写真展

植田正治作品展「童暦・砂丘劇場」

開催期間:2012年6月5日(火)2012年7月1日(日)
童暦(1955-1970)より 撮影:植田正治

 JCIIフォトサロンでは、写真家・植田正治氏の生誕100年を記念して、植田正治作品展「童暦・砂丘劇場」を2012年6月5日(火)~7月1日(日)まで開催いたします。

 鳥取県境港市生まれの写真家・植田正治氏(1913~2000)は、アマチュアとして生涯を郷土で過ごしました。戦前は「新興写真」のモダン表現を積極的に取り入れ、構成的な造形感覚を活かしながらもユーモアを感じさせる独自の作品世界を確立しました。戦後は、身近な砂丘を舞台にした家族写真などが注目を集め、1980年代には超現実的な感覚のモード写真に携わるなど、次々と実験的な作品に取り組みました。植田氏の作風は海外でも高く評価されており、作者没後も内外の人々を魅了し続けています。

 今回はJCII所蔵作品より、子どもの四季を何気ない日常の中でとらえたシリーズ「童暦」(1955~1970撮影)と、砂丘に人物を配した演出で名高いシリーズ「砂丘劇場」(1948~1975撮影)から家族・子どもをテーマにセレクトした作品展示をいたします。

 「童暦」はモノクロの階調を繊細に仕上げたオリジナルプリントで、郷土を愛した植田氏の心がこもった作品です。併せて写真集、作品が掲載された写真雑誌、さらに直筆原稿などの関連資料も展示します。

植田 正治 (うえだ しょうじ)
1913年3月27日、鳥取県西伯郡境町(現・境港市)生まれ。鳥取県立米子中学校在学中に写真に熱中し、1931年に卒業。その後オリエンタル写真学校にて修業。1932年に郷里で営業写真館を開業。写真雑誌などへの作品投稿を続ける傍ら、1937年に石津良介らと「中国写真家集団」を結成し、「少女四態」など演出写真に独自の境地を拓く。1943年、光海軍工廠(山口県)に徴用されるが間もなく帰郷。
1947年、緑川洋一らと「銀龍社」に参加。この頃撮影した砂丘を舞台にした演出写真が注目を集める。1950年に山陰地方の写真家集団「エタン派」を結成。1954年、第2回二科賞受賞。この頃より、のちに「童暦」にまとめられる山陰の四季と子どもをテーマにした撮影を始める。1975年、日本写真協会年度賞受章。同年、九州産業大学芸術学部写真学科教授(待遇)就任(~1994年)。1978年、文化庁創設10周年記念功労者表彰受章。1979年、島根大学教育学部非常勤講師就任(~1983年)。1989年、日本写真協会功労賞受賞。1995年、鳥取県西伯郡岸本町(現・伯耆町)に植田正治写真美術館開館。1996年、フランスの芸術文化勲章シュバリエ受章。2000年7月4日、87歳で逝去。
<個展>
1971年 「童暦」ペンタックスギャラリー
1992年 「植田正治作品展・砂丘劇場」JCIIフォトサロン
1993年 「植田正治の写真」東京ステーションギャラリー
2005年 「植田正治:写真の作法」東京都写真美術館 ほか多数
<作品集>
『田園の写し方』(アルス写真文庫・1940年)、『童暦』(『映像の現代第3巻』中央公論社・1971年)、『砂丘・子供の四季』(『ソノラマ写真選書11』朝日ソノラマ・1978年)、『昭和写真・全仕事10 植田正治』(朝日新聞社・1983年)、『日本の写真家第20巻 植田正治』(岩波書店・1998年) ほか多数。
 
タイトル

植田正治作品展「童暦・砂丘劇場」

開催期間

2012年6月5日(火)~7月1日(日)

展示内容

山陰の風土と子どもの四季をスナップショットでとらえたシリーズ「童暦」(1955~1970年撮影)のオリジナルプリント20点。砂丘に人物を配した演出で名高いシリーズ「砂丘劇場」(1948~1975年撮影)より「パパとママとコドモたち」(1949年)、「土門拳と石津良介」(1949年)ほか20点。戦前の代表作「少女四態」、ファッションブランドのために写した写真「砂丘モード」(1983~1993年撮影)など、作品約50点(全てモノクロ)をご覧いただく。
併せて写真集、作品掲載誌、直筆原稿なども展示。

展示点数

約50点(全作品モノクロ)

図録販売

今回展示される作品を収めた図録を制作し、フォトサロン受付にて販売します。または通信販売もご利用いただけます。

図録はこちら

開館時間

10:00~17:00

休館日

毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)

入館料

無料

所在地:102-0082 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル

交通機関

  • railway東京メトロ◎半蔵門線半蔵門駅下車 4 番出入口より徒歩 1 分
  • railway東京メトロ◎有楽町線麹町駅下車 3 番出入口より 徒歩 8 分
  • bus都営バス「都03 (四谷駅 – 半蔵門 – 日比谷 – 銀座四 – 晴海埠頭)」
  • bus都営バス「宿75 (新宿駅西口 – 東京女子医大前 – 四谷駅前 – 半蔵門 – 三宅坂)」
    半蔵門停留所下車 徒歩 4 分
  • 駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください。
  • 日本カメラ博物館とJCIIフォトサロンの入り口は異なりますのでご注意ください。
  • 日本カメラ博物館へご来館の際は、お足もとが不自由な旨ご連絡いただければ、エレベーターにてご案内いたします。
  • JR東京駅からは、railway東京メトロ丸の内線東京駅→大手町駅にて半蔵門線に乗り換えると便利です。