写真展

細江英公 作品展 「おとこと女」

開催期間:2018年2月27日(火)2018年4月1日(日)
おとこと女#24 1960  ©細江英公

 JCIIフォトサロンでは、来る2018年2月27日(火)から4月1日(日)まで、細江英公作品展「おとこと女」を開催いたします。

 日本を代表する写真家である細江英公さんは、小説家・ 三島由紀夫の 〈薔薇刑〉 、 舞踏家・土方巽の〈鎌鼬〉、そして建築家・ガウディの〈ガウディの宇宙〉 など、被写体と共振して独自の 耽美な世界観を表現してきたことで知られて います。

 本展では、土方と弟子をモデルに旧約聖書にある男女の起源をイメージした〈おとこと女〉より、約30点(すべてモノクロ)を展示します。このシリーズは1960年に発表されましたが、当時は享楽や憧憬の対象としてのヌード写真が主流でした。 細江さんは、 人間の根本たる “生”と“性”を、リアルな男女の身体を通して象徴的に 表現しています。マーガレットの花を口にくわえた女、たくましい男 の腕とまろやかな女の腰、 ふれ合う男女の胸、小鳥をやわらかく手中に収める男など、赤裸々でありながら抽象性の高いモダンな 作品群は、60年代以降の様々な 表現に大きな影響を与えました。 〈おとこと女〉を観た三島が 撮影を依頼してきて〈薔薇刑〉が創られるなど、細江さんにとっても大きな転機となる作品であったと言えましょう 。  

 生と死、 肉体と精神を一貫したテーマとして 独自の表現を続け、日本の写真表現を切り拓いてきた細江さんの初期代表作〈おとこと女〉 は、58年経った今日 も、 耀きを放っています。

これこそ、ついにわたしの骨の骨、わたしの肉の肉。
男から取ったものだから、これを女と名づけよう。
(旧約聖書創世記第二章二三)

 

細江 英公(ほそえ えいこう)

写真家、清里フォトアートミュージアム館長、東京工芸大学名誉教授、(社)日本写真家協会名誉会員、(社)日本写真協会会員、日本写真芸術学会会員
1933年山形県米沢市生まれ。本名・敏廣(としひろ)。18歳のときに[富士フォトコンテスト学生の部]で最高賞を受賞し、写真家を志す。1952年東京写真短期大学(現東京工芸大学)写真技術科入学。その年の秋にデモクラート美術家協会の瑛九と出会い強い影響を受ける。1954年卒業。1956年小西六ギャラリーで『東京のアメリカ娘』にて第一回個展開催。1960年『おとこと女』、1963年『薔薇刑』で評価を確立し、1969年『鎌鼬』で芸術選奨文部大臣賞を受賞。

主な写真集に「おとこと女」、「薔薇刑」、「鎌鼬」、「抱擁」、「ガウディの宇宙」、「ルナ・ロッサ」「おかあさんのばか」「胡蝶の夢 舞踏家・大野一雄」、「死の灰」などがある。また、米児童文学作家B. J.リフトン女史との共著(英語版)で「Taka-chan and I」、「A Dog’s Guide to Tokyo」、「Return to Hiroshima」、「A Place Called Hiroshima」などがある。

1998年、一連の作品により紫綬褒章を受章。2003年世界を代表する写真家7人のひとりとして英王立写真協会創立150周年特別記念メダル受章。2006年、写真界の世界的業績を顕彰するルーシー賞(米)の「先見的業績部門」を日本人として初受賞。2007年、旭日小授章を受章。2008年、毎日芸術賞受賞。2009年『鎌鼬 新装普及版』を出版。同年、ルッカ・デジタル・フォトフェスティバル(イタリア)の2009年度マスター・フォトグラファーに選ばれ、代表作を写真絵巻・屏風・掛け軸で展示。2010年、ニューヨークにてナショナル・アーツクラブ(米)より日本人として初めて第18回写真部門生涯業績金賞を受賞。同年秋、文化功労者に選出。2017年秋、旭日重光章を受賞。

★細江英公氏ご本人によるギャラリートークを開催いたします。
  3月3日(土)14:00~ (約30分間・予約不要・無料)
 ※参加者多数の場合、入場を制限する場合があります。 ←終了いたしました


タイトル

細江英公作品展 「おとこと女」

開催期間

2018年2月27日(火)~4月1日(日)

展示内容

日本の写真表現を切り拓いてきた細江英公の初期代表作〈おとこと女〉は、人間の根本たる“生”と“性”を、リアルな男女の身体を通して象徴的に表現している。肢体を構成的にとらえたモダンな作品群は、発表から58年経った今日も独自の耀きを放っている。

展示点数

約30点 (全作品モノクロ)

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

図録はこちら

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(ただし、祝日の場合は開館)

入館料

無料

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 - 半蔵門 - 日比谷 - 銀座四 - 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 - 東京女子医大前 - 四谷駅前 - 半蔵門 - 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。