写真展

奈良原一高「人間の土地/王国 Domains」展

開催期間:2020年1月6日(月)2020年2月2日(日)
©Ikko Narahara
人間の土地〈緑なき島〉より
©Ikko Narahara
王国 Domains〈沈黙の園〉より

 JCIIフォトサロンでは、来る2020年1月6日(月)~2月2日(日)まで、奈良原一高「人間の土地/王国 Domains」展を開催します。

 美術史を専攻する学生時代に池田満寿夫、靉嘔(あいおう)らと活動していた奈良原一高は、1959年に川田喜久治、東松照明、細江英公らとともに写真のセルフ・エージェンシー「VIVO」を設立し、その後、パリやニューヨークを拠点に世界各地で撮影を続け、造形的な作品が国内外で高い評価を受けています。本展では、1950年代に新しい写真表現として話題をさらった初個展「人間の土地」と、第2回個展「王国」の作品をご覧いただきます。

 1956年に発表した「人間の土地」は、鹿児島の桜島噴火で埋没した黒神村を写した〈火の山の麓〉と、長崎の人工の炭鉱島である端島(軍艦島)を写した〈緑なき島〉の2部作で、自然対人間、社会機構対人間を追うものでした。1958年に発表の「王国」は、和歌山県の婦人刑務所を写した〈壁の中〉と、北海道のトラピスト修道院を写した〈沈黙の園〉の2部作で、閉ざされた壁の中の生活を追うことで現代に生きる不安とむなしさを見つめています。2部作形式で発表された2つのシリーズは、外的、内的要因によって隔絶された場に生きる人々をとらえたパーソナル・ドキュメントで、本展では1部毎17点、合計68点(すべてモノクロ)を展示します。

 若き奈良原は、「自分の遭遇した世界、そのコンセプトと写真との出会いを見せたいだけ」(『奈良原一高 昭和写真・全仕事9』朝日新聞社、1983年)で「人間の土地」を発表し、写真界の注目を集めました。作品を見た木村伊兵衛ら重鎮の感想放談に対して若き写真評論家の福島辰夫が「発言に責任を持て」と迫るなど、写真表現の転換を象徴する作品であり、今日も多くの人の心をとらえる不朽の名作です。

★この展覧会に合わせて、2020年1月18日(土)に、写真史家・金子隆一氏による講演会『戦後写真史における奈良原一高の位置―「人間の土地」と「王国」をめぐって』を開催いたします。

奈良原一高先生が、展示会期中の2020年1月19日(日)にお亡くなりになりました。つつしんで、ご冥福をお祈りするとともに、展覧会開催にあたってご協力いただきましたことに、あらためて感謝を申し上げます。



タイトル

奈良原一高 「人間の土地/王国 Domains」展

開催期間

2020年1月6日(月)~2月2日(日)

展示内容

1950年代に新しい写真表現として話題をさらった初個展「人間の土地」と、第2回個展「王国」より68点(すべてモノクロ)を展示。
「人間の土地」(1956年発表)は桜島噴火で埋没した黒神村と人工の炭鉱島である端島(軍艦島)を、「王国」(1958年発表)は和歌山県の婦人刑務所と北海道の修道院を写して、それぞれ2部作形式で発表された。2つのシリーズは、外的、内的要因によって隔絶された場に生きる人々に触発されたパーソナル・ドキュメントとして、多くの人の心をとらえ続けている。

展示点数

68点(全作品モノクロ)

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

図録はこちら

開館時間

10:00~17:00

休館日

20日、27日

入館料

無料

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 - 半蔵門 - 日比谷 - 銀座四 - 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 - 東京女子医大前 - 四谷駅前 - 半蔵門 - 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。