写真展

国際観光写真にみる1930年代

　JCIIフォトサロンでは、来る2021年11月30日（火）から12月26日（日）まで、「国際観光写真にみる1930年代」を開催します。

　1930年に日本の観光政策をリードする機関として鉄道省国際観光局が設立され、1931年には外客誘致の海外宣伝事業を行う財団法人国際観光協会が設けられました。まもなく誘致宣伝に写真が本格活用されるようになり、各国の旅行団体や大使館等に多数配布されて、日本への観光を誘ったのです。撮影された写真はストックフォトとして蓄積され、その原板（ネガフィルム、ガラス乾板など）は株式会社JTBに長く保存されていました。弊館では、2017年度にこれらの寄贈を受けて、ストックフォト形成の成立経緯や撮影時期、被写体内容などの調査を進めています。

　本展では、このストックフォトの中から選定した1930年代撮影の写真82点（全てモノクロ）をニュープリントでご覧いただきます。

　富士山を背に笑顔の子どもたちが日の丸を振る伊豆での光景（1936年）、日光中禅寺湖畔にてヨット競技に興じる外交官たち（1935年）、東京競馬場でレースの行方を見つめる人々（1935年）、上野動物園でアジアゾウ“花子”に乗る少年（1935年）など、各種スポーツ施設や観光名所が写されています。1930年代に外国人観光客を誘致するために日本の魅力をアピールする出展作は、記録としても、歴史資料としても貴重な写真ばかりです。

★この展示に合わせて、12月4日（土）に編集者で元JTB社員の河合桃子氏をお招きし、本展企画担当の白山眞理との講演会「JTB旧蔵ネガの真価と伝承」を開催いたします。現在、参加申し込み受付中です。ぜひご参加ください。

【JTB旧蔵ストックフォトについて】
1912年、外客誘致を図る任意法人として“ジャパン・ツーリスト・ビューロー”（JTB）創立。その後、“社団法人ジャパン・ツーリスト・ビューロー 日本旅行協会”（1934年）、“社団法人東亜旅行社”（1941年）と改称し、“財団法人東亜旅行社”（1942年）に改組される。
1930年に鉄道省国際観光局が設立し1931年に財団法人国際観光協会が設置されて、1934年頃より外客誘致目的の写真撮影を開始してストックフォトを形成。
1943年、鉄道省国際観光局は廃止され、東亜旅行社は国際観光協会の事業を継承して“財団法人東亜交通公社”に改称（ストックフォトを継承）。
1945年、東亜交通公社は“財団法人日本交通公社（Japan Travel Bureau）”と改称し、1963年に営業部門を分離した“株式会社日本交通公社”（現・株式会社JTB、ストックフォトを継承）と“財団法人日本交通公社”（現・公益財団法人日本交通公社）となる。
JCIIに収蔵したストックフォトは全てモノクロで、撮影期間は1930年代から1970年代まで、ネガ概数は120フィルム約20000本、135フィルム約5000本など多数。

タイトル

国際観光写真にみる1930年代

開催期間

2021年11月30日（火）～12月26日（日）

展示内容

国際観光宣伝を目的とする日本を伝えるストックフォトの中から選定した1930年代撮影写真のニュープリント。富士山を背に子どもたちが日の丸を振る伊豆での光景（1936年）、日光中禅寺湖畔にてヨット競技に興じる外交官たち（1935年）、東京競馬場でレースの行方を見つめる人々（1935年）、上野動物園でアジアゾウ“花子”に乗る少年（1935年）などが日本の魅力をアピールする。各種スポーツ施設や観光名所などの記録としても貴重な写真群。

展示点数

82点（全てモノクロ）

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

図録はこちら

開館時間

10:00～17:00

休館日

毎週月曜日（祝・祭日の場合は開館）

入館料

無料