前田 真三 作品展「日々の風景」
今年は、風景写真の第一人者である、前田真三氏の没後10年目にあたります。これを記念して、JCIIフォトサロンでは、来る2008年7月29日(火)から8月31日(日)まで、前田真三作品展「日々の風景」を開催いたします。
前田氏は、日本各地の風景の中でも特に北海道美瑛・上富良野を中心にした丘の風景作品で知られ、独自の作風を確立しました。前田氏が捉えた自然の姿は圧倒的な美しさで観る者を魅了しますが、その静けさの中には、ある種の厳しさも感じられます。今回の展示では、このような風景表現へ行き着いた前田氏の、創作の源流を探ります。
45歳で写真ライブラリー・株式会社丹溪を設立し、本格的な写真活動に入る前、サラリーマンをしていた前田氏は、家族写真や登山の記念写真、旅行先や出張先でのスナップ写真の撮影に熱中していました。山河にカメラを向ける時も、各地で出会った風物を狙う時も、「日々の風景」を心のままに写真にしてきた前田氏。無邪気に遊ぶ愛らしい子供たちや、カメラを覗き込む修学旅行生、靴磨きをしてもらっているサラリーマンなど、何気ない日常の一瞬を切り取った人々の姿からは、前田氏の「人間に対する深い愛情」が感じられます。その後被写体が自然に変わっても、同じような深い愛情を持って撮影に望んでいたからこそ、美しさだけではなく、観る者に様々な感情をひきおこす作品を撮ることができたのではないでしょうか。
会場では、アマチュア時代から晩年まで、長年撮り重ねてきたモノクロ作品の中から、大半が未発表の作品84点を厳選して展示いたします。前田氏の想いがつまった「日々の風景」をお楽しみください。
★作品展にともない、会期中の8月30日(土)に<風景写真家・前田晃氏スライドトークショー「父・前田真三を語る」>を開催致します。
1922年6月3日東京・八王子に生まれる。
1936年、二人の兄がカメラを持っていた影響で写真を撮り始める。
1948年、日綿実業(現双日株式会社)に入社し、以後17年間勤務。
1955年頃から35ミリ判のカメラを次々と購入し、家族写真や山歩きの記念写真に熱中する。
1967年に写真撮影、リース、販売などを目的とする株式会社丹溪を設立し、本格的な写真活動に入る。
1971年、日本列島縦断撮影旅行約3ヶ月かけて敢行。その帰路、北海道美瑛・上富良野の丘陵地帯と出会い、撮影に足繁く通うこととなる。
1974年、初めての写真集『ふるさとの四季』を出版。以後、数多くの写真集を出版。
1984年に日本写真協会年度賞、1985年に毎日出版文化賞特別賞を受賞。
1987年7月10日、北海道美瑛町に自らの写真ギャラリー「拓真館」を開設。作品を展示すると共に、撮影拠点とする。同年よりハイビジョン撮影にも取り組み、数々の作品を発表。
1996年、勲四等瑞宝章受章。
1998年11月21日心不全により逝去、享年76歳。同年、美瑛町特別功労者章受章。
1999年、日本写真協会賞文化振興賞を拓真館と共に受賞。
タイトル
前田真三作品展「日々の風景」
開催期間
2008年7月29日(火)~8月31日(日)
展示内容
1950年代から1970年代にかけてふるさと八王子を含め、各地で出会った農村・漁村・田園などの美しい風景を、自身の原風景として捉えた未発表作品を中心とした初期作品100点(全作品モノクロ)を展示。
展示点数
約100点(全作品モノクロ)
図録販売
今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。
図録はこちら
開館時間
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)
入館料
無料
所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
交通機関
- 東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
- 東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
- 都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
- 都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
- 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
- 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
- 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
- JR東京駅からは、東京メトロ◎丸の内線東京駅→大手町駅にて◎半蔵門線に乗り換えると便利です。