写真展

鬼海弘雄 作品展 「王たちの肖像」

開催期間:2020年6月30日(火)2020年8月2日(日)

 JCIIフォトサロンでは、来る2020年6月30日(火)~8月2日(日)まで、鬼海弘雄作品展「王たちの肖像」を開催します。

 鬼海弘雄氏は、法政大学文学部哲学科で哲学者の福田定良先生に師事し、卒業後、肉体を酷使するトラック運転手や造船所工員の仕事をするうちに写真に出会いました。遠洋マグロ船員で見習い漁師として航海を終えた後、写真プリント技術習得のために暗室マンとなり、その後フリーのカメラマンとなりました。浅草寺境内でのポートレイト、巡ったインドや東アジア、そして、東京の街を独自の視点で写して写真集などで発表し、国内外の高い評価を受けています。

 本展では、鬼海氏が1973年より撮りはじめて1987年の写真集『王たちの肖像 浅草寺境内』で発表した作品を中心に、約40点(すべてモノクロ)を展示いたします。

 鬼海氏が暗室作業の休日に久しぶりに訪れた浅草は少し寂れていて、集う人たちには飾らぬ佇まいが感じられたと言います。1日に一人か二人の気になる人に声をかけ、境内の朱塗りの壁を背景に正面からポートレイトを撮影しました。大工、鳶、金貸し、紫のマフラーをした女など、とらえた被写体各々の個性の中に人生が浮かび上がり、生きることの深淵を語りかけてくるようです。「今の世の中よりも人間的な「見えない国」の存在」(福田定良「エッケ・ホモという言葉について」『王たちの肖像』)を感じさせる気配を持つ彼らは「それぞれの国」の王であり、その気配に感応して写真に表した作者もまた、一方の王であると言えましょう。

 40年以上の長い間、同じ場所で出会う人物を敬意と共感をもって撮り続けてきたポートレイトは、一点毎があたかも一編の映画のようで、深い読みとりをうながす傑作ばかりです。


鬼海 弘雄(きかい ひろお)

1945年3月18日、山形県寒河江市に生まれる。1963年に高校卒業後、山形県職員を経て法政大学入学。1969年に同大文学部哲学科を卒業。以降、 トラック運転手、造船所工員、 遠洋マグロ船乗員などを経て、1973年にドイ・テクニカルフォトの暗室マンとなる。その後も写真を撮りながらビルメンテナンスや自動車工場の仕事に従事し、1981年に東南アジアを放浪の後、1984年にフリーランスの写真家となる。1994年武蔵野美術大学映像科講師に就任。1983年以降、国内や欧米で多数の展覧会開催。
主な作品集・受賞に、『王たちの肖像』(矢立出版、1987年:日本写真協会賞新人賞、伊奈信男賞)、『INDIA』(みすず書房、1992年:「写真の会」賞)、『東京迷路』(小学館、1999年)、『PERSONA』(草思社、2003年:土門拳賞、日本写真協会賞年度賞)、『東京夢譚』(草思社、2007年)、『アナトリア』『東京ポートレイト』(クレヴィス、2011年)、『眼と風の記憶 写真をめぐるエセー』(岩波書店、2012年)『PERSONA 最終章』『persona in india SHANTI』(筑摩書房、2019年)など多数。


タイトル

鬼海弘雄作品展 「王たちの肖像」

開催期間

2020年6月30日(火)~8月2日(日)

展示内容

鬼海弘雄氏が1987年の写真集『王たちの肖像 浅草寺境内』で発表した作品を中心に、約40点(すべてモノクロ)を展示。
浅草寺境内の朱塗りの壁を背景に人物を正面から撮影したポートレイトは、被写体各々の個性の中に人生が浮かび上がり、生きることの深淵を語りかけてくる。40年以上の長い間、同じ場所で出会う人物を敬意と共感をもって撮り続けてきた肖像写真は、一点毎があたかも一編の映画のようで、深い読みとりをうながす。

展示点数

40点(全作品モノクロ)

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

図録はこちら

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)

入館料

無料

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 - 半蔵門 - 日比谷 - 銀座四 - 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 - 東京女子医大前 - 四谷駅前 - 半蔵門 - 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。