永野太造 写真展 「仏像―永野鹿鳴荘ガラス乾板より―」
JCIIフォトサロンでは、来る2020年3月4日(水)から3月29日(日)まで、永野太造写真展「仏像―永野鹿鳴荘ガラス乾板より―」を開催します。
永野太造(1922-1990)は、伯父夫妻が経営する茶店・永野鹿鳴荘を戦後に引き継いで3代目となりました。永野鹿鳴荘は奈良国立博物館に隣接し、古美術関係書の出版も手掛けていました。独学で写真を習得した太造は、奈良文化財研究所の草創期に調査へ同行して社寺の文化財を撮影し、傍ら、寺院や仏像の案内書制作、岩波書店から出版された美術書『奈良六大寺大観』や『大和古寺大観』にも携わりました。彼の撮影は1950年代から1990年におよび、現在とは異なる仏像安置の状況が分かる貴重な写真が多数あり、約7千点のガラス乾板は2015年に帝塚山大学(奈良)へ寄贈されてアーカイブ化が進んでいます。
今回の展覧会では、帝塚山大学所蔵の永野鹿鳴荘ガラス乾板から製作したプリント73点(すべてモノクロ)を展示します。東大寺、興福寺、薬師寺、法隆寺、室生寺、飛鳥寺など奈良の寺院をはじめ、神護寺、仁和寺、平等院など京都の寺院、善水寺、慈恩寺など西日本の寺院あわせて40箇寺におわします仏像を、釈迦、阿弥陀、薬師、観音、天部などの尊像別に紹介し、また、慈愛に満ちた菩薩や険しい表情の天部などを迫力のあるクローズアップでご覧いただきます。仏像の全体や細部が分かるように工夫された撮影により、飛鳥時代から鎌倉時代に制作された尊いお姿が浮かび上がります。
撮影やプリントのデジタル化が常識となった現在、ガラス乾板からゼラチンシルバープリントを製作しての展覧会は珍しく、写真の美しさも見どころのひとつです。
※3月28日(土)・29日(日)は臨時休館することになりました。
同時開催:「大和路の仏にであう―奈良に生きた写真家・永野太造と仏像写真―」
於:半蔵門ミュージアム 2020年3月4日(水)~6月14日(日)
※当面の間臨時休館
開催日等は半蔵門ミュージアムのホームページでご確認ください。
永野太造(ながの たぞう) 1922 – 1990
1922(大正11)年、大阪市生まれ。
第二次世界大戦後、伯父夫婦が経営していた「永野鹿鳴荘」を引き継ぐ。
1952(昭和27)年、奈良文化財研究所美術工芸室の調査に参加し、文化財の写真撮影を始める。
傍ら、寺院や仏像の案内書を制作・販売し、仏教写真家として評価を得る。
また、1957(昭和32)年にモロッコで開催された世界観光ポスター展では永野の写真(東大寺月光菩薩像)による「奈良大和路」観光ポスターが最優秀賞を受賞。
1990(平成2)年、逝去。享年68歳。
主な写真集に、『浄瑠璃寺』(鹿鳴荘、1957年)、『奈良六大寺大観』(担当:西大寺、岩波書店、1973年)、『大和古寺大観』(担当:浄瑠璃寺・不退寺、岩波書店、1978年)ほか多数。
タイトル
永野太造写真展 「仏像―永野鹿鳴荘ガラス乾板より―」
共催
帝塚山大学、一般財団法人日本カメラ財団
開催期間
2020年3月4日(水)~3月29日(日)
展示内容
永野太造が主に1950年代から60年代に写した約7千点のガラス乾板より厳選して新たに製作したプリント73点(すべてモノクロ)を展示。東大寺、興福寺、薬師寺、法隆寺、室生寺、飛鳥寺など奈良の寺院をはじめ、神護寺、仁和寺、平等院など京都の寺院、善水寺、慈恩寺など西日本の寺院あわせて40箇寺におわします仏像の全体や表情を清明に伝え、現在とは異なる仏像安置の状況も分かる貴重な写真作品。
展示点数
73点(全作品モノクロ)
図録販売
今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。
図録はこちら
開館時間
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)
入館料
無料
所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
交通機関
- 東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
- 東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
- 都営バス「都03 (四谷駅 - 半蔵門 - 日比谷 - 銀座四 - 晴海埠頭)」
- 都営バス「宿75 (新宿駅西口 - 東京女子医大前 - 四谷駅前 - 半蔵門 - 三宅坂)」
半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
- 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
- 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
- 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
- JR東京駅からは、東京メトロ◎丸の内線東京駅→大手町駅にて◎半蔵門線に乗り換えると便利です。