―古写真に見る明治の東京― 南葛飾郡編
JCIIフォトサロンでは、古写真シリーズの33回目として、来る2017年1月31日(火)から2月26日(日)まで、「―古写真に見る明治の東京― 南葛飾郡編」を開催いたします。今回は、2009年から開催し、好評をいただいた「皇城(江戸城)・麹町区編」、「神田区・日本橋区編」、「京橋区編」、「芝区・麻布区・赤坂区編」、「浅草区編」、「牛込区・小石川区・本郷区編」、「下谷区編」、「本所区・深川区編」、「荏原郡・東多摩郡・北豊島郡・南足立郡編」に続く第10弾で、当館所蔵の明治前期撮影の「大日本東京寫眞名所一覧表」と題された写真帖と、明治14年(1881)にイタリアに持ち帰られた写真帖「大日本全国名所一覧」より、120点を展示いたします。
明治11年(1878)に施行された郡区町村1編制法による15区6郡制で制定された「南葛飾郡」は、現在の葛飾区・江戸川区の全域と、墨田区・江東区・足立区の一部にあたります。今回展示する写真は、この「南葛飾郡」の中の、東は隅田川、南は北十間川、北は綾瀬川、西は中川と、四方を河川で囲まれた地域を撮影したものになります。
向島の隅田川沿いに造られた土手「墨堤」に、八代将軍徳川吉宗によって享保年間に本格的に植樹された桜は、この地域で特に有名な場所となりました。江戸の桜の名所として、多くの見物人で賑わったようですが、今も桜の時期は沢山の人が訪れる場所となっています。当時はまだこの地域沿いの隅田川に架かる橋は無かったため、渡し船が人々を運んでいました。花見客はもちろん、墨堤沿いにある三囲神社や牛嶋神社、長命寺、白鬚神社、水神社(隅田川神社)、梅若神社等の神社仏閣を参拝する人たちも、浅草区方面から渡し船に乗って行き来していたそうです。
向島は明治の終わり頃から花街として栄えますが、この頃はまだ水田が多く、大きな料亭では「八百松」と「植半」という店が繁盛していました。長命寺桜もちの「山本屋」や言問団子の「言問亭」など今も続く和菓子屋や、日本初の製革工場である「伊勢勝製革工場」(創業者・西村勝三)もこの地に誕生しています。現在でも有名な向島百花園や堀切菖蒲園は、当時も行楽客で大変賑わっていたそうです。
これらの名所に加え、今も同じ場所に現存する墨堤常夜灯、長命寺北側の墨堤沿いに出店していた寿司の屋台、今はもう見ることができない江戸の名残を偲ばせる小梅曳舟通りなど、明治前期の「南葛飾郡」の様子を今に伝えてくれる、貴重な写真の数々をご覧いただきます
★この展示に合わせて、古写真収集家の石黒敬章氏をお招きし講演会「“古写真に見る明治の東京”を語る Part10」を2017年2月11日(土・祝)に開催いたします!是非ご参加ください。←終了いたしました
タイトル
―古写真に見る明治の東京― 「南葛飾郡編」
開催期間
2017年1月31日(火)~2月26日(日)
展示内容
2009年から開催し、好評を博しているシリーズの第10弾。明治11年(1878)に施行された郡区町村編制法で制定された15区6郡制の中の「南葛飾郡」は、現在の葛飾区・江戸川区の全域と、墨田区・江東区・足立区の一部にあたる。当館所蔵の「大日本東京寫眞名所一覧表」と題された写真帖と、明治14年(1881)にイタリアに持ち帰られた写真帖「大日本全国名所一覧」の中から、「南葛飾郡」の名所の写真、120点を展示。花見の名所「墨堤」の桜、向島百花園、堀切菖蒲園、桜もちの「山本屋」や言問団子の「言問亭」、三囲神社、牛嶋神社、白鬚神社、水神社(隅田川神社)、梅若神社、現存する墨堤常夜灯、向島の長命寺、長命寺北側の墨堤沿いに出店していた寿司の屋台、小説にも登場する有名店の料亭「八百松」や「植半」、今はもう見ることのできない江戸の名残を偲ばせる小梅曳舟通りなど、明治前期に撮影された貴重な写真をご覧いただく。
展示点数
120点
図録販売
今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。
図録はこちら
開館時間
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日(ただし、祝日の場合は開館)
入館料
無料
日本カメラ博物館YouTube公式チャンネル
明治初年から明治18年以前に東京の名所を撮影した写真がまとめられている、当館所蔵の「大日本東京寫眞名所一覧表」と題された2冊の写真帖をベースに、古地図や幕末・明治の写真おり交ぜながら井桜直美研究員が現在の様子と比べて紹介するシリーズ「東京百景」は、日本カメラ博物館YouTube公式チャンネルでご覧になれます。
所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
交通機関
- 東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
- 東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
- 都営バス「都03 (四谷駅 - 半蔵門 - 日比谷 - 銀座四 - 晴海埠頭)」
- 都営バス「宿75 (新宿駅西口 - 東京女子医大前 - 四谷駅前 - 半蔵門 - 三宅坂)」
半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
- 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
- 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
- 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
- JR東京駅からは、東京メトロ◎丸の内線東京駅→大手町駅にて◎半蔵門線に乗り換えると便利です。