幕末・明治維新を生き抜いた人々
JCIIフォトサロンでは、好評をいただいている古写真シリーズの21回目として、来る2011年8月2日(火)から8月28日(日)まで、「幕末・明治維新を生き抜いた人々」展を開催いたします。
嘉永6年(1853)とその翌年に、黒船を率いた日本遠征艦隊司令官ペリー提督が、開国を求め来航したことから、鎖国政策を続けてきた日本は大きく揺らぎます。嘉永7年(1854)、日本はついに日米和親条約を締結し、200年余りも続いた鎖国の扉を開けました。次いで安政5年(1858)の日米修好通商条約締結後、本格的に外国船が来航するようになると幕府は、条約の批准や改正交渉のため、欧米へ使節団を派遣します。そこで欧米の近代化した軍事力や文化を目の当たりにした使節達は、日本が植民地化されないためには、西洋の知識を取り入れ日本も近代化する必要性があると考えました。
しかし一方では、外国との交流を従来通り拒絶する攘夷の思想が芽生え、薩摩藩や長州藩の攘夷派による外国人の暗殺や外国船への砲撃事件が起こります。これらの事件への報復として起きた薩英戦争や下関戦争で、両藩は外国の強さを思い知ることとなり、攘夷の思想は倒幕へと変換され、大政奉還、王政復古と進展していきました。そうして内乱を繰り返しついに、慶応4年(1868)、長く続いた徳川幕府が幕を下ろし、天皇を中心とした明治政府が誕生しました。
今回の展示では、幕末の動乱期から明治政府が誕生するまでの、激動の時代を生きた人々の肖像写真、約160点をご覧いただきます。日本に開国を迫ったペリー提督をはじめ、福沢諭吉や岩倉具視など、欧米諸国を周った使節団(遣米使節団、第一回・第二回遣欧使節団、岩倉使節団)、徳川慶喜、松平春嶽、伊達宗城、島津久光、山内容堂など、尊王攘夷運動や下関戦争、大政奉還などに関わった人物、明治天皇をはじめとする皇族、そして、木戸孝允、後藤象二郎、大隈重信、大久保利通、伊藤博文、山形有朋、勝海舟といった幕末期に日本を動かし、その後明治政府の官僚や政治家となった人々の肖像写真を展示いたします。
このほか、ペリー提督一行の写真師であったE.ブラウンJr.が、画家のW.ハイネによる原画をもとに海軍長官の許可を得て自身とハイネの姿を加筆させ作成した、大変希少な大判石版画「ペリー提督一行、下田へ上陸の図」や、使節団が描かれた当時の英字新聞なども、写真とともに展示いたします。さらに、安政4年(1857)に西郷隆盛と高杉晋作、平野次郎の似顔絵が描かれた謎の手配書も展示いたしますので、写真が無いとされる西郷隆盛の人相が想像できるかもしれません。また、現在日本人が撮影された最古の写真とされる、嘉永3年(1850)に嵐に遭い漂流し、アメリカの船に助けられサンフランシスコで撮影された栄力丸の乗組員「利七像」も当時の英字新聞(記事は1853年1月22日付)と共に展示いたします。
長く続いた徳川幕府が崩壊し、新しい日本に生まれ変わるその幕開けに、懸命に働き、戦い、そしてまたこの時代に翻弄され、明治という時代を築き上げた人々の姿を、どうぞご覧下さい。
★この展示に合わせて、古写真収集家の石黒敬章氏をお招きし、古写真研究家(日本カメラ博物館)の井桜直美氏とのトークショー「幕末・明治維新を生き抜いた人々」を語るを2011年8月6日(土)に開催いたします!是非ご参加ください。(※要電話予約)←終了いたしました
タイトル
幕末・明治維新を生き抜いた人々
開催期間
2011年8月2日(火)~8月28日(日)
展示内容
幕末の動乱期から明治政府が誕生するまでの、激動の時代を生きた人々の肖像写真、約160点をご覧いただく。
日本に開国を迫ったペリー提督をはじめ、福沢諭吉や岩倉具視など、欧米諸国を周った使節団、徳川慶喜、松平春嶽、伊達宗城、島津久光、山内容堂など、尊王攘夷運動や下関戦争、大政奉還などに関わった人物、明治天皇をはじめとする皇族、そして、木戸孝允、後藤象二郎、大隈重信、大久保利通、伊藤博文、山形有朋、勝海舟といった幕末期に日本を動かし、その後明治政府の官僚や政治家となった人々の肖像写真を展示。
この他、大変希少な大判石版画「ペリー提督一行、下田へ上陸の図」や、使節団が描かれた当時の英字新聞、安政4年(1857)に西郷隆盛と高杉晋作、平野次郎の似顔絵が描かれた謎の手配書や、現在日本人が撮影された最古の写真とされる、嘉永3年(1850)に嵐に遭い漂流し、アメリカの船に助けられサンフランシスコで撮影された栄力丸の乗組員「利七像」も、当時の英字新聞と共に展示する。
展示点数
約160点
図録販売
今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。
図録はこちら
開館時間
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)
入館料
無料
日本カメラ博物館YouTube公式チャンネル
明治初年から明治18年以前に東京の名所を撮影した写真がまとめられている、当館所蔵の「大日本東京寫眞名所一覧表」と題された2冊の写真帖をベースに、古地図や幕末・明治の写真おり交ぜながら井桜直美研究員が現在の様子と比べて紹介するシリーズ「東京百景」は、日本カメラ博物館YouTube公式チャンネルでご覧になれます。
所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
交通機関
- 東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
- 東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
- 都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
- 都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
- 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
- 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
- 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
- JR東京駅からは、東京メトロ◎丸の内線東京駅→大手町駅にて◎半蔵門線に乗り換えると便利です。