写真展

――生誕100年記念展―― 写真家・名取洋之助

開催期間:2010年11月30日(火)2010年12月26日(日)
レストランにて アメリカ(1937年撮影) (c)名取洋之助

 JCIIフォトサロンならびにJCIIクラブ25では、来る2010年11月30日(火)から12月26日(日)まで、「――生誕100年記念展―― 写真家・名取洋之助」を開催いたします。

 1931年に遊学中のドイツで報道写真家となった名取洋之助は、1933年に帰国して我が国に報道写真の概念を移入し、外遊したアメリカではグラフ誌『LIFE』(1936年創刊)の契約写真家として活躍しました。戦後は『岩波写真文庫』のために日本各地を取材し、また、ヨーロッパのロマネスクに魅せられて写真集を上梓するなど、52歳で病没の直前まで世界を巡りカメラを離しませんでした。

 対外宣伝グラフ誌『NIPPON』(1934年創刊)など、報道写真発表の場として彼が携わった刊行物はそれぞれの時代を象徴し、写真編集の立場で綴った『写真の読みかた』(岩波新書、1963年)は写真関係者の必携書として現在も読み継がれています。写真家の木村伊兵衛、土門拳ら、デザイナーの河野鷹思、亀倉雄策らと仕事を重ねた名取は、報道写真の編集者、名伯楽として高く評価されてきましたが、一方、優れた写真家であったことは忘れられがちです。

 本展示では、名取洋之助生誕100年※を記念して、1930年代から1960年代の欧米、日本、中国を活写した作品約150点(すべてモノクロ)を展示します。激動の時代に写真家・名取が世界とどのように対峙したのか、作品を通して見つめます。

★作品展にともない、会期中の12月18日(土)に写真史研究家 金子隆一+白山眞理「トークショー「名取洋之助の写真」を開催致します。是非ご参加ください!

 

名取洋之助(NATORI Younosuke、1910年~1962年)
東京市高輪生まれ。慶応義塾普通部卒業後ドイツに渡り、ミュンヘンの私立学校で商業美術を学ぶ。1931年、『ミュンへナー・イルストリールテ・ツァイツング』に投稿した写真が採用され、間もなくウルシュタイン社契約写真家となって『ベルリーナ・イルストリールテ・ツァイツング』などで活躍。ヒットラーの外国人就業規制によって1933年に日本へ拠点を移し、東京で木村伊兵衛らと制作集団「日本工房」を結成。対外宣伝グラフ誌『NIPPON』(1934年創刊)などを制作・刊行。日中戦争勃発後は、財団法人国際文化振興会や陸軍の写真配信に携わる。戦後は、綜合グラフ誌『週刊サンニュース』(1947年創刊)、『岩波写真文庫』(1950年創刊)の編集長格として活躍。
作品集は『GROSESS JAPAN(DAI NIPPON)』(カールシュぺヒト社、1937年)、『麦積山石窟』(岩波書店、1957年)、『ロマネスク 西洋美の始源』(慶友社、1962年)ほか。著書は『新しい写真術』(慶友社、1955年)、『写真の読みかた』(岩波新書、1963年)ほか。

 

タイトル

――生誕100年記念展―― 写真家・名取洋之助

開催期間

2010年11月30日(火)~12月26日(日)

展示内容

1930年代から1960年代の欧米、日本、中国を活写した作品約150点(全てモノクロ)を展示。
戦前編(JCIIフォトサロン)では、1930年代に撮影された作品の中から、朝鮮、満洲、オリンピックベルリン大会に沸くドイツ、ニューディール政策下のアメリカなど約90点。本店で初公開の、妻をモデルにしたビンテージプリント(1930年代撮影)は、光と影がモダンな世界をつくる必見の作品。
戦後編(JCIIクラブ25)では、1950年代から1960年代に撮影された鹿児島の離島、中国の人々と寺仏、ドイツ・イタリア・スイスの教会に残るロマネスク美術など約60点。

展示点数

約150点(全作品モノクロ)

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

図録はこちら

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)

入館料

無料

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分

  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。