人形、秋田・本荘の猿倉人形、そして2つの文楽に至る様々な人形芝居によって構成され、氏の作品は、それぞれの芝居の細部にまで踏み込みながらも、わが国の人形芝居の全体像を包括的に捉えたものになっています。
本展では、1994年に無形文化財保持者(人間国宝)に選ばれ、今年4月にはフランス政府より文化芸術功労章勲一等のコマンドール最高賞を授与された文楽の人形遣い・吉田蓑助の若き日の舞台写真を含む、約80点(全てモノクロ)の作品を紹介します。
中谷 吉隆 (なかたに よしたか)
1937年広島県生まれ。1957年に東京写真短期大学(現・東京工芸大学)写真技術科卒業。在学中より三堀家義氏に師事、東京新聞社出版写真部を経て1960年にフリーランスとなり現在に至る。ルポルタージュ、人物、スポーツ、風景、歴史写真などの幅広い分野で活躍し、月刊・週刊誌、グラフ誌、カメラ誌等の出版物・印刷物に数多くの写真を発表。また多くの写真展を開催し、各雑誌、各写真メーカー主催の写真コンテストや県美術展の審査員を務める。日本写真家協会会員。
写真集に『道東―オホーツクと原野と湖と』(朝日新聞社,1976年)、『華麗なるスポーツレディ』(日本カメラ社,1991年)、『ノーサイドの笛が鳴る』(ノースランド出版,2004年)、『神楽座Story』(清流出版,2006年)、著書に『スナップショットへの道』(朝日ソノラマ,1977年)、『AF一眼レフカメラ入門』(池田書店,1997年)、『趣味の写真入門』(日本文芸社,1998年)など。展覧会に「蒼氓60年」(フジフォトサロン,1964年)、「黒の墓標」(ニコンサロン,1973年)、「広島・戦後10年」(JCIIフォトサロン,1997年)など。1964年カメラ芸術新人賞受賞。
タイトル
中谷吉隆作品展「諸国人形芝居巡り」
開催期間
2007年7月3日(火)~7月29日(日)
展示内容
1975年に撮影された「諸国人形巡り」シリーズより約80点(全作品モノクロ写真)の作品を展示します。兵庫・淡路の人形芝居や香川・直島の女文楽、長野・下伊那の黒田人形などの人形浄瑠璃、関東圏内に今なお残る東京・八王子の車人形、埼玉・横瀬のふくさ人形、そして平成6年に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定され本年にはフランス政府より文化芸術功労章勲一等のコマンドール賞を授与された文楽人形遣い・吉田蓑助の「彦山権現誓助刀」(国立劇場,1975年)など。それぞれの芝居や人形の違いを的確に捉えながらも、諸人形に通底する生命感や豊かな表情と、これを育み・守り伝えてきた町の人々の体温も伝える、1975年当時の貴重なルポルタージュ群です。
展示点数
約80点(全作品モノクロ)
図録販売
今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。
図録はこちら
開館時間
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)
入館料
無料
所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
交通機関
- 東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
- 東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
- 都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
- 都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
- 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
- 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
- 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
- JR東京駅からは、東京メトロ◎丸の内線東京駅→大手町駅にて◎半蔵門線に乗り換えると便利です。