写真展

石田 榮 作品展 「はたらくことは 生きること ―昭和30年前後の高知 」

開催期間:2019年4月2日(火)2019年5月6日(月)
農村 ちょっと一休み
肥料にするための萱(かや)を背負って山道をのぼる。
一緒について写真を撮った。

 JCIIフォトサロンでは、来る2019年4月2日(火)から5月6日(月・祝)まで、石田榮作品展「はたらくことは 生きること―昭和30年前後の高知」を開催いたします。

 石田榮氏は、戦後、旧満州から引き揚げてきた人からドイツ製の蛇腹式カメラ「セミイコンタ」を譲り受けて、それをきっかけに写真を撮り始めます。その後、アマチュアの写真クラブに入会し、会社員として勤務する傍ら、休日に撮影へ出かける日々を過ごしました。

 本展では、昭和30年前後(1950年代前半)の高知で、鉱山、漁村、農山村で働く人々の姿をとらえた作品75点(すべてモノクロ)をご覧いただきます。

 戦争で疲弊した日本でしたが、暮らしのために気を取り直して前向きであろうとしていたこの時代、石田氏が撮影したのは、地元の自然と寄り添いながら体を張って働く人々の姿でした。山から切り出した石灰岩を荷車に乗せ運ぶ夫婦、大量の萱を背中に背負い山道を登る女性、地引網漁に汗を流す漁師たち。過酷な労働現場でありながらも笑顔の人が多く、女性や子どもも重要な働き手として仕事に励み、皆が一丸となっています。

 肉体労働に従事する人々の力強い姿が写し出されていますが、どの写真からも温かみを感じるのは、石田さんが共感のまなざしを向け、信頼関係を築いて撮影していたからでしょう。厳しい生活の中で働く人々の姿は、当時の貴重な記録であり、ひたむきに生きる尊さを私たちに気づかせてくれます。


石田 榮 (いしだ さかえ)

1926(大正15)   香川県綾歌郡に生まれる
1940(昭和15)14歳 株式会社東洋工作所(大阪)において機械見習工となる
1943(昭和18)17歳 香川県綾歌郡岡田村立青年学校本科繰り上げ卒業
佐世保第二海兵団(相浦)に入団、海軍航空整備兵となる
1944(昭和19)18歳 海軍普通科飛行機整備術練習生終了(102期)後、高知海軍航空隊に所属
以降、出水海軍航空隊、河和海軍航空隊、高知海軍航空隊所属
1945(昭和20)19歳 海軍特別攻撃隊菊水隊白菊隊に所属(鹿屋海軍航空隊)、復員後農業に従事
1947(昭和22)21歳 高知県に移住、協和農機株式会社に勤務
1963(昭和38)37歳 高知県立小津高等学校通信制課程卒業後、慶應義塾大学経済学部通信制課程入学
1974(昭和49)48歳 大阪商工会議所経営指導員となる
1986(昭和61)60歳 石田実践経営事務所開設、経営コンサルタントとして中小企業の指導・支援をする

[写真歴]
1950(昭和25)24歳 旧満州の引揚者から「徳国製(ドイツ製)」の蛇腹式セミイコンタを入手
1954(昭和29)28歳 高知市内に所在の「ソニアフォト」に入会
1956~1958(昭和31~33) 富士フォトサロン(大阪)において、四国写真作家集団展に出品
2006(平成18)80歳 個展「周山街道北山を往く」カメラのなにわ
2012(平成24)86歳 個展「明日への希望を求めて―半世紀前の証」ニコンサロンbis大阪
2014(平成26)88歳 個展「明日への希望を求めて働く―半世紀前の証」ニコンサロンbis大阪、ニコンサロンbis新宿
2016(平成28)90歳 写真集『はたらくことは、生きること―昭和30年前後の高知』(羽鳥書店)を出版
出版記念写真展を大阪、東京、高知などで開催


タイトル

石田 榮 作品展「はたらくことは 生きること―昭和30年前後の高知」

開催期間

2019年4月2日(火)~5月6(月・祝)

展示内容

昭和30年前後(1950年代前半)の高知で、鉱山、漁村、農山村で働く人々の姿をとらえた作品75点(すべてモノクロ)を展示。
山から切り出した石灰岩を荷車に乗せ運ぶ夫婦、大量の萱を背中に背負い山道を登る女性、地引網漁に汗を流す漁師たちなど、過酷な労働現場でありながらも笑顔の人が多く、女性や子どもも重要な働き手として仕事に励み、皆が一丸となっている。厳しい生活の中で働く人々の姿は、当時の貴重な記録であり、ひたむきに生きる尊さを私たちに気づかせてくれる。

展示点数

75点 (全作品モノクロ)

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

図録はこちら

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)

入館料

無料

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 - 半蔵門 - 日比谷 - 銀座四 - 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 - 東京女子医大前 - 四谷駅前 - 半蔵門 - 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。