栗原達男作品展「9,000キロの旅人―1967年春・シベリア鉄道全線―」
JCIIフォトサロンでは、来る2013年3月12日(火)から4月7日(日)まで、栗原達男写真展「9,000キロの旅人―1967年春・シベリア鉄道全線―」を開催いたします。
栗原氏は、1937年に東京に生まれます。1961年から6年間、朝日新聞社で勤務した後にフリーとなり、沖縄やアメリカなどの様々な土地や人物のテーマを深く掘り下げ、激動する世界を捉えるドキュメンタリー写真家として活躍してきました。
今回の作品展は、「9,000キロの旅人―1967年春・シベリア鉄道全線―」と題して、1967年の春にシベリア鉄道でウラジオストックからモスクワに向かう北周りの大陸横断の旅のなかで、出会った人々や風景をご覧いただきます。
朝日新聞社を退社した後、フリーとなって最初の撮影がロシア国内を東西に横断するシベリア鉄道での旅でした。シベリア鉄道は、ロシアのモスクワと極東のウラジオストックを結ぶ9,297kmの世界最長の鉄道路線です。この鉄道はいくつかの支線に繋がり国際列車が運行されているため、ドイツ、ポーランド、ウクライナ、ベラルーシ、モンゴル、中国などを旅することができる鉄道です。
氏の旅した45年前のロシアは、まだ東西冷戦下のソ連時代であり、空爆の標的になるなどの軍事的理由から駅も含め鉄道撮影が禁止され、特に鉄道の分岐点であるジャンクションと橋は絶対に撮るなと言われたそうです。
社会主義建設の成功を誇示する目的で、モスクワやレニングラード(現サンクトペテルブルク)などいくつかの大都市の駅舎は、スターリン様式と呼ばれる宮殿のような豪華絢爛な建築物が建てられました。その一方、シベリア鉄道の風景は広大な平原と森林をひたすら真っ直ぐ進む西半分に対し、バイカル湖以東は川を遡り峠を超える、山がちな風景の連続です。
モスクワまで150時間以上を要し、乗り詰めでも6泊7日もの長旅の中、日本での米軍兵役を終えアメリカへ帰る人々や日本から来た大学生、石炭を運搬する人々、駅内売店でのやり取り、プラットホームでの市場、トランプに興じる家族など、5月のほころびるような春のシベリアで出会った人々と氏の関係が見えてきます。お互いに言葉は通じなくても、身振りや絵で会話を楽しみ、世界一長い鉄道旅行の醍醐味とも言える旅人同士の関わり合いを感じることができる作品群です。
栗原 達男 (くりはら たつお)
1937年東京・向島生まれ。1961年早稲田大学政経学部卒業後、朝日新聞社に入社し、出版写真部に勤務。 1962年「土俵をおりた松登」「下町に生きる人々」などの取材に対し日本写真協会新人賞受賞。1967年フリーとなりヨーロッパ3万キロドライブ、沖縄取材、世界・日本の炭鉱取材、アメリカ縦横断、全東欧など、テーマを深く掘り下げ激動する世界を捉えるドキュメンタリー写真家として活躍。テレビのニュース・ドキュメンタリー番組のリポートも行う。日本写真家協会会員。著書に「オキナワ 1961~1970」「名作ひとり旅」「合衆国USA/縦横16000キロ」「フランクと呼ばれた男/西部の写真家 松浦栄の軌跡」など多数。
タイトル
栗原達男写真展「9,000キロの旅人―1967年春・シベリア鉄道全線―」
開催期間
2013年2月4日(火)~3月1日(日)
展示内容
栗原氏が1967年の春、シベリア鉄道でウラジオストックからモスクワに向かう北周りの大陸横断の旅のなかで、出会った人々や風景をご覧いただく。
ロシア国内を東西に横断するシベリア鉄道は、モスクワと極東のウラジオストックを結ぶ9.297kmの世界最長の鉄道路線だ。モスクワまで150時間以上を要し、乗り詰めでも6泊7日もの長旅の中、日本での米軍兵役を終えアメリカへ帰る人々や日本から来た大学生、石炭を運搬する人々、駅内売店でのやり取り、プラットホームでの市場、トランプに興じる家族など、5月のほころびるような春のシベリアで出会った人々と氏の関係が見えてくる。お互いに言葉は通じなくても、身振りや絵で会話を楽しみ、世界一長い鉄道旅行の醍醐味とも言える旅人同士の関わり合いを感じることができる作品約80点(全作品モノクロ)を展示する。
展示点数
約80点
図録販売
今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。
図録はこちら
開館時間
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)
入館料
無料
- 東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
- 東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
- 都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
- 都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」 半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
- 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
- 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
- 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
- JR東京駅からは、東京メトロ◎丸の内線東京駅→大手町駅にて◎半蔵門線に乗り換えると便利です。