春日昌昭 作品展 「東京・1964年」
JCIIフォトサロンでは、来る2021年6月29日(火)から8月1日(日)まで、春日昌昭作品展「東京・1964年」を開催します。
春日昌昭(1943‐1989)氏は、東京綜合写真専門学校在学中の1966年に準太陽賞を受賞し、卒業後は新進気鋭の写真家として『太陽』『女性自身』『週刊大衆』などで仕事を重ねました。一時期は大阪で紙芝居屋を営んだこともありましたが、数年で東京に戻って出身校の講師として約10年間後進の指導にあたり、46歳の若さで逝去しています。
今回は、春日氏が専門学校在学中の1964年に東京と周辺の街をスナップした「東京・1964年」をご覧頂きます(ヴィンテージプリント12点、ニュープリント65点)。
1964年10月に開催されたオリンピック東京大会にむけて、東京では再開発の槌音が鳴り響き、次々に造られる新しい建物や高速道路によって街並みが一変していきました。東京の下町で生まれ育った春日氏は、幼い頃に母と歩いた街角が変貌していくのを目の当たりにして、憑かれたように歩きまわって撮影を続けたといいます。
都心では、池袋や上野に建てられたオリンピックのモニュメントや銀座のウィンドウディスプレイ、そして、街頭に掲げられたオリンピック旗などによって五輪ムードが盛り上げられていました。周辺の小松川や千住、川崎などでは、昔ながらの煙草屋、洋品店、金物屋などの店先に記念旗や提灯が掲げられて、平和の祭典を盛り上げる機運がうかがえます。戦後20年を目前にして、壊滅的な打撃であった戦争の記憶を払拭するかのように国際イベントに向かう都市・東京とそこに生きる市井の人々を、若き写真学徒であった春日氏が冷静に記録しています。
約50年前のオリンピック東京大会の年に撮影された作品群は、解体と再構築を重ねながら東京2020大会開催に至った東京の軌跡を思わせることでしょう。
春日昌昭 (かすが・まさあき)
1943年 東京都墨田区に生まれる。
1962年 都立本所高校卒業。東京綜合写真専門学校入学。
1966年 東京綜合写真専門学校研究科卒業。「浅草」で平凡社第3回準太陽賞受賞。
森裕貴と写真事務所ヴィット・プロを立ち上げて雑誌の仕事で活躍。
1971年 大阪へ移住し、紙芝居屋となる。
1973年 東京綜合写真専門学校講師となり、同校研究室長を77年まで務める。
1977年 中垣スタジオ入社。東京綜合写真専門学校第二学科講師を87年まで務める。
1987年 赤羽写真企画に入社し、凸版印刷へ出向。
1989年 10月1日死去。
主な展覧会
1978年 東京綜合写真専門学校20周年記念展「同時代の写真展―まなざし」(ミノルタフォトスペース)に出品
1983年 「CONTEN PORAROID IV」(ポラロイドギャラリー)に出品
1990年 個展「街の軌跡」(FROG)
1997年 個展「1964東京」(コニカフォトプラザ)/個展「1966浅草」(Mole)
2007年 東京写真月間・国内展「TOKYO・1963-1966」(富士フォトサロン)
主な写真集
『足柄古道を往く』読売新聞社、1979年
『オリンピックのころの東京 岩波フォト絵本』(文・川本三郎)岩波書店、2002年
『40年前の東京 昭和38年から昭和41年 春日昌昭のトウキョウ』(文・佐藤嘉尚)生活情報センター、2006年
タイトル
春日昌昭作品展「東京・1964年」
開催期間
2021年6月29日(火)~8月1日(日)
展示内容
1964年にスナップした東京の街と人々。池袋のオリンピックモニュメントや洋品店の店先に掲げられた記念旗などに平和の祭典を盛り上げる機運がうかがえる。壊滅的な打撃であった戦争の記憶を払拭するかのように五輪へ向かう東京の街と市井の人々の日常を、東京の下町出身の写真学徒が冷静に記録した作品群。
展示点数
77点(ヴィンテージプリント12点、ニュープリント65点。全てモノクロ)
図録販売
今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。
図録はこちら
開館時間
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)
入館料
無料
所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
交通機関
- 東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
- 東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
- 都営バス「都03 (四谷駅 - 半蔵門 - 日比谷 - 銀座四 - 晴海埠頭)」
- 都営バス「宿75 (新宿駅西口 - 東京女子医大前 - 四谷駅前 - 半蔵門 - 三宅坂)」
半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
- 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
- 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
- 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
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